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善が必ずしも救いになるとは限らない

『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 吉凶通り2』
物語は「銭天堂」と「善福書店」という2つのお店が並ぶ“吉凶通り”を舞台に、新たな駄菓子と不思議な本が絡み合う構成でした。
それぞれの話に登場するアイテムや出来事は、日常の延長線上にありそうでいて、そこからグッと異世界に踏み込んでいく感じ。
すっと手元の小銭や本を見直したくなるくらい、「普通」と「異世界」の境界があいまいに描かれていました。


ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 吉凶通り2
廣嶋玲子 (著)

銭天堂の近くに開店した「善福書店」。店主の二ツ頭善二は、その名の通り、善意の人だ。はたして、銭天堂との関係はどうなる? 新シリーズ第2弾!

ふしぎ駄菓子屋 銭天堂 吉凶通り2
廣嶋玲子 (著)
Amazonより

✻あらすじ✻

「ごあいさつ入れ」や「親友交換日記」では、普段の生活の中の“ささいなやりとり”が物語を大きく動かします。
特に「ほどほどドーナッツ」の話は、ついつい欲張ってしまう自分の日常と重なって、甘い香りの奥にある危険にも気づかされました。
銭天堂の紅子さんの落ち着きと、善福書店の店主・善二さんの柔らかい雰囲気が、それぞれ異なる価値観や運命の分岐点を象徴していて、どちらに惹かれるのか自分でも迷うほどです。

◆感想◆

読んでいるうちに、駄菓子も本もただのおまけじゃなく、「選択する自分自身」に焦点が当たっていることに気づきました。
どんな気持ちで手を伸ばすか、どんな気持ちで使うか、それが吉にも凶にもなる。
その微妙な差を物語が丁寧に掘り下げてくれるので、読後は自分の中の“選ぶ力”が鍛えられたような気分です。

特に、物語を通じて「本当の善とは何か」や「幸せとはどこにあるのか」と、現実の世界でも考えさせられました。
私はページをめくる手が止まらず、一気に読み終えた後もしばらく心がざわついていました。
銭天堂の駄菓子を実際に食べてみたい、善福書店で本を選びたい——そんな気持ちが生まれてくる、不思議で魅力的な一冊でした。

もし小さな子どもの頃の“好奇心”や“大人になってからの迷いや選択”にモヤモヤしたことがあるなら、この本は間違いなく何か気付きをくれるはず。

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