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プロ空港おじさんの憂鬱・特別篇 全日空で何が起きているのか(5)

『日本電産 永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方』という本がある(平成29年[2017]・日経BP)。

創業者社長による巨額の不正会計や数多のパワハラがめくれてしまった現在から見れば滑稽といえる、歯の浮くようなお世辞に満ちたこの本は、日経ビジネス主任編集委員・日経トップリーダー主任編集委員の方が書いたもの。

日経新聞がグループ総出でワンマン独裁を礼賛していたわけだが、ブン屋とて商売なので、記事のネタや広告を出してくれるお客様を接待する必要もあるのだろう。
一流新聞が書いていてもそれは無色透明ではなく一定以上の意図があり、額面通りに受け止めるのは読み手の思考停止に他なるまい。

さて………

日経ビジネスの記者が著した『ANA 苦闘の1000日』という本がある(令和4年[2022]・日経BP)。

コロナという未曾有の危機に全日空がいかに果敢に戦ったかという美談に溢れる本だが、上述の本の内容と結末を知った眼では読み方も変わってくる。

例えば、コロナ期の機材の小型化戦略により、普段は地方路線を飛ぶパイロットが羽田空港乗り入れという長年の夢を叶えて運航を支えたという挿話が綴られているのだが、プロペラ機はともかく、小型機を受託しているグループ会社の乗員は日常的に東京便を任せてもらえない、有力な路線は全日空本体の乗員が独占という事実上の階級差別が会社に存在することを、筆者は意図せず暴露している。

また、コロナの震源地・武漢からの邦人脱出のチャーター便を全日空が頑張って運航しました!というこれまた美談が書かれているが、実際には客室乗務員に防護服などは一切支給されず、彼女たち自身の発案で、エマ訓(緊急脱出訓練)で用いるツナギを着用して飛沫感染を防いだことには触れない。
会社が世間に良い顔をした部分だけを描き、現場の社員を平気でウィルスの危険に晒そうとした顛末はなかったことにされる。

まだまだツッコミどころはある

【おことわり】サムネ画像は、ChatGPTで生成したものです。

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