「点」が「線」になる快感を味わえる一冊_風神の手/道尾秀介
今回は「「点」が「線」になる快感を味わえる一冊」の紹介です。
章ごとに物語が独立していますが各章に関わりがある、道尾秀介さんらしい一冊だとも感じます。
これから本を読む方も既に読んだ方も記事を読んでいただけると幸いです。
以下、「作者」「概要」「物語のあらすじ」「感想」が続き、ネタバレはありません。
『風神の手/道尾秀介』
作者
道尾 秀介さん
生年月日:1975年5月19日
出生地:神奈川県
主な受賞歴:
概要
単行本発売日:2018年1月4日
文庫本発売日:2021年1月7日
出版社:朝日新聞出版
物語のあらすじ
読み進めるごとに反転する出来事の『意味』
その鍵を握るのは、一体誰なのか――
本書は間違いなく、その執筆活動の集大成である
――ミステリ評論家・千街晶之 (解説より)
遺影専門の写真館「鏡影館」。
その街を舞台に、男子小学生から死を目前に控えた老女まで、様々な人物たちの人生が交差していく――。
数十年にわたる歳月をミステリーに結晶化する、技巧と世界観。
朝日新聞連載の「口笛鳥」を含む、道尾秀介にしか描けない、その集大成といえる傑作長編小説。
ささいな嘘が、女子高校生と若き漁師の運命を変える――『心中花』
まめ&でっかち、小学5年生の2人が遭遇した“事件"――『口笛鳥』
自らの死を前に、彼女は許されざる“罪"を打ち明ける――『無常風』
各章の登場人物たちが運命にいざなわれて一堂に集う――『待宵月』
感想
遺影専門の写真館「鏡影館」を軸に、さまざまな人物の人生が交錯していく群像劇です。
物語のあらすじに記載の章ごとに物語が区切られているため、一見すると独立した短編のように感じられますが、読み進めるうちにそれぞれが緩やかに繋がっていきます。
この「点が線になる感覚」が非常に心地よく、気づいた頃にはページをめくる手が止まらなくなります。
特に終盤、すべてが一つに収束していく展開は見事で、「ここに繋がるのか」と思わず唸ってしまう構成力があります。
道尾秀介さんらしい巧妙な伏線の張り方と、その丁寧な回収は本作でも健在です。
決して派手ではないものの、人の心の奥に静かに入り込んでくるような物語で、読後にはじんわりと余韻が残ります。
人の生と死、そしてそれを見つめる他者の視点が織り重なり「写真」というモチーフが持つ意味についても考えさせられる作品です。
一話ごとの積み重ねが最後に大きな驚きと感動へと変わる、そんな読書体験を味わえる一冊だと思います。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました!!
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