退職の先にある問いと、日常にひらく「マタリング」~【特別寄稿】転機理論の開拓者、ナンシー・シュロスバーグ先生からのメッセージ②~
こんにちは。
日本キャリア開発協会(JCDA)公式noteです。
いつもご愛読ありがとうございます。
前回、転機理論の開拓者、ナンシー・シュロスバーグ先生から、JCDA佐々木理事長のもとに届いたメッセージをもとにした記事をJCDAブログ公開のお知らせをお届けいたしました。
今回はその続編となるブログをご紹介いたします。
▼【特別寄稿②】転機理論の開拓者、ナンシー・シュロスバーグ先生からのメッセージ
今回の寄稿で大切だと感じたのは、「退職そのもの」ではなく、その先に続く長い時間に目を向ける必要があるという点です。
私たちは、退職や異動などの出来事に目が向きやすいものです。しかし、それらは通過点であり、その後に続く日々の過ごし方こそが問われているのだと感じました。
退職後には「自由」があります。時間に余裕が生まれ、責任から離れることもできます。それはたしかに大切な価値です。
一方で、その自由が「自分はもう必要とされていないのではないか」という感覚につながることもあります。予定がないことが安心ではなく、不安につながることもあります。
そのときに問われるのは、「これから何をするか」だけではなく、「どのように人や社会と関わっていくか」ということです。その視点として示されているのが「マタリング」です。
印象に残った言葉は、次の一節です。
「マタリングとは、注目され、気にかけてもらい、そして何よりも『頼りにされている』と実感すること」
この言葉を読んで、「役に立っていること」と「必要とされていると感じること」は同じではないと感じました。
仕事で成果を出していても、人との関わりがなければ、自分の存在の意味を感じにくくなることがあります。一方で、日常の中で声をかけられたり、誰かの話を聴いたりすることの中で、自分の役割を感じることもあります。
マタリングは、大きな成果によって生まれるものではなく、人との関わりの中で感じられるものなのだと思います。
もう一つ印象に残ったのは、次の視点です。
「完全な自由は、社会の中で自分の居場所が薄れていくような感覚に変わり得る」
この言葉は、退職に限らず、さまざまな場面にあてはまると感じました。役割が変わったときや、自分の出番が減ったと感じるときに、似た感覚を持つことがあります。
だからこそ、自由になることだけでなく、その先でどのようにつながりを持つかを考えることが大切なのだと思いました。
佐々木理事長の次の言葉が印象に残りました。
マタリングとは、他者から一方的に与えられるものではなく、関係性の中で育まれていくもの
この言葉から、「必要とされることを待つ」のではなく、「関わりを持つことそのものが大切」であると感じました。
何かできるようになってから関わるのではなく、関わることによって新しい役割が生まれていくという考え方です。
また、「小さな関わり」の大切さにも共感しました。
キャリアというと、大きな目標や変化を思い浮かべることが多いですが、実際には日々の行動や気づきの積み重ねが大切なのだと思います。
その人が何に気づき、どのように周囲に関わっているのか。その積み重ねが、「自分はここにいてよい」と感じる土台になるのではないかと感じました。
今回の記事を読みながら、自分の日常をあらためて振り返る時間になりました。
「必要とされているかどうか」は、特別な場面で決まるものではなく、日々の関わりの中で感じられるものなのかもしれません。
また、「自由」という言葉の受け止め方についても、考えさせられました。自由であることは大切ですが、それだけでは十分ではなく、その中でどのように人と関わるのかが重要だと感じました。
この記事を通して、これからの生き方について新しい視点をもらいました。特に、「小さな関わりを重ねていくこと」と「複数の自分のあり方を持つこと」は、今の自分にも関係のあることだと感じています。
今すぐ大きく何かを変えるということではありませんが、日常の中での関わり方を少し意識してみたいと思いました。
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