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ポスト万バズ・冬景色(その3)

北へ帰る人の群れは誰も無口で

 ここは、そのまま残すことにした。
 阪急宝塚本線は、大阪梅田からほぼ北方向へ進む路線である。ただ、川西能勢口からは、西に進むことになってしまい、北に進むには能勢電鉄に乗り換えなければならない。
 大阪の梅田周辺を「キタ」と呼ぶことから、それに絡めたポストも見られた。「キタ」から北へ帰るということになる。
 主人公が乗っている時間は、夜間である。大阪で勤務を終えたサラリーマンが自宅へ戻っていく時間帯を想定している。故郷に帰る主人公がたまたま帰宅時間に遭遇したのだろうか。
 また、大阪の乗客は無口ではないとも意見もあった。阪急の乗客は他線に比べて、比較的大人しいイメージがあり、また、仕事終わりで疲れ切っていて、ぐったりしている様子も加味している。
 それ以外に関してはほぼ異論はなかった。

山彦だけをきいている

 川西には海がないため、海鳴りに代わるものとして、山彦にした。
 語感から山鳴りという意見もあったが、山鳴りは災害の前触れとして現れる非常に危険な自然現象である。これは阪神・淡路大震災の前にこのあたりで実際に起こった群発地震を連想させるため、不適切と考えた。
 乗客は無口なので、沿線の住民が発した声であろうか。山彦だけが聞こえている。
 ここもほぼ異論がなかった。

私もひとり能勢電鉄に乗り

 連絡船に代わるものとして、能勢電鉄とした。
 雲雀丘花屋敷からは、バス路線が少ない。北へ帰るとなると、能勢電鉄を利用した方が、選択肢が広がると考えた。雲雀丘花屋敷から川西能勢口まで1.0kmなので、徒歩でもバスでも電車で折り返しても、能勢電鉄に乗るのは可能だあると考えた。
 能勢電ではないかとの意見もあったが、音数の都合で6音の能勢電鉄の方を採った。
 それ以外には異論がなかった。

こごえそうな雀見つめ泣いていました

 川西に鴎はいないため、雀に代えた。
 最初に考えたのは烏だった。鴎といえば、渡辺真知子さんの『かもめが翔んだ日』であるが、昔、よく「からすが翔んだー」とよく言っていたこともある。ただ、カラスがところによっては害鳥とされ、不吉なイメージがあり、さすがに採れなかった。烏を見つめて泣いているのも不自然に思えた。
 3音の鳥類として、次に浮かんだのがスズメで、川西にいても不自然ではないし、末尾が「め」という共通点もあった。雀を見つめて泣いていてもおかしくないし、雲雀丘にも含まれていて、最適と思われた。
 ただ、夜間に果たして車窓から雀が見えるのかという疑問があるが、実際の風景というより、心象風景に近いものではないか。
 これについては異論がなかった。

ああ雲雀丘花屋敷

 これについては異論がなかったが、川西能勢口から能勢電鉄に乗るのでは、雲雀丘花屋敷に行く必要がないのではという意見があった。
 雲雀丘花屋敷は平井車庫の近くで普通列車の終点となることもある。乗り過ごした主人公が、また戻ってくる設定もありうると考えた。こうすると普通列車を選択した意味が出てくる。
 明治43年、箕面有馬電気軌道宝塚本線開業と同時に花屋敷駅が開業。大正5年、わずか0.6km西に雲雀丘駅が開業。昭和36年、両駅の中間に雲雀丘花屋敷駅が開業し、雲雀丘駅を廃止。昭和37年、花屋敷駅は廃止された。
 この経緯から、雲雀丘花屋敷の住所は宝塚市であるが、宝塚市、川西市にまたがって設置されている。
 実際、歌うときは、3・4・5のリズムなので、「ひばり・がーおか・はなやしき」の方が歌いやすいように思う。

2番

 このときは、2番の歌詞は全く考えていなかった。これについては、次回で述べることとする。

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