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大阪万博に行ってきた(3)——最後にどうしても大屋根リングについて語りたい

大阪万博に行って、たくさん写真を撮りました。

こんなのとか、

こんなのとか、

こんなのとか。

あれ?

気づけば、写っているのは大屋根リングばかりではないですか!

実は万博で一番気に入ったのはパビリオンでもグルメでもなく、予約なしで何度でもすぐに入れるこの木でできた巨大な輪だったのです。

20メートルの高さの全長2キロの木造建造物がパビリオンを取り囲んで光景のすごさは実際に体験してほんとに圧倒されました。

これはただの屋根じゃない

大屋根リングは、直径675メートル、全長約2キロの環状建築。会場をぐるりと囲むように配置され、その大部分が木でできています。

建築面積は61,035.55平方メートル。輪で囲まれた中には東京ドームが7.65個入ります。
2025年3月には、ギネス世界記録「世界最大の木造建築」として正式に認定されました。

実用としても、展望台と移動の幹線を兼ねた一石二鳥の施設なのです。

一番すごいのは、会場を囲んでしまおうという発想そのものです。中心にドンとシンボルを置くのではなく、全部を包み込んでしまう。

いったいどこからそんな発想が生まれたのでしょう?

なぜ「輪」なのか?──設計者・藤本壮介の思想

この大胆な建築を設計したのは、建築家藤本壮介さんです。
彼はこのリングについて、こう語っています。
「万博の主役は、参加するすべての国と人々。だから中央に建物を置かず、すべてを囲むという発想にした」

確かにその真ん中には建物がありません。あるのは、自然──静けさの森でした。

なるほど。

京都・清水寺にも使われている「貫接合」

この建築のもう一つの魅力は、その構造です。

大屋根リングは「貫(ぬき)接合」という日本の伝統工法を使っています。
釘を使わず、柱と梁を木材だけで噛み合わせて組む方法です。
京都の清水寺の舞台にも使われていることで有名なこの技術を、現代の設計と融合させたのが大屋根リングです。

実は、施工エリアごとに“貫”が違う

リングをぐるっと一周していると、つなぎめのちょっとした違和感に気づくことがあります。
実はこの大屋根リング、3つの施工チームがエリアごとに担当していて、同じ「貫接合」でも工法が少しずつ違うんです。

* 大林組JV(北東エリア)
 → 工場でユニット化 → ボルトと支圧プレートで素早く組立

* 竹中工務店(西エリア)
 → BIMと3Dプリンタを駆使し、精密な木組みを実現

* 清水建設ー川田工業(南西エリア)
 → 鉄骨建方のノウハウを木造に応用、グリッド構造を反復

現地に行ったらぜひ、つなぎ目に目を凝らしてみてください。

香りと景色──歩いて感じたこと

リングの上には「スカイウォーク」があり、約2キロを歩いて回ることができます。
歩いてみて初めて気づいたのが、ラベンダーの香り。所々に植えられていて、ふと風が吹くとふんわりと香ってくるのです。
高いところから見る会場は新鮮で、パビリオンの全貌もよくわかります。また反対側に目を向けると海が一望できました。
混雑するパビリオンで疲れた時、一番のリフレッシュになりました。

最近はユスリカ(小さな虫)の発生が話題になっていますが、私は遭遇しませんでした。全長2キロもあるので、全ての場所に発生しているわけではなさそうです。

下にも縁側がある

リングの下の空間も、魅力の一つです。
屋根があるので、雨の日や暑い日でも快適。木陰のような空間にはベンチが点在し、ちょっとした展示やイベントも行われています。

私はパビリオンの見学のたびにここに戻り、次の目的地へ移動していました。
ちょっと腰を下ろすと、リングが縁側のように感じられてほっとするんですよね。

体験する建築

藤本壮介さんは言います。
「建築は、見るものから、体験するものへ」
大屋根リングはまさにそれです。見るだけじゃなく、歩く・嗅ぐ・眺める・くつろぐ──体全体で味わう建築なのです。
日本の伝統を足元に、未来の空に目を向ける。
その両方が一つの「輪」に収まっているなんて、素敵じゃありませんか?


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