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【読書メモ】限りある時間の使い方

読書メモ3冊目。今回はこちら。

2年ほど前に購入したがあまり内容を覚えていないので再読。早く仕事をしたって無駄だ!みたいな、前回読んだロケットスタート時間術とは真逆の主張をしていたと思うので、あらためて読んでみる。今後はこのように、Kindleライブラリにあるけどメモを付けていないので読んだんだか読んでないんだか分からない本を片っ端からメモ漬けにしていく作業を行います。


80歳くらいまで生きるとして、あなたの人生は、たった4000 週間だ。

オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (p.1). 株式会社かんき出版. Kindle 版.

まずタイトルの「限りある時間の使い方」だが、原題は"FOUR THOUSAND WEEKS"である。こっちの方が圧倒的にシンプルで人生は4000週間しかないんだよ、というメッセージが伝わる。なんで日本語版はこんな普通のタイトルにしちゃったんだ。
80歳で死ぬとしたら人生は4000週間しかないらしい。私は30代中盤なので残りおよそ2400週間で死ぬらしい。筆者は短くて絶望したと言っていたが、うーん、ピンと来るようで来ないような・・。

僕たちは時間をあるがままに体験すること(時間であること、といってもいい)をやめて、「今」という時間を未来のゴールにたどり着くための手段に変えてしまった。(中略) ところが今を犠牲にしつづけると、僕たちは大事なものを失ってしまう。 今を生きることができなくなり、未来のことしか考えられなくなるのだ。

オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (p.29-30). 株式会社かんき出版. Kindle 版.

現代人の多くは「今」の時間を「将来」のために費やしている。だから「今」を生きている人が少ないんだと。この意見には激しく同意である。

そのときそのときしかできないことはたくさんある。小学生のときはたくさん外で遊び、中高生では部活に打ち込み、大学生はバイトや恋愛に励み、社会人になったら同期と飲んだり旅行にいったり・・。これはステレオタイプかもしれないが、あくまでも例で、つまり言いたいのは、「今」しかできないことはあるんだから、貴重な「今」の時間を「将来」のために使うのはいかがなもの?ということである。

将来が不安だからといって、親が小学生を勉強漬けにしたり、大学生が資格勉強だけして4年間を終えたり、新社会人が少ない給料を投資に回して飲み会も旅行もしないのは、貴重な「今」の時間がもったいなくないだろうか。振り返って果たして良い人生だったと言えるのだろうか。

有料配信だが、私が言いたかったことはちきりんさんのこのvoicyで語られている。「今」の時間は人生で最も若くて元気なとき。その時間を将来の不安を打ち消すために消費するのはいかがなもの?と。20代で将来のことを心配しても、30代になったら40代のことを心配し、50代になったら老後のことを心配し、60代になったら70代を、以下略となるだけ。結局いつ来るか分からない「将来」のために「今」を犠牲にするだけの人生になってしまう。人生で一番貴重な時間である「今」を思いっきり楽しく生きた人間だけが最後死ぬときに良い人生だったと思えるのである。

このvoicyを聞いてから私の毎年の目標は「今年を楽しく過ごす」に決まった。分解すると今月を楽しく過ごす、今週を楽しく過ごす、今日を楽しく過ごす、今を楽しく過ごすとなる。きっとこの目標を達成できれば、楽しい人生だったと死ぬときに思えると思う。

最初の引用メモでかなりの文量を書いてしまった・・。満足したのであとは流す。

自分の有限性を直視して初めて、僕たちは本当の意味で、人生を生きはじめることができるのだ。

オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (p.66). 株式会社かんき出版. Kindle 版.

ハイデガーの考え方は私も好きなのであらためてメモ。ざっくり言うとダスマン(=死と向き合わず時間を潰すようにダラダラと生きる人)ではダメで、人生の有限性(=死)と向き合ってこの瞬間を懸命に生きよう、みたいな話。ちゃんと人生は有限であること認識しないと今を一生懸命生きられないよ、ということである。さっきの話と同じだね。

人生は有限であり、だから必然的に、二度とない体験に満ちている。息子のお迎えは、いつまでもできる体験ではない。生まれ育った家を訪れたり、海で泳いだり、恋をしたり、 親しい友人と深い話をすることにも、いつか終わりが来る。そして僕たちはたいてい「これが最後」と気づかないまま、その時を過ごしてしまう。だからどんな経験も、それが最後の機会であるかのように大切にするべきだ、とハリスは言う。

オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (p.132). 株式会社かんき出版. Kindle 版.

これも似たような話が続いて恐縮だが、進撃の巨人のアルミンの、私が大好きなセリフ「その時、僕はなぜか思った…。ここで3人でかけっこするために、生まれてきたんじゃないかって…この何でもない一瞬が、すごく大切な気がして…」に通じるものがあったのでメモ。たまに会う友達との飲みなど、もしかしたらこれが最後かもしれないなーと思いながら大切にその瞬間を過ごしたい、と思った。

余暇を有意義に過ごそうとすると、余暇が義務みたいになってくる。それでは仕事とまるで変わらない。

オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (p.143). 株式会社かんき出版. Kindle 版.

このたびnoteに読書メモをつけ始めたが、これは趣味であって義務ではない。目的は読書であって、noteに投稿することではない。毎日投稿を続けようとも思ったが、noteに投稿することを重視するあまり読書がおろそかになっては本末転倒である。ここに宣言しておこう、毎日は投稿しません。

古代の哲学者たちにとって、余暇は何かのための手段ではなく、 あらゆる ことの目的そのものだった。 アリストテレス は、真の余暇(それは彼にとって内省と哲学的思索を意味していた)こそが、あらゆる美徳のなかで最高 のものだと論じている。
ラテン語で仕事を意味する「negotium」は、直訳すると「余暇がない」という意味になる。つまり、余暇を楽しむのが人間本来の姿であり、仕事は その例外ということだ。 (中略)
  ところが工業化が進み、時給労働が普及すると、こうした習慣は一掃された。(中略) いまや仕事こそが人の存在意義であり、余暇は仕事のための回復期間に成り下がったのだ。

オリバー・バークマン. 限りある時間の使い方 (p.144-145). 株式会社かんき出版. Kindle 版.

もともとは余暇こそが人間が生きる目的だったが、工業化が進むと仕事が人間の目的になり、余暇は仕事のための休息期間に成り下がってしまった、という話。「将来のこと考えずに今を生きる」と言うのは簡単だが、なかなかそれが実行できないのは仕事が人生の中心になってしまった現代社会の問題であるのかもしれない。


最初のメッセージでたいへん共感して満足してしまった。しかし全体を通してみると、効率や便利さを追求することに否定的であったり、ケインズを引き合いに資本主義を批判したり、最後は宇宙から見たら自分なんてちっぽけな存在なんだから希望は捨てて身の丈に合ったことをやりなさい、といったような、どこか達観していると言うか諦めムードが漂っており、実は読後感はあまりよくなかった。前回読んだロケットスタート時間術の本のほうが、人生にちゃんと向き合っていて、現実的なアドバイスをくれたような気がする。

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