【第409回】 Marketing Cloud Next : オンラインアンケートを実施する
Marketing Cloud Next Growth & Advanced Edition でも、Marketing Cloud Engagement の Smart Capture フォームと同様に、顧客をメールからランディングページへ誘導し、アンケートを実施することが可能です。
最終的な活用イメージとしては、
① 取得したアンケート結果を CRM のレコードページで関連リストとして表示する
② Marketing Cloud Next でセグメント条件として利用する
といったシナリオが考えられます。
今回は実装ステップが多いため、ポイントだけをピックアップして 分かりやすく解説します。この記事では、以下のような 自動車に関するアンケート を例に説明を進めていきます。
「Online Survey - Winter '25」
ドロップボックスの質問 (3 パターン)
(複数選択不可)※ まだラジオボタンは存在しません
1. What type of vehicle are you currently driving?
(現在、どのような車種を運転していますか?)
Sedan
SUV
Hatchback
Minivan
Truck
Other
2. How old is your current vehicle?
(あなたの現在の車は何年経っていますか?)
Less than 1 year
1–3 years
4–6 years
7–10 years
More than 10 years
3. How likely are you to purchase a new car in the next 12 months?
(今後 12 か月以内に新車を購入する可能性はどのくらいありますか?)
Very likely
Somewhat likely
Not sure
Not very likely
Not at all likely
チェックボックスの質問 (3 パターン)
(複数選択可能)
4. Which features are most important to you when buying a car?
(車を購入する際に、あなたにとって最も重要な機能は何ですか?)
Fuel efficiency
Safety features
Interior comfort
Advanced infotainment system
Exterior design
Price
Brand reputation
5. Which powertrain options would you consider?
(どのようなパワートレインのオプションを検討しますか?)
Gasoline
Hybrid
Plug-in Hybrid
Electric (EV)
Diesel
6. Which services would you like the dealership to provide?
(ディーラーにどのようなサービスを提供してもらいたいですか?)
Regular maintenance reminders
Test drive booking online
Trade-in evaluation
Extended warranty options
Mobile app for vehicle management
フリーテキストの質問 (1 Pattern)
7. Please share any additional comments or suggestions regarding your vehicle or dealership experience.
(あなたの車やディーラーでの体験に関して、追加のコメントや提案があればお聞かせください。)
ここには「テキストエリア」を設けます。
設定手順(抜粋)
1. まずは Contact ID のハッシュ化 から始めます。
ID をハッシュ化する理由は、ランディングページへ遷移した際に Contact ID が URL 上で丸見えになることを避けるため です。
取引先責任者のデータストリームで、新しい「数式項目」を作成し、以下の数式を入力してテキスト型で保存します。名前は Subscriberkey Hash としていますが、任意で構いません。
SHA256(sourceField['Id'])
2. 数式項目が作成できたら、続いて Individual DMO に、それと呼応するカスタム項目を作成し、マッピング を行います。名前は同じく Subscriberkey Hash にしました。

3. 次に、この項目を データグラフで「利用可能」に設定 します。
これにより、後ほどメール内の URL パラメーターとして差し込めるようになります。

カスタムオブジェクトの準備
1. 次に、CRM に移動してアンケート回答を保存するための カスタムオブジェクト を作成します。名前は「Online Survey - Winter '25」としました。
まず、以下の 2 項目を作成します。名前は任意です。
Subscriberkey Hash(Contact ID のハッシュ値)
Response DateTime(回答日時)
それに加えて、実際の回答内容を格納する項目を作成します。
プルダウンは単一選択なので 1 項目で済みますが、チェックボックスの質問は複数回答になるため、選択肢ごとに個別の項目が必要になります。

2. カスタムオブジェクトの準備が完了したら、データストリームに移動して Data Cloud 取り込み対象として設定 します。
今回のカテゴリは「エンゲージメント」か「その他」で迷いますが、今回は「エンゲージメント」カテゴリで作成しました。

3. その後、カスタムデータモデルオブジェクト(DMO)を作成し、マッピング を行います。マッピングは自動で行われます。

4. 上記の赤丸の箇所をクリックして、リレーション設定を行い、 Individual DMO の Subscriberkey Hash と Subscriberkey Hash 同士を紐付けます。
これにより、アンケートの結果を関連属性として、Marketing Cloud Next のセグメントで利用できるようになります。

フォームの作成
1. 続いて、アンケート回答用の フォームを作成 します。
作成を開始するときは、キャンペーンの「サインアップフォーム」のテンプレートを使うと簡単に作成できます。
今回は、カスタムオブジェクトが格納対象のため、左メニューのデータソース選択は不要です。一からフォームを作成してください。

2. ここでポイントとなるのが、Subscriberkey Hash 用の非表示フィールド の追加です。非表示フィールド にチェックを入れ、今回は、URL パラメーターには「h」を使いましたが、こちらも任意で OK です。

フォーム用フローの設定
1. 次にフローに遷移し、カスタムオブジェクト「Online Survey - Winter '25」へのマッピングを行います。
Subscriberkey Hash には、非表示フィールドで取得されるハッシュ値
Response DateTime(回答日時)には、フロー実行時の日時
これらに加えて、作成した すべての回答項目 をマッピングします。
事前にすべての項目が CRM 側に用意されているかを確認してください。
なお、フローの数式リソースにおいて、フォームデータを扱うことはできないので、フロー上で「複数選択式のチェックボックス」を単一の CRM 項目に入れることできなそうです。できる方がいればやり方を教えてください。

2. フローをアクティブ化すると、フォームも同時に「公開」状態となりますので、公開処理が完了するのを待ちます。
フォームの公開が完了していないと、ランディングページは公開できません。

ランディングページとメール設定
1. ランディングページを完成させ、公開します。
ランディングページに置かれた「フォーム」は、見た目が表示がおかしくなる場合がありますが、送信すると問題ない場合があります。

2. 「公開 URL」が発行されます。こちらをメールに配置していきます。

3. メールを作成します。

4. ボタンのリンク URL で「動的 URL」を選択し、以下の形式を設定します。
https://www.nac-care.com/lp/landing-page/Online-Survey-Winter-25?h={Subscriberkey Hash} (←この部分は差し込み項目です)
前述の通り「データグラフ」の設定が完了していれば、Subscriberkey Hash が差し込み項目として使用可能になっているはずです。

5. 実際にメールを送信し、アンケート用のボタンをクリックします。

6 .すると、ランディングページの URL に「h」パラメーターとして Contact ID のハッシュ値が含まれていることが確認できます。
その後、アンケートに回答して、送信してください。
https://www.nac-care.com/lp/landing-page/Online-Survey-Winter25?h=1596f6896450ea3440068540073139ed1c53aadc71b47ba4c7a6a87fbf8a1da9&sftoken=eyJhbGciOiJIUzI1NiIsInR5cCI6IkXVCJ9.eyJpYXQiOjE3NjQ1OTc1ODUsImV4cCI6MTc2NDU5NzY0NSwiaW5kaXZpZHVhbElkIjoiMDBRZ0MwMDAwMDFkVVNJVUEyIiwidGVuYW50SWQiOiJhMzYwL3Byb2Q5L2Y3YWY4NGUxMDY3YjQxMzM4ZTc4ZjA4YTI0ZjAyYmY2IiwiY29yZVRlbmFudElkIjpudWxsfQ.Sd-vKdePrqSz1vFyHmNUyvtXnww_SNua9qbnB49DUm

回答データの確認
1. アンケートに回答すると、CRM のアンケートオブジェクトへデータが格納されていることが確認できました。
しっかりと項目を作成し、フロー設定でマッピングができていれば、すべての項目が正しく格納できているはずです。

取引先責任者との関連付け
1. さて、ここからは、アンケートレコードを取引先責任者に関連付けるための設定です。
まず、取引先責任者の標準オブジェクトに Subscriberkey Hash の項目を新規作成します。名前は任意です。

2. 続いて Data Cloud Copy Field を利用し、Individual DMO に存在するハッシュ値項目を 取引先責任者 の Subscriberkey Hash に同期します。

3. これで、取引先責任者 レコードがハッシュ値を保持するようになります。

4. 一方で、アンケートオブジェクトにも Contact ID が存在していないため、このままでは、取引先責任者の「関連リスト」に表示ができません。
そこで、アンケートオブジェクトに Contact__c(参照項目) を作成します。

5. この項目に対して、アンケートレコードが作成されたタイミングで、Contact ID を自動入力するため、レコードトリガーフローを作成します。

6. 条件として、アンケートオブジェクトが作成(または更新)された時に起動する設定 とします。ここでの追加のフィルター条件は、無駄にフローを動かさないためのものですので、必須ではありません。

7. 次に、先ほど Data Cloud Copy Field で同期された Subscriberkey Hash と レコードトリガーフローで流れてくる Subscriberkey Hash を一致条件にして、該当の 取引先責任者のレコードを取得 します。

8. 最後に、取得した 取引先責任者のレコードから Contact ID を取り出して、アンケートオブジェクトの Contact__c に追加・更新(アップデート)します。
これで、アンケートレコード作成時に、自動で Contact ID が格納され、参照することができるようになりました。

結果の確認
1. 実際に、取引先責任者のレコードページを確認すると、アンケートオブジェクトが、「関連リスト」として表示されていることが分かります。

2. また、アンケートレコードが生成されてから 約 15 分後 に、Marketing Cloud Next のセグメントでも、アンケートデータが利用可能になります。
リアルタイムでは同期されません。10 分ごとに差分連携されています。多少タイムラグがあるので、15 分後の利用になります。

いかがでしたでしょうか。
今回は設定が目まぐるしく、少し大変に感じられたかもしれませんが、現時点の Marketing Cloud Next でも Smart Capture Form と同様にアンケートを実施できるということは、ご理解いただけたと思います。
本記事は、「できるのか/できないのか」で言えば “できる” という点をまず認識いただくことを目的として作成しています。実装方法は複数あり、要件に応じてアプローチも変わりますので、ぜひご自身の環境に合った最適な方法を探してみてください。
今回は以上です。
