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生命を生み出す入り口 『子』

前回書きました時間と季節は生命の流れ。
生命の風景をかんじとってもらうために
干支を1つ1つ紐解いています。 
今回は『子』



① なぜ子から始まるのか?

生命は見える前から始まっている。
と考えられています。
東洋思想では、陰が極まり陽が生まれる瞬間を「始まり」と捉えるため、一年も一日も子から始まります。

② 季節

冬(冬至の頃)
陰が最も深まり
新しい陽が静かに芽生える季節ですね。

③ 時間

23時〜1時(子の刻)
この時間帯は一日の終わり〜。って
捉えがちですけど実は新しい一日の始まりでもあります。

④色

黒・濃紺
深い夜や静かな水を思わせる色であり
外へ広がる色ではなく
生命を包み込む色です。

⑥ 五行

水です。水は流れ・蓄え・生命の源。

⑦ 地支の働き

子はまだ形はなくまだ動いてもいない。
しかし生命そのものは確かに始まっていて
外へ向かう力ではなく、内側で生命を育てる働きになります。

⑧ 蔵干

(蔵干とは地支の中に含まれる天干です。
簡単にいえば動力のようなもの)
癸みずのと(水)純粋な陰の水。
雨や地下水のように静かに生命を潤し育て
目立つことなく根を養う働きを持ちます。

⑨ 人に置き換えると

まだ何も始まっていないように見えるけど
心の中では「やってみたい」「変わりたい」という気持ちが形成されつつある。

➉東洋思想から見た「子」

〜自然観〜

自然は目に見えるものだけで成り立っているわけではありません。冬の大地は眠っているように見えても、土の中では生命が静かに息づいています。東洋思想は、「見えない働き」こそ自然の本質であると捉えます。

〜生命観〜

生命は生まれた瞬間から始まるのではありません。子とはまだ誰にも見えない生命が、静かに動き始める時間です。

〜人生観〜

人生も同じです。何かを始めた日が始まりではなく「変わりたい」「やってみよう」と心が動いた瞬間から人生はすでに始まっています。目に見える結果よりも
その前に生まれた小さな意志を大切にする。それが子の教えです。

〜古典ではどう表現されているか〜

古典では子は「陽気が初めて萌す(きざす)」とされます。冬至を境に、陰が極まり、その奥から微かな陽が生まれ始める時です。まだ陽は目には見えませんが、生命は確かに動き始めています。※ここは『易経』や暦法、陰陽思想に共通する考え方として説明できます。

〜現代ではこう解釈できる〜

現代では、「準備期間」や「充電期間」は、何もしていない時間だと思われがちです。しかし東洋思想では、最も重要なのは、この見えない時間です。勉強も、仕事も、人間関係も、目に見える成果の前には、必ず静かな準備があります。子はその土台を育てる前段階の時間だと考えることができます。

☆さいごに☆


私は子を「生命が核を持ち始めるその瞬間」だと考えています。それは誰かに評価される瞬間でも結果が現れる瞬間でもありません。

深い夜の静けさの中で
小さな種(想い)が形成されつつある景色です。だから私は
子を「始まり」ではなく
『目には見えないけど確かにそこにある核としての生命の始まり』として位置づけています。




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