[ 母のお弁当は、神々しい ]:毎週ショートショートnote(古墳症)
─ 食べる前に、まず合掌 ─
↑こちらのお題【古墳症】に参加してみました。
くしゃみが止まらないやつを書こうと思っていたけれど、へんな方向へ発想が飛び、こんなお話が出来上がりましたとさ😊♪
相変わらず、ショートショートよりの掌編小説です。
お気軽にお楽しみください。

[ 母のお弁当は、神々しい ]
私の母は、考古学者だ。
忙しいのに、毎日お弁当を作ってくれる。
いや、正確には──いろんな古墳を作ってくれる。
机の上で蓋を開けると、お弁当を見た友だちが叫ぶ。
「うわぁ、今日も完璧な前方後円墳」
ブロッコリーの森の中に、前方後円墳型のチキンライスが鎮座している。
母が作ってくれるのは、古墳時代の日替わり弁当だ。
周りの友だちも集まってきて、歓声をあげた。
「フフン〜」
と、私はほくそ笑みながら、神々しくお弁当箱を両手で持ち上げる。
それに向かって、みんなが両手を合わせて頭を下げた。
「ハハ〜ぁ」
このクラスの、お昼の時間の恒例儀式。
「これがないと、お昼が始まらないよ」
「ほんと、珠希が休みの時なんて、気が休まらない」
私の珠希という名前も、古墳時代由来だそうだ。
儀式が終わると、希望者は母が作った古墳を一口ずつもらっていく。
「そして、いつもうまい!」
満足げな友だちは「お返しにどうぞ」と、おかずを置いていく。
卵焼き、ウインナー、ハンバーグ……。
母の作るお弁当は、まさに五穀豊穣だね。
「明日は『埴輪の唐揚げ』お願い〜、 外はサクッと、中はジューシーなやつ」
オーダーが入る。
フフン〜、と、ご機嫌に作る、母の顔が浮かんだ。
おしまい。
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