【第445回】 Marketing Cloud Next : アクティベーショントリガーフロー送信
Marketing Cloud Next Growth / Advanced Edition では、新しい「アクティベーショントリガーフロー」を利用することで、セグメントを公開し、有効化したタイミングでメールを送信する ことが可能になりました。
アクティベーショントリガーフローとは、Data Cloud におけるセグメント有効化をトリガーとしてフローを即時実行し、さまざまな API ベースのシステムやアプリケーションと自動連携を行う仕組みです。
コードを書かず、ノーコード/ローコードを中心とした設定で連携を実装できる点が特徴です。
外部システムとの連携手段としては、主に次の 2 つが用意されています。
① Named Credential + 外部サービス(HTTP コールアウト)
② Flow 内の MuleSoft 統合コネクタ
いずれもクリック操作を中心に設定でき、柔軟なシステム連携を実現できます。
この仕組みにより、Data Cloud は単なる「データを分析・閲覧する場所」から、あらゆるシステムを動かす起点となる、Salesforce のアクティベーション中枢へと進化します。
その一環として、外部システム連携と同時に、セグメント対象者へ Marketing Cloud Next からメールを送信することも可能です。
なお、アクティベーショントリガーフローは本来システム連携を前提とした機能ですが、外部連携を行わず、セグメントの有効化をトリガーとしてメール送信のみを行う用途でも利用できます。
本記事では、その手順を解説します。
利用時の重要なポイント
大きなポイントは次の 2 点です。
メールコンテンツやフローの分岐で利用できる属性は、有効化時に追加した属性が含まれます
統合個人(Unified Individual)だけでなく、個人(Individual)のセグメントにも送信可能です
設定手順
1. 有効化対象の作成
本機能を利用するには、最初に「有効化対象」を作成します。
[有効化対象]から 新規 をクリックします。

続いて、アクティベーショントリガーフローを利用するため、Data Cloud を選択します。

有効化対象名を入力し、保存します。

2. セグメントの作成
次に、セグメントを作成します。
この時点で選択可能なセグメント対象は 「個人」または「統合個人」 のいずれかです。「個人」でもメール送信は可能なため、今回は 「個人」 を選択して作成します。

セグメントは、公開スケジュールを設定せず に保存します。
Data Cloud では、いきなりスケジュールを設定しないのがベストプラクティスです。

3. 有効化の作成
セグメントを作成しただけでは、後続の コンテンツ作成やフローでセグメントを選択できません。
そのため、必ず Data Cloud を対象とした「有効化」の設定 まで行います。

有効化対象には、先ほど作成した Data Cloud の有効化対象 を選択します。
有効化メンバーシップは、デフォルトの Individual を使用します。

次に、メールアドレスの設定を行います。
「個人」を対象としている場合はメールアドレスが 1 つのみのため、優先順位は問題になりません。
一方、「統合個人」を選択している場合は、ここで プライマリーとなるメールアドレスの条件 を定義します。

続いて 「追加の属性」 を選択します。
ここで指定した属性は、後続の コンテンツのデータソース や 決定要素の条件 として利用可能になります。


名前を設定し、有効化を保存します。

4. コンテンツの作成
コンテンツ内で、有効化時に指定した属性を利用する場合は、データソースの設定 が必要です。

データソースの種別から 有効化 データプロバイダー(Activation Data Provider)を選択します。

先ほど保存した 有効化レコード を選択し、保存します。

これにより、コンテンツ内で 有効化時に指定した属性が利用可能 になります。


5. アクティベーショントリガーフローの作成
新規フロー作成時に、アクティベーショントリガーフロー を選択します。

開始ソースでは、対象となる 有効化レコード を指定します。

「決定」要素では、有効化時に追加した項目を条件として、分岐処理を行うことができます。

また、アクティベーショントリガーフローでは Marketing Cloud Next のメール送信 が可能です。

設定が完了したら、フローを保存して 有効化 します。
※ この時点ではメールは送信されません。
フローが実行されるのは、セグメントが公開され、有効化処理が完了したタイミング です。

6. セグメントの公開
最後に、セグメントを公開します。
今回の例では、セグメントには 3 名 が含まれています。
通常はスケジュールによる自動実行が主となりますが、ここでは 手動実行 を行います。

セグメントの公開が完了し、有効化が成功すると、フローがトリガー されます。

フローの実行結果を確認すると、
有効化時に追加した項目を使って分岐が行われ、それらの属性を利用した パーソナライズドメールが送信されている ことが確認できます。

注意点
「プレビューとテスト送信」は利用不可
データグラフを使用せず、有効化時に追加した属性を利用するため
また、「プレビューとテスト送信」は 統合個人専用機能
セグメントだけでなく 有効化も使用するため、データサービスクレジットの消費に注意
メール送信は セグメント公開直後ではなく、有効化処理が完全に完了したタイミング
手動実行の場合、数十分待つケースがある 点に注意
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、アクティベーショントリガーフローでも Marketing Cloud Next からメール送信が可能である点を紹介しました。
使い道としては、データグラフに持っていない項目を使って、1 回だけ送信したい場合などに楽かもしれませんね。
他にも、独自で使い道を見つけた方は活用してみてください。
さて、アクティベーショントリガーフローの本来の目的は、
Audience の状態変化を、必要なシステムへ即時に伝えることです。
その上で、「外部連携+顧客通知」を同時に行う代表的な例を、最後に紹介します。
① 解約リスクが高まった顧客
有効化 先
Service Cloud:高優先度の対応(ケース作成)
コールセンター基盤:アウトバウンド対応
Marketing Cloud Next(顧客向け)
フォローアップメール(サポート案内・FAQ・チャット誘導)
件名例:「最近ご利用が少ないようですが、お困りではありませんか?」
② アクティビティ低下顧客
有効化 先
広告プラットフォーム(Google / Meta / TikTok)
Push 通知基盤(Firebase / Braze など)
Marketing Cloud Next(顧客向け)
レコメンド・再来訪促進メール
件名例:「最近のおすすめをご紹介します」
③ VIPランクに昇格した顧客
有効化 先
会員基盤 / CRM / 店舗・POS(全社で VIP 扱い)
Marketing Cloud Next(顧客向け)
VIP 昇格通知・特典案内メール
件名例:「VIP ランクへようこそ」
④ Goldステータスに到達した顧客
有効化 先
ロイヤルティ管理システム(ポイント・特典制御)
DWH / MDM(分析・他システム連携)
Marketing Cloud Next(顧客向け)
ステータス到達通知・条件説明メール
件名例:「Gold ステータスに到達しました」
これらが、参考になれば幸いです。
今回は以上です。
