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梨作りから学ぶ「6次産業化」とリアルなビジネス戦略 | 山木農園×新短フードビジネス専攻

新島学園短期大学のフードビジネス専攻では、教室での座学だけでなく、実際に現場に足を運んで学ぶ、実践的な授業を取り入れています。

今回は、昨年の文化祭でも販売された「梨ジュース」作りの第一歩として、高崎市にある「山木農園」さんで行われた学外授業に密着しました。

単なる「農業体験」にとどまらない、フードビジネス専攻ならではの学びの様子をお届けします。


1次産業の現場 - 梨作りの第一歩「受粉作業」

山木農園さんの梨農園

溝口先生が担当されるのこの授業の目的は、1次産業(農業生産)、2次産業(加工)、3次産業(流通・販売)までの一連の流れ、いわゆる「6次産業化」のすべてを学生自身が経験することです。

受粉作業に使われる専用の道具

今回、学生たちが挑戦したのは、梨作りの始まりでもある受粉作業。この作業では先端がフワフワの綿のようになった専用の道具を使い、花の一つひとつに手作業で異なる梨の品種の花粉をつけていきます。

フードビジネス専攻の学生たちが訪れたのは、高崎市にある山木農園さん。こちらの果樹園には樹齢80〜90年にもなる歴史ある梨の木があります。その立派な木々の受粉作業のため、学生たちは不慣れな屈んだ姿勢で作業を開始します。

昔の人向けに作られた梨農園では低い姿勢の作業になるため、中腰になりながら作業を進めます。学生たちは農園主の山木さんからのレクチャーを受けながら、普段の教室では決して得られない、「1次産業」のリアルな現場を学生たちは肌で感じていました。

プロに学ぶリアルな経営戦略

現場での作業を終えたあとは、山木さんが経営する自家製ジェラートショップ「GELATERIA Albero.」に移動しました。

ジェラートをいただきながら、学生たちは農業ビジネスの現状や経営の工夫について、山木さんから直接お話を伺いました。

山木さんは東京から群馬に戻って農園を継ぎましたが、その際に直面したのが「お客様の高齢化」という課題でした。

このままでは客層が先細りしてしまうという危機感から、山木さんは時代の流れに合わせて大きく舵を切ります。

それが、積極的なSNSの活用です。2010年代以降、ブログやTwitter、Facebook、Instagramなどをいち早く取り入れ、自ら情報を発信することで新しい顧客層を開拓してきたのです。

従来の手法にとらわれず、柔軟にPR手法を変化させていく経営の視点は、学生たちにとって大きな学びとなりました。

教室での現場で学ぶ「6次産業化」の実例

山木さんからは、さらに農業独自の課題と、その解決策についてもお話がありました。梨の収穫時期は限られているため、そのまま販売するだけでは収入が得られる期間が短くなってしまいます。

これを克服するために山木農園さんが取り組んだのが、ジェラートなどの「加工品」の製造・販売でした。これは、生産(1次産業)に加工(2次産業)と流通・販売(3次産業)を掛け合わせる「6次産業化」の代表的な取り組みです。

フードビジネス専攻のカリキュラムでも、最終的に文化祭で「梨ジュース」として加工・販売するところまでを実践で学んでいきます。

山木農園さんではワイナリーも運営されています

これは、教室で「6次産業化」という枠組みを理論として学ぶだけでなく、実際の現場で自分の五感を使って経験することで、学生たちはビジネスの構造をより深く肌身で理解していくことができます。

なぜ、現場での体験が「就活での強み」になるのか?

フードビジネス専攻の溝口先生は、この学外授業の意義についてこう語ります。

「こうした1次産業から3次産業までの実体験は、就職活動において強力なアピールポイントになります。」

「なぜなら面接で、『学生時代にやってきたこと』を聞かれた際、『自分は現場でこれを経験し、こう考えた』という、具体的なエピソードを持って語れるからです。」

「また、この授業はただの社会科見学ではなく、実際に労働として汗を流すことで、事業者さんと学生が、互いを知ることができる貴重な接点にもなります」

作業後、山木さんの話に真剣に聞き入る学生たち。「どうしてこの味にしたんですか?」「梨以外にはどのような果物を作っているのですか?」と積極的な質問が飛んでいました。

おわりに

山木農園さんでの学びを通して、学生たちは「食べ物を作る」ことの裏側にある、生産者の工夫と、実際の経営について体感しました。

この実習は、今回だけで終わりません。次回は6月に、大きくて美味しい梨を育てるために、不要な実を間引く摘果(てきか)という作業が予定されています。

その後、秋には収穫が行われ、最終的に梨ジュース作り(加工・販売)へと進んでいきます。

彼らがこれからどのように経験し、学んでいくのか。これからの展開にぜひご期待ください。


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