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/compactが怖くて閉じられないタブが増える人へ──Claude Codeを"雑ワード"3つで回す運用

📓 Okeya Graph|AIツール(Claude / ChatGPT / Gemini / Claude Code)を毎日触って、引っかかったところを淡々と書きます。
この記事は 約 6 分。出てくる"雑ワード"は、PC の単語登録に入れるだけで、翌日から効きます。


セッションが長くなってきて、そろそろ /compact を打ちたい。でも、何が消えるの? 消えて困らない?

タブが 10 個開いている。全部作業中じゃない。閉じていいの? 記録されてる? 続きは戻ってこれるの?

今日は疲れた。細かい指示、いちいち書きたくない。「あとは任せた」って言いたい。

——AI と長く付き合っていると、こういう心配が毎日湧いてきます。私は毎回考えるのが面倒になって、心配ごと 3 種類をまるごと"雑ワード"に外注することにしました。

この記事でやるのは、その"雑ワード"を IME に 3 つ登録する話です。数文字打つだけで、AI が心配ごとを畳んでくれます。翌日から、心配のたびに手を動かすのをやめられるようになります。

「そんな短い言葉で、ほんとに片付くの?」と思いますよね。ここがヘソです。AI 側に手順書を先に読ませてあるから、こちらは"雑に呼ぶ入口"だけあればいい


1. 今日紹介する"雑ワード"3つ

私が毎日助けられているのは、この 3 つです。

数文字ずつ、順に見ていきます。


2. 雑ワード①「ひ1」──引き継ぎを、たった一言で頼む

Claude Code を使い込むと、ひとつの相談が長くなります。長くなると、AI が過去のやりとりを圧縮しはじめる(/compact)。でも、何が残って何が消えたか、こちらからは見えません。次のセッションで「あれ、この前決めたことなんだっけ?」となるのが怖い。

そこで 「ひ1〜ひ4」を辞書に登録しました。実物はこれです(省略なし、そのままコピペ可)。

  • ひ1:続きは次のセッションで行います。

  • ひ2:ハンドオフでは漏れる情報があれば detail ファイルをルール通り作成せよ。引き継ぎ不可ならここで完全実装する。判定せよ。引き継げるならルールに則りハンドオフを作成し、次のセッションの冒頭で示す指示文を出力せよ。

  • ひ3:ハンドオフは履歴(試行・成否)と再開に必要な情報を網羅し、何も前提を知らない次エージェントが理解できる粒度で記載せよ。

  • ひ4:次のセッションの冒頭で示す指示文を出力せよ。

セッションの終わりに、この 4 つをバババッと連打します。すると AI が、

  1. 今のセッションで決まったこと・試したこと・成否をまとめる

  2. 「引き継げるか / 今ここで終わらせるべきか」を自分で判定する

  3. 引き継げる判定なら、ルール準拠のハンドオフファイルを作る

  4. 次のセッションの冒頭で貼る 3 行の起動文を出力する

——ここまでを、勝手にやってくれます。

/compact との違いは、「何が残ったか」が見える形で残ること

ハンドオフは 60 行以内のポインタ型ファイルで、▶ 次アクション / 現在地 / 判断の要点 / 安全・制約 の 4 セクションが並びます。細かい試行錯誤は別ファイル(detail)に分けて、リンクだけ張る。

次のセッションを開いたら、AI が「引き継ぎファイル読みました。続きから始めます」と言ってくる。この安心感が、/compact にはありません。

運用:セッション末に「ひ1〜ひ4」を連打 → 起動文をコピー → /clear → 新セッションでペーストして再開。

※ 私は自作の /handoff というスキルを作って、上の「ひ1〜ひ4」の中身をそこにまとめました。今は /handoff と 1 発打つだけで済んでいますが、辞書登録の"ひ1〜ひ4"だけでも同じ動きになります。裏側の仕組みは §6 で覗きます。


3. 雑ワード②「かんりょう1」──タブを閉じる不安を消す

小さい話ですが、これがいちばん助けられてる気がします。

作業がひと段落した。もうこのタブでやることはない。でも、閉じていいのかわからない。「記録されてる?」「続きをやりたくなったら戻ってこれる?」——閉じるボタンの前で 30 秒固まる、あの時間です。誰にでも一度はあるあの時間。

私はここに 「かんりょう1」 を割り当てました。中身はこれです(雑です)。

かんりょう1:コミットしてください。これでこのセッションは閉じても大丈夫ですか。続きや派生をやりたくなったときに /tasks などですぐ始められるようにしておいてください。セッションタブ閉じてよければ教えてください。

たったこれだけです。でも AI はこれを受けて、

  1. 作業中の変更を git commit して保全する

  2. 中途半端なタスクがあれば、再開しやすい形(ハンドオフ)を残す

  3. 「閉じて大丈夫です」または「これだけ残ってます、こう再開してください」と教えてくれる

心配の外注、というのはこれのことです。「閉じていいかな」って毎回考えるコストを、AI に持たせる。

雑でいい理由がひとつあります。AI 側に「セッション終わりの作法」は別のファイルで読ませてある。だから、こちらが「閉じても大丈夫か」と聞くだけで、AI が作法どおりに手を動かしてくれます。

これを覚えてから、閉じられないタブが 10 個開いてる状態が、なくなりました。


4. 雑ワード③「b1」──「あとは任せた」を、丸ごと預ける

いちばん大がかりな辞書です。「今日は自分で細かく指示したくない、任せた」と言いたい日、あります。

b1〜b6 を、こう分けて登録しています(全部つなげて 1 発で読み込む)。

  • b1:爆速で進めるため、/plan, /launch, /new-tab, subagent, "agent team", "workflow" を効果的に利用する設計をし、AI 社員、スキルもフル活用して、

  • b2:可能な限り並列で進め、依存関係があるものはそれぞれのセッションや社員が進捗や情報を共有して進めていきましょう。

  • b3:なお進めながら仕組みの改善点や課題、問題点も拾い上げ、仕組みのバージョンアップもしていきましょう。

  • b4:その場ですぐ解消できない問題についてもハンドオフを作成し [タスクディレクトリ] と [issue/friction ディレクトリ] に記録していきましょう。

  • b5:また tasks と issue はお互い同期できるようリンクを張り、私の認知的負荷を減らし脳メモリの節約をしてください。

  • b6:判断に迷うときは [私のことを蓄積している to be ディレクトリ] の "to be" を参照して決めてください。to be に記載されていない判断基準が必要な場合は私に聞いてください。

これが「任せた」の中身です。ぱっと見、長い。でも打つのは b1 b2 b3 b4 b5 b6 を順に 2 文字ずつ、6 回です。

※これを打つときは、もはやキーボードのホームポジションではなく、両手の人差し指だけ使ってます笑

主役は最後の b6 です。「判断に迷ったら to be を参照して決めて」の一行。

「任せる」って、実は難しい。任された側は判断が要る。判断が要れば、判断の基準がなければ迷う。だから b6 で "AI が判断に迷ったときの寄り所"を先に渡しておく。私は普段の生活で「自分はこういう方針で動きたい」というリスト(後述の B-リスト)を作っていて、そこを見に行くように指示しています。

これがあると、AI が勝手にいろいろ決めても、「まあその方針なら、私も同じ決め方をしたな」という結果になってきます。任せた側の脳メモリは、ゼロに近くなります。

——b3・b4 も地味に効いています。「進めながら仕組みの改善点も拾って」「解消できない問題はハンドオフに記録して」の 2 行のせいで、その日の作業ついでに、仕組みの摩擦が勝手にストックされる。翌日、時間があるときにそれを片付けると、少しずつ仕組みが良くなる。"仕事"と"仕組み改善"が同じ流れで進む、というのが快感です。


5. なぜ"雑"がいいのか──完璧な指示を書かないでいい

3 つの辞書に共通するコツは、ひとつだけ。

「AI 側に手順を先に置いておく。こちらは"雑に呼ぶ入口"だけ用意する」

  • ひ1〜ひ4 の裏には「引き継ぎファイルの作法」が置いてある

  • かんりょう1 の裏には「セッション終わりの作法」が置いてある

  • b1〜b6 の裏には「並列で走らせる作法」と「私の to be リスト」が置いてある

こちらが打つのは、呼び水です。呼び水は雑でいい。むしろ雑なほうが、毎日打てます。

正直に白状すると、この 3 つの辞書は私が仕組みを整えるのに、それぞれ数日ずつかかりました。「毎日湧く心配」を、しつこく AI と一緒に言語化して、ようやくここに落ち着いた形です。一回作っておけば、「なんか足りない」と感じたときにちょっと修正すればどんどん理想のワークフローが手に入ります。

ただ、一度置けば、あとは辞書 2 文字で呼ぶだけ。1 週間もすれば元は取れます。

もし、裏の設定を自分で作るのは大変そうだと感じたら、手っ取り早い方法があります。この記事を丸ごとコピペして、お使いの AI にこう頼んでみてください。

「まず私の環境を調査してから、この記事の"雑ワード"と同じような仕組みを、私の環境で作ってください。まず提案だけしてください。」

賢い AI は、あなたの環境を覗いて、あなた仕様の"雑ワード"3つを提案してくれるはずです。私が数日かけて作ったものを、あなたは"依頼一発"で受け取れる——AI 時代の"人の轍を踏む"は、こんなに軽くなりました。

ここまでで、ライトユーザー向けの本編はおしまいです。ここから先は Claude Code をお使いの方向けの覗き見コーナーへどうぞ。


6. Claude Code をお使いの方へ──裏で何が動いているか

ここは Claude Code を触っている方向けの、裏側の覗き見です。触っていない方は §7 まで飛んでも大丈夫です。

私は Claude Code に「skill(スキル)」を書き足せる仕組みを使って、雑ワードに対応する手順を先に置いています。ざっと 3 つ、名前と実体を出しておきます。

① /handoff skill(ひ1〜ひ4 の裏)
実体は 260327_AI_employees/plugins/lbs/skills/handoff/SKILL.md。呼ぶと、

  • セッション末の状態から「引き継げるか / 引き継げないか」を先に判定

  • ポインタ型 60 行のハンドオフを作る(本文は簡潔、詳細は detail ファイルに切り出し)

  • 過去のハンドオフに superseded(差し替え済み)マークを打って、重複して同じことを実装し直す事故を止める

  • 次セッションに貼る起動文 3 行を出力

裏に「引き継ぎ可否の 3 判定」「detail 切り出し基準」「逆リンク注入」などの手続きが並んでいて、ひ1〜ひ4 はそれを呼び出す入口です。

② /tasks skill(かんりょう1 の裏で呼ばれる)
実体は 260327_AI_employees/plugins/lbs/skills/tasks/SKILL.md。tasks/active/ と tasks/pending/ を横断走査して、「今、動いているタスクと、寝ているタスクの一覧」を返してくれる。閉じたあと「続きどれからやろう」と迷わないのは、この skill が控えているからです。

③ /plan → /launch → subagent(b1〜b6 の裏)

  • /plan は「複数タスクに分解 → 適切な AI 社員に割り当て → BLACKBOARD.md に書き出す」

  • /launch は Windows Terminal で複数タブを開いて、それぞれに AI を立ち上げる

  • subagent(Agent ツール)は、メインの AI が「これは別枠で走らせよう」と決めて子 AI を起動する仕組み

b1 の一行に /plan, /launch, /new-tab, subagent, agent team, workflow を「全部使っていいよ」と書いてあるのは、AI に選択肢を先に渡しているからです。渡された AI は、依頼の内容を見て「これは 3 つに分けて並列で回すのがいい」と判断し、/plan を先に呼び、/launch で 3 タブ立ち上げ、みたいなことをしはじめます。

④ B-リスト(to be の置き場)
b6 が参照している「to be」は、私の場合、作業ルートの CLAUDE.md に置いた 15 個の理念リスト(B-1〜B-15)です。「認知負荷を減らす」「検証可能性を優先する」「provenance を未来に渡す」等の粒度。AI が迷ったときにここを読みに行くので、AI の判断の癖が私の癖に寄っていきます。

裏はけっこう厚いです。でも、私が毎日触っているのは "ひ1" "かんりょう1" "b1" の 6 文字だけ

skill 自作は、最初は SKILL.md というマークダウンファイルを 1 枚書くところから始まります。「何を呼ばれたら、AI にどう動いてほしいか」を、日本語で書き下ろすだけ。中身は普通の文章なので、コードは書けなくても始められます。

——「skill を書く仕組みを作るためのやりとり」を、Claude Code に手伝ってもらいながら、少しずつ育てる。この記事の 3 辞書も、その積み重ねで出来ています。


7. まとめ ── 心配は、辞書に外注できる

今日の要点は 2 つです。

  1. Claude Code の「引き継ぎ・タブ閉じ・丸投げ」の心配は、IME の単語登録 3 つに外注できる。

  2. 雑ワードは"呼び水"。手順は AI 側に先に置いておけば、こちらは 2 文字打つだけで済む

つまり——心配は、仕組みに預けられる。手順を置くのは、はじめの一度だけ。その後は、2 文字の呼び水で足りる。そういうことでした。

最後にひとつ。あなたが Claude Code(や他の AI)を触っていて、毎日いちばん「うわ、また同じこと考えてる」と思う心配はなんですか? その心配こそ、最初に辞書登録する価値があるものです。


Appendix ── 私の辞書登録、そのままコピペ用

そのまま単語登録欄に貼れる形で置いておきます。ただし、そのままでは、あなたの環境では動かない可能性が高いです(私の場合、裏に自作の /handoff skill や AI 社員が並んでいて、そこに接続している前提の文言があります)。

でも大丈夫。AI は賢いので、ちょっと聞けば直してくれます。「この辞書を私の環境で使いたい。私はまだ /handoff skill を作っていない。どう書き換えたらいい?」と聞けば、あなたの環境に合わせて書き直してくれます。

入れられる文字数は端末で違います(PC は長め、スマホは短めのことが多い)。長いプロンプトが丸ごと入らない端末もあるので、まず短い 1 個で試して、入るか確かめてから増やすのが安全です。

ひ1〜ひ4(引き継ぎ)

ひ1: 続きは次のセッションで行います。
ひ2: ハンドオフでは漏れる情報があれば detail ファイルをルール通り作成せよ。引き継ぎ不可ならここで完全実装する。判定せよ。引き継げるならルールに則りハンドオフを作成し、次のセッションの冒頭で示す指示文を出力せよ。
ひ3: ハンドオフは履歴(試行・成否)と再開に必要な情報を網羅し、何も前提を知らない次エージェントが理解できる粒度で記載せよ。
ひ4: 次のセッションの冒頭で示す指示文を出力せよ。

かんりょう1(タブを閉じる)

かんりょう1: コミットしてください。これでこのセッションは閉じても大丈夫ですか。続きや派生をやりたくなったときに /tasks などですぐ始められるようにしておいてください。セッションタブ閉じてよければ教えてください。

b1〜b6(丸投げ)

b1: 爆速で進めるため、/plan, /launch, new-tab, subagent, agent team, workflow を効果的に利用する設計をし、AI 社員、スキルもフル活用して、
b2: 可能な限り並列で進め、依存関係があるものはそれぞれのセッションや社員が進捗や情報を共有して進めていきましょう。
b3: なお進めながら仕組みの改善点や課題、問題点も拾い上げ、仕組みのバージョンアップもしていきましょう。
b4: その場ですぐ解消できない問題についてもハンドオフを作成し、[タスクディレクトリ] と [issue/friction ディレクトリ] に記録していきましょう。
b5: また tasks と issue はお互い同期できるようリンクを張り、私の認知的負荷を減らし脳メモリの節約をしてください。
b6: 判断に迷うときは [私のことを蓄積している to be ディレクトリ] の "to be" を参照して決めてください。to be に記載されていない判断基準が必要な場合は私に聞いてください。

このnoteは「Okeya Graph」の 11 本目 です。
AIツールを毎日触って、引っかかったところを淡々と書いています。
今回は「Claude Code の心配 3 種類を"雑ワード"3 つに外注した話」でした。

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