GACKTが養生テープに書いた文字を愛でる
美文字な方が、よくやっている。書道なんかだと最初に筆を斜め45度に入れて、始点が強調されている部分。「打ち込み」とか「始筆」と呼ぶらしい。
推しであるGACKTは、この打ち込みが大きい。彼は書道をやっていた人だ。ダイナミックながら読みやすい文字を書く。その文字を飾る打ち込みは、彼自身の芯の強さにも通ずる気がして、私は尊み秀吉と叫びたくなる。
特にウ冠や言偏で、彼の打ち込みは輝く。同じように書けないものかとGACKTの文字を写経してみたことがあるが、やはりあの個性は出せない。
公式インスタではGACKT自筆の格言、通称「ガク言」が公開されている。
ガク言は毎日更新されるため、実質打ち込み見放題。彼が世界をどう見ているか、それを自分がどう受け取るかをひとしきり考えたのち、私は打ち込み鑑賞に励む。
さて先日、推しを同じくしている同居人たーちゃんが、「あれ見た?」と尋ねてきた。
「釣りの?」
「その画像の、テープに書いてある文字」
彼女のスマホには、釣具店と見まがう品揃えの釣りグッズ部屋が映っていた。思い浮かべていた画だ。GACKTの事務所内につくられた、彼の趣味部屋である。
その、右下。衣装ケースに貼られた白い養生テープ。そこに、彼の筆跡で「ライフジャケット」と書かれている。おそらくマッキーの太いほうで。なんで気づかなかったんだろう。
ガク言の文字よりも、いささか丸みを帯びて柔らかい雰囲気を放つ。
打ち込みはかなり控えめだった。なんならほぼ0に近い。他人に見せるためのものではないので、さらっと書いたのかもしれない。いつもの力強い打ち込みとのギャップに、自然と口角が上がる。味わい深い。
衣装ケースに何が入っているか忘れないように、と考えたのだろうか。さらりと書かれた文字に、彼が整理整頓の類いを自分自身でやっていて健やかに「生活」していることを思う。
生活とは命そのものである。文字に反映する、いのちの輝き。尊み秀吉レベル100。尊さとは、打ち込みの大小ではなかった。
こうやって、推しの文字に情緒を破壊される日々である。
ほんとうに、なんのはなしですか。
愛で遍歴はこちら↓
