限界オタクが語る、歴代エルファバ役者さんへの愛
映画・ウィキッド後編を見てきました。
ウィキッドとの出会いは21歳の夏。大阪旅行の帰りに何気なく劇団四季のチケットを取って、初めて観劇。もうオープニングでこの世界観に衝撃を受け、恋に落ちたようにどハマり。CDを聴きまくり「初演コンビは神!」と叫んだり、四季とブラマヨさんとのコラボ動画を見てかかしダンスを練習する立派な痛いオタクが誕生しました。
このまま行ったらチケット破産することが目に見えていたので、1年に1回だけ自分へのプレゼントとして(旅行も兼ねて)ウィキッドの舞台を観劇することに。
先日は映画の後半を見ていて、最初の方は「ほお、映画ではこうきましたか」「おっ新曲いいね!」と舞台オタクらしく余裕を持って見れてたのに、案の定For goodでもうダメでした。アリアナとシンシアの歌声を聴きながら、ウィキッドを追いかけた自分の10年が走馬灯で蘇ってきて、ずっと声を殺して嗚咽。
最後の最後、例の二人の構図(ぜひ劇場でご覧ください)に陥落。手で顔を覆って泣きました。あそこで胸を打たれなかった舞台ファン、いないんじゃないでしょうか。
なんでも監督はユニバーサルミュージックに掛け合って、絶対にあのラストは広告に使わないようにと説得して回ったとか。まだ見てない方はぜひ劇場へ。あっでもこの物語のベースになってる『オズの魔法使い』は一応サラッとでもご確認くださいね、特に後半は伏線回収の嵐ですので。
ここで終わってもいいのですが尺が足りないので、突然で恐縮ですが私がこれまで見てきた日本カンパニーのエルファバを演じた四季女優さんたちを、独断と偏見に基づいてご紹介してみます。(順番に意味はありません)
①樋口麻美さん
ウィキッドの世界へ私を誘ったディーバ。当時は初代エルファバ・濱田めぐみさんがスゴツヨすぎてあれこれ言われてたみたいですが、もう本当にDefying Gravityの後の会場のどよめきがすごくて座席から動けなくなってしまって、終演後すぐ四季の会員に。そして樋口さんにファンレターとバラの花を劇場まで持っていった限界オタクが私です。
元々「陽」のパワーが強い樋口さんがエルファバという「隠」の役を演じるという科学反応が良かった。ある有名四季ブロガーさんがこう評していて、本当にそうそう、という感じ。
「濱田のエルファバは意志によって支えられ凛とした印象なのに対し、樋口のエルファバは根性によって支えられ脆さを感じさせる」
運よく樋口さんの退団直前にもう一回だけエルファバを見れたのだけど、もうその時は一人だけカンパニーの中で実力が天井知らずになっていた。ウィキッドってグリンダ役者とエルファバ役者の力が拮抗して出来上がる舞台だと思うのですが、あまりに樋口さんだけ凄すぎてもう客席で笑っちゃった記憶がある。大好きです。昔も今もずっと愛してます。
②江畑晶慧さん
6ヶ月の福岡公演の間、半年間毎日シングルキャスト(アンダーなし)でエルファバを演じ抜いた鉄鋼の喉と精神を持つ女優さん。韓国の方だけど日本語台詞の発音が非常に美しいことでも有名。
去年久しぶりに大阪公演で拝見した江畑さんのエルファバは、それはそれはもう洗練していて素晴らしかった。特に1幕ラスト「引き返せない道に行くことを覚悟する人間」がめちゃリアルで、これまでエルファバに感じてた違和感が全くなく見れた。
あとポピュラーでグリンダに改造計画持ちかけられたとき、他エルファバは「いいわよ・・そんなことしなくて・・(引き気味、ありがた迷惑な感じ)」なのに対し江畑さんは「いいわよそんなことしなくてぇ!!(マジ勘弁!)」って感じで笑った。
本番中は圧倒的実力を見せつけてくださるが、カーテンコールのかわいらしい笑顔とのギャップで毎回やられる。舞台ではあんなに光り輝くすごい人なのに、カーテンコールではちょっと照れて小さい女の子みたいに笑って素が出るところにズキュン。
③雅原慶さん
多分一番劇場で当たったエルファバ役者さん。芸達者で素敵だったのだが・・ちょっと私が求めるエルファバ像と解釈違いがあった。
例えば2幕でフィエロがグリンダに「僕はエルファバと一緒に行くよ」という台詞。私が思うに、ここはエルファバが愛する人に生まれて初めて選ばれた、今世では諦めていたはずの幸せが到来した驚きからの「なんですって」が来ると思うのですが・・雅原慶さんは結構ここで「なんですってえ!」と笑いを取りに行ってたんだよなあ・・
インタビューとか拝見するに本当に素晴らしい女優さんだと思うのですが、舞台を見ていると「違う・・エルファバはここでそんな風にしない・・」と思ってしまうことが多かった。世間の評判はすこぶる良く、単なる私の偏見です。歌声に突き抜けるような爽快感があり、W&I・DG・NGDといったビッグナンバーはしっかりと魅せていて流石、素晴らしかった。
④岡村美南さん
自分がこれまで見たエルファバ役者さんの中で、一番演技力が高いというか、一番リアルなエルファバと感じた女優さん。
なんというか、自然なエルファバ。「岡村さん・・緑の肌だったことあるんですか?」って聞きたくなるような、肌があんな状態で生まれてきた運命を背負っている、舞台に登場するまでの人生がちゃんと見えるエルファバだった。岡村さんは四季入団前に海外の音大に留学されていた際、ちょっとしたアジア人差別にあったことを何かのインタビューで話されていたから、そういう実体験もうまく表現されていたのかもしれない。
あと印象的だったのが、2幕でオズの陛下との交渉が決裂して護衛兵たちに囲まれる場面。
たいていエルファバはキッと護衛兵たちを睨みつけて、箒を拳銃のように構えて応戦対戦に入るのですが、岡村さんは護衛兵たちに囲まれた時、箒を横に構えたんですよね。当時客席で「えっ?」と思って思わずオペラグラス上げたら、エルファバの手が細く震えてたんですよ。そりゃそうだ。どんな強い精神を持ってる追われる身の悪い魔女だって、武器を持ってる兵士に囲まれたら誰だって怖いって。
たまに歴代エルフィーの歌声戦闘能力が高すぎて「岡村さんは歌声のパンチが弱い」と言われることもあったけど、あまりに演技が良くてパンチが弱かったかとか記憶にない。あと岡村さんは低音もいいのだけど、ALAYMやFGのデュエットの高音もまた美しいんだよなあ。もうエルファバは卒業かと思いきや、前編では吹替キャストのカメオ出演でお声が聞けて嬉しかったです。
・・以上、私の独断と偏見に塗れた、これまで日本のウィキッドを彩ってきた選ばれしエルファバ役者さんのご紹介でした。濱田さんや木村さんは未見ですみません。しかし尺をちょっと埋めるつもりが2800字?は???
劇団四季は来年の夏にウィキッドの再演が決定。
前回の東京公演からデビューされたエルファバ役の三井さんと小林さんにも、早くお目にかかりたい。
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