【読書メモ】なぜ、あなたの仕事は終わらないのか
読書メモ2個目。今回読んでいく本はこちら。
前回の子育て本とはうって変わり、いたって普通の仕事に関するハウツー本。kindle unlimitedでおすすめに出てきたため読みます。GAFAで働いた経験があって、ゴリゴリの理系でプログラマー、という人が書いた本は安心感がある。
Aくんのように、締め切り間際にラストスパートで仕事を終わらせようとする人の態度を「ラストスパート志向」といいます。のちにお話ししていきますが、ラストスパート志向は、仕事をするうえで最も避けるべきことです。
いきなり自分のことが書いてあった。締切に余裕のある仕事や、気の進まない仕事は後回しにしてしまい、追い込まれてから本気を出してなんとか片付けるというのがお決まりのパターンである私。(しかもそれで意外と何とかなるのがたちが悪い。)ラストスパート志向とラベリングされたこの仕事の進め方は最も避けるべきらしい。こんなストレートに言われたらぐうの音もでない。特効薬があれば教えて欲しい。期待して読み進める。
日本では朝7時から働いて夕方6時に帰ろうとしても、周囲のまなざしに射抜かれて、強制的に夜遅くまで働くことになります。そんな環境ではむしろ生産性は下がってしまいます。これが日本の良くないところです。 一方、アメリカにはそのような空気はありません。朝から来て仕事を終えれば、夕方には帰れます。これには確固たる理由があります。それは、アメリカ人が家族を大事にしているからです。ハリウッド映画やアメリカの連続ドラマでもよく見られるように、アメリカでは夕飯を家族みんなで食べるという文化が非常に根強いのです。そのため、会社の人はみな夕飯前には職場にはいません。
アメリカ人は夕食は家族で食べる文化があるから残業しない、だって!
とても素晴らしい考え方だと思う。この本は8年前の本だが、2024年になっても、少なくとも私の身の回りには遅くまで残っている人はエライ!頑張っている!とされる風潮がいまだにある気がする。私も欧米の文化を見習い、シフトを朝早くにして、「夜ご飯は家族と一緒に食べる文化があるので失礼します。」と言って早く帰ろうと思う。
「兵は拙速を尊ぶ」という言葉があります。これは兵法書の『孫子』から派生した言葉だと言われています(ただ、それを否定する説もあり、何の書物が正統な起源なのかは詳しくわかっていません)。 この言葉は、一般には「拙い戦法でも素早く進軍したほうが戦いに勝つ」という意味で浸透しています。転じて、「仕事は最初のうちに迅速に終わらせると良い」という意味にもなっています。
それゆえプログラマーたちは、100点じゃなくてもいいので90点や80点のプログラムを必ず納期に提出することが求められています。「兵は拙速を尊ぶ」という言葉は仕事にもまさに当てはまるのです。 Windows95はそういう理由から、3500個のバグを残したまま製品化されました。
「仕事はある程度できたら一旦上司や先輩に見せてフィードバックをもらうべき。ギリギリに出すのが一番困る。軌道修正する時間がないから。」というアドバイスは社会人になったら100回くらい聞いたことがあると思うが、「兵は拙速を尊ぶ」という孫氏の兵法を引用するとちょっとかっこいいかもしれない。
この精神でWindows95は3500個のバグを残したままリリースされたらしい。バグはアップデートで直していけばいいという割り切った考えで、クオリティよりも納期を優先。日本だったらリリースの延期に倒しそう。
このように多少のバグを無視して、とりあえず大枠を作ったものをプロトタイプ(試作品)といいます。これはプログラムの話に限らず一般的な仕事においても応用できる、より抽象的な概念であると理解してください。
これは覚えておいてほしいのですが、すべての仕事は必ずやり直しになります。最初の狙いどおりに行くほうがまれなのです。スマホのアプリもWindows95も、あなたの明日のプレゼン資料もそうです。どうせやり直しになるのだから細かいことはおいておき、まず全体像を描いてしまったほうがいいのです。これがつまりプロトタイプを作るということになります。
まずは大枠、プロトタイプを作る。すべての仕事はやり直しになるという割り切った考え方で仕事を進める。未完成・未成熟なものを見せて評価されてしまうのが怖いという考え方を捨てる。そんなプライドは1ミリもいらない。完璧主義ではなく、いわゆるアジャイル的な進め方がいいよねって主張。基本っちゃ基本だがあらゆることに共通する大事なことである。
マウスは存在していましたが、まだ今ほど便利で優れたツールではありませんでした。では、Windows95で何が起きたのでしょうか? それはみなさんおなじみの右クリックとダブルクリック、そしてドラッグ&ドロップの現在の形への進化です。この概念を私は、ビル・ゲイツの前での公開裁判の中で披露した、ベータ版の中にすでに組み込んでいました。
余談として書かれていたが、なんとこの人が今のWindowsの基礎である右クリック、ダブルクリック、ドラッグ&ドロップの概念の生みの親らしい、すげー!
続く第3章では、著者の小学生時代の夏休みの話から、高校生、大学生、社会人時代のエピソードが放り込まれるが、どれも強烈である。特にCANDYというCADを動かすソフトを開発して大学生ながら1億円稼いだという話はすごすぎる。そしてそこでも「プロトタイプ」をまず作って周囲を納得させたという話が出てくる。それをwindows95の開発にも応用している。とにかくこの本のメインメッセージの1つは「まずプロトタイプをつくれ」である。
しかしそんな中でも、私が仕事をするうえで最も大切だと考えている「あること」をきちんとこなせる人は100人に1人もいませんでした。 その「あること」とは、「常に締め切りを守ること」です。正確に言い換えれば、「常に締め切りを守れるような仕事の仕方をすること」です。
(中略)しかしスケジュールの立て方・仕事の進め方の段階から、締め切りを守ることの大切さをきちんと認識すれば、何があっても常に締め切りを守り続けることは十分に可能なのです。
多くの人が、「最初はのんびりしていても、最後に頑張ればなんとかなる」という根本的な誤ちを改めるところから始めないといけません。(中略)
大切なことは、スケジューリングの段階から「締め切りは絶対に守るもの」という前提でのぞむことです。
「まずプロトタイプをつくれ」に次ぐ、この本のもう1つのメインメッセージは「締め切りを舐めるな。死んでも守れ。」である。ビル・ゲイツもそのような考え方だったらしい。不測の事態で遅れることもあるだろう、という意見に対しては、不測の事態を見込んでスケジュールを立てろ、舐めるな、である。
著者は、朝10時にハチ公前という待ち合わせがあったら9時半に向かいのスタバに着くように行動するらしい。なぜなら電車は遅れる可能性があるから。ここで大事なのは、10時にハチ公前に居ることがゴールであり、9時50分の電車に乗ることがゴールではない、ということだ。電車の遅れを言い訳にする人は仕事のゴールの定義が間違っている。なんという徹底ぶり。
要するに「締め切りに間に合わせようとすると締め切りに間に合わない。締め切りの前に締め切りがあると考えると、締め切りに間に合う。」ということだ。
①「まずはどのくらいかかるかやってみるので、スケジュールの割り出しのために2日ください」と答えて仕事に取り掛かる(見積もりをするための調査期間をもらう)
②その2日をロケットスタート期間として使い、2日で「ほぼ完成」まで持っていく
③万が一、その2日で「ほぼ完成」まで持っていけなかった場合、これを「危機的な状況」と認識してスケジュールの見直しを交渉する
これが著者のロケットスタート時間術、つまりこの本のキモである。上記は「10日でやって」と言われた場合の例なので、2日は2割に置き換えるといい。仕事を与えられたら2割の期間で80%を終わらせることを意識する。
コツは考えてから手を動かすのではなく手を動かしながら考える。まず着手することが大事。これは「言うは易く行うは難し」すぎるだろと思うが、実行できたらたしかに仕事の進め方がガラッと変わりそう。著者はロケットスタート中の2日間は俗世との関わりを断絶(人とも会わずスマホも見ず)し、仕事のことだけを考え、手を動かし続けるのだとか。流石にそこまでは真似できなさそう・・。また、早く終わっても締め切りより早めに提出するのはまた新たな仕事を依頼されてしまうためNG。人間は常に100%では行動できない。残りの8割の期間は、「流し」の期間として、残りの仕事2割と他の細々した仕事をやる期間にあてる。余裕を持つことが大切。
その後は、長いプロジェクトは細かく区切る、集中して仕事を進めるために朝早起きする、昼寝する、といった時間術に関するTIPSの紹介や、仕事は人生の大半の時間を費やすのだから本当にやりたいことを仕事にするべき、など人生観のお話でした。著者が超人すぎて真似できないよ・・感もあったが、ロケットスタート時間術、一度取り入れたいと思った。
