自分自身のために走る
天性の速さを武器に、少年は
走り続けてきた。
勝利の先にある歓声、友情、
そして自分の居場所。
だが、速さがすべてだった少
年・トガシの胸には、いつし
か「敗北」という名の影が忍
び寄っていた。
その恐怖は、誰よりも速く走
ることができる自分だからこ
そ、より深く、より鋭く心を
締めつける。
中学を卒業し、高校という新
たな舞台に足を踏み入れたト
ガシ。
彼の心は、期待と不安、そし
て消えない恐怖で揺れていた。
そんなある日、「仲間がいれ
ば、敗北も怖くない」という
言葉が彼の心に静かに響く。
速さだけを追い求めてきたト
ガシにとって、その言葉は救
いであり、新しい希望のよう
に感じられた。
しかし、彼の心の奥底には、
まだ拭いきれない孤独と葛藤
が残っていた。
そんなトガシの視線の先、グ
ラウンドの片隅に、ひとりの
少女がいた。
誰にも気づかれず、誰の評価
も求めず、ただ黙々と走り続
ける少女。
彼女は周囲の喧騒に耳を貸す
ことなく、ひたすら自分の走
りを磨き続けていた。
その姿は、まるで雑音のない
静寂の中でひときわ輝く一筋
の光のようだった。
勝利や承認のためではなく、
「自分のために走る」という
純粋な情熱。
そのひたむきさに、トガシは
強く心を揺さぶられる。
速さでしか自分を証明できな
かった少年が、少女の姿を通
して初めて知る「走る意味」。
仲間の存在、そして自分自身
と向き合う勇気。
トガシの心に、今までにない
新しい感情が芽生え始める。
それは、敗北の恐怖を乗り越
えて、もう一歩先へ進むため
の小さな一歩。
『ひゃくえむ。2』――
ただ速く走るだけじゃない、
青春のすべてが詰まった物語。
トガシと少女の出会いが、あ
なたの心にもきっと新しい風
を吹き込む。
走ることの意味を、もう一度
見つめ直したくなる。
そんな一冊です。
ひゃくえむ。2
魚豊 (著)
俺はトガシ。生まれつき足が
速かった。
だから、100m走は全国1
位だった。
「友達」も「居場所」も、“
それ”で手に入れた。
しかし小6の秋、初めて敗北
の恐怖を知った。
そして同時に味わった。
本気の高揚と昂奮を──。
100mの全力疾走。
時間にすれば十数秒。
だがそこには、人生全てを懸
けるだけの“熱”があった。
100m走全国1位の少年ト
ガシは、“足の速さ”で“友”と
“居場所”を手にしてきた。
しかし、それは同時に“敗北
への恐怖”を増していった。
そして高校に入学し、トガシ
はある言葉を聞く。
“仲間がいれば、敗北も怖く
ない”。
その時、グラウンドの片隅で
は、一人の少女が黙々と“走
り”を磨いていた──。
魚豊 (著)
Amazonより
『ひゃくえむ。2』を読んで、
私は「走ること」の意味につ
いて改めて考えさせられまし
た。
トガシはこれまで、速さこそ
が自分の価値であり、居場所
を守るための武器だと思って
いました。
しかし、高校で出会った仲間
や、ただ黙々と走り続ける少
女の存在が、彼の価値観を大
きく揺さぶります。
特に印象的だったのは、少女
の姿です。
誰に見られることもなく、評
価されることもなく、ただ自
分のために走り続ける。
そのひたむきな姿勢に、私は
強く心を打たれました。
周りと比べたり、結果ばかり
を気にしたりするのではなく、
「自分自身のために走る」こ
との尊さを教えてくれます。
また、「仲間がいれば、敗北
も怖くない」というメッセー
ジも心に残りました。
スポーツは個人競技であって
も、仲間やライバルの存在が
自分を支え、成長させてくれ
る。
トガシが少しずつ殻を破り、
他者と心を通わせていく過程
に、青春の瑞々しさと熱さを
感じました。
まとめ
『ひゃくえむ。2』は、ただ
速く走るだけでは見えてこな
い「本当の強さ」や「自分ら
しさ」を問いかけてくれる作
品です。
スポーツに打ち込む人はもち
ろん、何かに夢中になってい
るすべての人に響くメッセー
ジが詰まっています。
トガシと少女の成長を通して、
「自分だけの走り」を見つけ
る。
何かをがんばる事に勇気をも
らえる一冊です。
Kindle版

2025年9月19日
映画公開『ひゃくえむ。』
「たった100メートルが、人生
を大きく変える。」
今、誰もが共感する奇跡の物
語が映画に。
………………
自己紹介
noteがスキ❤️になってきた。より
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