ペットニーマンゴン、リファディンがKO勝ちで、王者吉成名高にラブコール~ONE Friday Fights 138 (2026年1月16日)
ONEチャンピオンシップは、1月16日にルンピニースタジアムで毎週の定期興行、Friday Fights 138を開催した。昨年末の12月19日のONE Friday Fights 137から1か月ぶりの大会ということで、心待ちにしていたファンが詰め掛け、スタジアムには序盤より満員となった。
ONEアトム級(52.2キロ)のムエタイマッチとして行われた第7試合では、リファディン・マスドール(マレーシア)が、第10試合に出場したペットニーマンゴン・DR.ラットナムケンアイスランドはそれぞれKO勝ち。ヒーローインタビューでは、共にONEアトム級ムエタイ王者である吉成名高戦をPRした。
また、かつてRWS JAPANで来日し、松田龍聖と戦ったのコタオ・ペッソンヌックは、第12試合に出場し、トンランプーン・FAグループとの再戦に挑んだ。

🥊リファディン・マスドール対モハメド・レドー
リファディンはマレーシア出身の23歳、7歳の時にムエタイを始め、アマチュアムエタイのマレーシア代表としてシーゲーム(東南アジアの国対抗スポーツ大会)に出場したこともある。タイではソーソンマイジムで練習し、これまでの戦績は44勝8敗、ONEでは4勝(3KO)1敗、この1敗は2025年1月にペットニーマンコンに0‐2の判定で敗れたもの。
モハメド・レドーはインドネシア出身の26歳、Dサンサックムエタイ・パタヤというジムで練習を続け、インドネシア王者になったこともあるという。ONEでは1戦1敗。
試合は初回ゴングから顔面への右前蹴り、そして左右フックにミドルキックと勢いよくリファディンが飛ばしていく。レドーも応戦するが、リファディンのスピードについていけない。2分過ぎ、首相撲の展開から離れたところでリファディンの左回転ヒジがレドーの顔面に命中し、ダウンを奪う。なんとか立ち上がったレドーにリファディンは左右ヒザ、左右パンチで攻め立て、うつ伏せに倒すダウンを奪うと、レフェリーはノーカウントで試合を止めた。
リング上のヒーローインタビューで「マレーシアのファンありがとう。今日は自分のフットワークの良さを披露できたと思う」と話したリファディン、35万バーツ(約175万円)のKOボーナスを獲得すると「チャトリさん、そしてONE チャンピオンシップ皆さん、ありがとう。もし、チャンスを可能なら次戦でもベストファイターである、名高と戦いたい。私はいつでもOKです」と興奮しながらコメントした。


↑ ↑ リファディンのKOシーン(タイ以外の国では視聴できない可能性あり)
🥊ペットニーマンゴン対トヨタ
ペットニーマンゴンはカンボジア国境に近い、スリン県(サンカ郡)の出身、これまで65勝21敗、ONEではこれまで5戦5勝(3KO)の27歳。第7試合に出場したリファディンには、2025年1月に対戦し、判定勝ちしている。アトム級の激闘王である。
一方のトヨタもスリン県(プラサート郡)出身で通算戦績は30勝11敗、ONEでは3戦3勝(3KO)の24歳、上半身はタイの不良じみたの独特の和彫りタトゥーに包まれており、一見、地下格闘技の選手のようでもある。
調べてみると14歳の時にムエタイで稼いだお金で薬物に手を出し、中毒者になった過去があるという。あらゆる薬物を試したというトヨタ、薬物を断ち切ろうと、何度もリハビリに通う。止めてもまた再開の繰り返し。そのうちに飲酒運転で事故を起こし、重症に遭う。病院のベッドで、「このままの暮らしでは死んでしまう」ときっぱり薬物を止めて、ムエタイ選手に復帰した。タイのテレビ中継でもアナウンサーは彼を「一度死んだけど、また新たに生き返った(ตายแล้วเกิดใหม่)」と視聴者に説明していた。(One podcastでの トヨタのインタビュー翻訳は下記リンク)
この試合、ペットマニーモンゴンにとっては、2025年4月のコチャシット戦(下記リンク)に続いての、同郷対決、スリン対決となった。
試合は身長(167センチ)、リーチで上回るサウスポーのトヨタは、右ジャブからの右フックは威力が満点だが、163センチのオーソドックス、ペットニーマンゴンの攻めに割と簡単に中に入られてしまう。初回2分20秒には、正拳突きのようなペットニーマンゴンの右ストレートを喰らい、トヨタがふらつく。このラウンド、更に2発の右パンチをまともにもらったトヨタはこのラウンドを生き延びる。2回、強引に前に出るトヨタ、右パンチ中心に連打でペットニーマンゴンに迫る。左が少なく、拳を痛めていたのかもしれない。ペットニーマンゴンは左目尻が赤く腫れて、出血している。
3回、温存していた左パンチも振っていくトヨタ、顔面を狙った右前蹴りも見せる。まともに左パンチを喰らい、クリンチするペットマニーモンゴン、勝負の先行きが分からなくなってきたところで、右フック、右アッパーのコンビネーションを決めてトヨタを仰向けに転がすダウンを取る。立ち上がったトヨタに連打をまとめ、再びダウンしたトヨタをレフェリーが救った。スリン対決は、3回2分4秒で、ペットニーマンゴンが制し、これでONEでの戦績を6戦6勝(4KO)とした。ヒーローインタビューでペットニーマンゴンは「トヨタより私がスピードで上回っていた」とし、「これでONEで6連勝した。世界チャンピオンに絶対になります。(私は)名高のベルトを獲ることができる。115ポンドでベストファイターということを見せたい」と興奮ながらに話した。
ONEアトム級ムエタイのランキングは公開されていないが、リファディンに既に勝利しているペットニーマンゴンのほうが、名高の王座に挑戦する権利はあるように思う。





↑ ↑ ペットニーマンゴンのKOシーン(タイ以外の国では視聴できない可能性あり)
🥊コタオ(コッタオ)対トンランプーン
ONEストロー級(55.3キロ)、ムエタイ3回戦で行われたこの試合は、2025年8月以来の再戦となる。トンランプーンは前戦では2‐0でコタオを下しており、ONEでは7戦全勝としている21歳(通算48勝12敗)。対するコタオはONEでは1勝3敗(通算60勝17敗)だが、トンランプーンとの前戦で敗戦も健闘ボーナスとして、35万バーツを獲得し、今後への期待を持たせた。
↑ ↑ コタオ対トンランプーン第一戦のレポート
激しい打撃戦となった初戦とは異なり、初回は静かな立ち上がり。両者共にミドルキック、ローキック、軽めのジャブで相手の様子を伺う。手の内を知っているだけに慎重となっているのかもしれない。2回に入り、距離が縮まり、危険なパンチを打ち合う二人、トンランプーンが攻撃に混ぜる前蹴りやミドルもよく当たる。しかし、激しいパンチやヒジ、ヒザの打ち合いに巻き込まれた感のあるトンランプーン、次第に被弾が増えていく。最後は2分30秒、コタオの左フックがトンランプーンの顔面を打ち抜き、トンランプーンが腰から落ちるダウン。立ち上がろうとしてふらつくトンランプーンをレフェリーが止めた。
ヒーローインタビューで、35万バーツ(約175万円)のKOボーナスを獲得を伝えられると「嬉しくて言葉が思いつかない。(ONEのお陰で)この年齢で家を買い、車も手に入れ、貯金もできている。良い人生です」とコメントした。


↑ ↑ コタオのKOシーン(タイ以外の国では視聴できない可能性あり)
※ONE Friday Fights 138は、ルンピニースタジアムでの現地観戦、写真は著者撮影のものと、ONE CHAMPIONSHIPの公式Youtubeから撮影。
拙著「ムエタイ裏街道」、Amazonにて発売中です。
