[ 101回目のフフン ]:毎週ショートショートnote(フフン賞)
─ 副賞は恋の予感 ─
↑こちらの裏のお題【フフン賞】に参加しました。
相変わらず、芸術的なお題で、わくわくしながら書きました。
思えば、表裏ともに書けたのも久しぶりです。
田原さんの素敵なお題のおかげですね♪
頭を抱えるお題の方が多い気もするけれど😆

[ 101回目のフフン ]
俺の中で、「フフン賞」なるものが絶賛開催中だ。
「フフン」と優越感に浸ったら受賞となる。
入学時から始めて、目標の100回まであと1回。
その記念すべき日は、不意に訪れた。
下校時間10分前の急な雨。
昇降口は、傘のない生徒であふれていた。
俺は颯爽と折りたたみ傘を取り出し、開閉ボタンを押す。
“バサッ”
──フフン。
記念すべき100回目のフフンが決まった!
ひとりで喜びを噛み締める。
すると、すぐそばで人影を感じた。
見ると女子が、まっすぐ前を見て立ち尽くしている。
おやおや傘を忘れた感じかな、と、優越感に浸っていると、彼女は徐にカバンを置きファスナーを開けた。
出てきたのは、ナイロンのような布。
それは……、
鼓動が速くなる。
傘ならいざ知らず、彼女が取り出したのは、レインコートだ!
無駄のない動きでズボンを履き、上着を羽織り、フードを被る。
そしてカバンを背負い、雨の中へと走り出す。
一瞬の出来事。
でも、俺の心を揺さぶるには十分だった。
──カッコイイ。
些細なことで優越感に浸っていた自分が、情けなく感じた。
校門を過ぎ、彼女の後ろ姿が見えなくなる。
今度会ったら、声をかけてみよう。
次の目標が決まった。
俺は、フフン、と、笑った。
おしまい。
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