大学生4人が織りなす俊英青春ミステリー_ソロモンの犬/道尾秀介
今回は「大学生4人が織りなす俊英青春ミステリー」の紹介です。
今回はタイトルを付けるのに一苦労しました。
そのぐらい色々な側面を持つ味わい深い作品となっています。
これから本を読む方も既に読んだ方も記事を読んでいただけると幸いです。
以下、「作者」「概要」「物語のあらすじ」「感想」が続き、ネタバレはありません。
『ソロモンの犬/道尾秀介』
作者
道尾 秀介さん
生年月日:1975年5月19日
出生地:兵庫県芦屋市
最終学歴:玉川大学農学部 卒業
主な受賞歴
2004年 第5回ホラーサスペンス大賞 特別賞 ― 『背の眼』
2007年 第7回本格ミステリ大賞 ― 『シャドウ』
2009年 第62回日本推理作家協会賞 ― 『カラスの親指』
2010年 第12回大藪春彦賞 ― 『龍神の雨』
2010年 第23回山本周五郎賞 ― 『光媒の花』
2011年 第144回直木賞 ― 『月と蟹』
私が道尾秀介さんの作品で一番好きな作品が「第62回日本推理作家協会賞」を受賞した「カラスの親指」です。
名刺代わりの小説10選にも選んだ本当にオススメの作品なので、是非とも読んで欲しいです。
概要
単行本発売日:2007年8月8日
文庫本発売日:2010年3月10日
出版社:文藝春秋
物語のあらすじ
秋内、京也、ひろ子、智佳たち大学生4人の平凡な夏は、まだ幼い友・陽介の死で破られた。
彼らが通う大学の助教授、椎崎鏡子のひとり息子で10歳だった陽介が、目の前でトラックにはねられ、命を落としたのだ。
連れていた飼い犬、オービーが暴走し、引きずられた果ての事故。
だが、現場での友人の不可解な言動に疑問を感じた秋内は、動物生態学に詳しい間宮助教授に相談に行く。
オービーの奇妙な行動の原因はどこにあるのか?
秋山が密かに思いを寄せる智佳の胸のうちにあるのは?
陽介の死は、ほんとうに事故だったのか?
議論を重なる彼らには予想不能な結末が待っていた……。
もどかしい恋と事故への疑念が交錯し、青春の滑稽さ、悲しみを鮮やかに切り取った、俊英の傑作ミステリー。
感想
大学生の男女4人と、幼なじみの少年をめぐる不可解な出来事から始まる物語。
平凡だった夏の風景が、小さな違和感を起点として少しずつ変化していくさまが、読んでいてじわじわと心に残ります。
作中に登場する「犬」や「動物生態学」にまつわる視点が、ミステリーとしての謎解きに新鮮な味わいを添えており、ただの青春ものでも、ただのミステリーでもない絶妙なバランスを感じさせます。
友情や恋心、日常の延長にある非日常が揺らぐ様子に、“もしあの瞬間に自分がいたら…”と思わせるリアリティが感じられる描写がなんとも言えない気持ちにさせます。
全体のトーンは軽やかで読みやすく、道尾秀介さんの重厚な作品群の中では比較的入りやすい一冊だと感じました。
ミステリー初心者にも手に取りやすく、既に道尾作品を読んだ方にとっても「この作者ならでは」の構成力と心理描写を味わえる一冊です。
まだ読んでいない方に是非とも手に取って欲しい作品です。
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