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特許法8条 在外者の特許管理人☆

 本記事は修正後の記事です。過去の記事へのリンクは、最下段に記載しています。

1.手続と在外者の特許管理人

 特許法6条から8条では手続能力について規定されています。手続能力とは、手続き行為の主体となれる能力のことです。

手続能力に関連する外見として権利能力があります。権利能力とは、権利の主体となれる能力のことです。例えば、未成年者や成年被後見人のように、権利能力はあっても、手続き能力がない人もいます。見方を変えると、手続能力があれば、原則として権利能力もあります。この例外が特許法6条です。

在外者は特許管理人によらなければ手続、行政庁がした処分を不服とした訴えを提起することはできません(特8条1項)。この例外が、在外者が特許管理人によらず直接行える手続等であり、①特許管理人を有する在外者が日本に滞在している場合に行う手続(特許法施行令1条)、②在外者である国際特許出願人が国内処理基準時まで行う手続(特184条の11)です。

特8条1項の「政令で定める場合」以外で特許管理人の代理範囲が制限される特許法上の規定として、特8条2項が規定されています。

特許管理人は、原則として全権代理人であり(特8条2項)、一切の手続ができます。一切の手続には、不利益行為が含まれます。ただし、特許管理人の代理権の範囲を制限することも可能です。
この代理権を特許出願前に与えられた場合、特許出願から特許権の登録後まで代理権は続きます。

 なお、特許法の特許管理人は、実用新案法では実用新案管理人、意匠法では意匠管理人、商標法では商標管理人といいます。

2.行政処分


 特許庁(審査官等含む)は行政庁なので、特許庁の処分は行政処分です。

 特許法8条の「この法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分」のうち、「この法律により行政庁がした処分」は、特許査定、拒絶査定、申請書の却下等が該当します。

弁理士は、行政処分である審決の審決取消訴訟等の行政処分に関する不服訴訟については本人を代理できますが、損害賠償請求等は本項に基づく代理ができません。

なお、特8条2項でいう「一切の手続」とは、特許法上の手続きです。また、特8条2項でいう「行政庁がした処分を不服とする訴訟」には、審決取消訴訟(特178条)、行政不服審査法による決定又は裁決の取消訴訟が含まれます。民事訴訟法に基づく損害賠償請求は、特8条2項の範囲には含まれません。代理人が弁護士の場合には、委任を受ければ、民事訴訟法に基づく損害賠償請求もできると思われます。

・他の条文との関係
 逐条解説 特184条の2には、「この法律により行政庁がした処分」の例として、手続却下、裁定、裁定取消、証明等の請求却下等が列挙され、これらの事項について不服申立てをする場合には、すべて行政不服審査法の適用を受けると記載されています。また、取消訴訟は異議申し立て、審査請求の後になりますが、その理由は、「行政庁への不服申立てを経由することが、第一に行政庁に反省の機会を与え、国民の権利利益を救済することとなり、第二に裁判所の負担を軽減することとなるので、適当である」とされています。

・特許法8条

(在外者の特許管理人)
第八条 日本国内に住所又は居所(法人にあつては、営業所)を有しない者(以下「在外者」という。)は、政令で定める場合を除き、その者の特許に関する代理人であつて日本国内に住所又は居所を有するもの(以下「特許管理人」という。)によらなければ、手続をし、又はこの法律若しくはこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服として訴えを提起することができない。
2 特許管理人は、一切の手続及びこの法律又はこの法律に基づく命令の規定により行政庁がした処分を不服とする訴訟について本人を代理する。ただし、在外者が特許管理人の代理権の範囲を制限したときは、この限りでない。

●過去の記事
特許法8条 行政処分

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