ほんのり切ない安らぎ
「ホテルクラシカル猫番館
横浜山手のパン職人4」を読
みました。
鎌倉の実家で巻き起こった「
見合い騒動」から始まる本作
は、紗良の等身大の葛藤が胸
に染み渡ります。
「仕事に全力を注ぎたい」と
いう覚悟と家族の期待の狭間
で揺れる彼女の姿に、現代女
性のリアルな悩みを投影させ
られました。
井上のきあさんの柔らかな装
画が、物語の繊細な温度感を
優しく包み込んでいます。
ホテルクラシカル猫番館
横浜山手のパン職人4
小湊悠貴 (著)
「猫番館」のパン職人として
成長していきたい、いまは仕
事に全力を注ぎたいと考えて
いる紗良。
しかし、鎌倉の実家に帰った
折、見合いの話を断ったこと
を兄の冬馬に責められ、嫌味
まで言われてしまう。
思わず「相手ならもういす!
」と言い返してしまった紗良
だが、後日、冬馬が猫番館に
宿泊の予約を入れてくる。
困った紗良は、要に彼氏のフ
リを頼むことにするが……?
横浜山手の洋館ホテルを舞台
に、個性豊かなホテル従業員
と、束の間の安らぎを求める
宿泊客がおりなすハートウォ
ーミングストーリー。
横浜山手のパン職人4
小湊悠貴 (著)
「猫番館の日常が最高の逃避
先」
兄・冬馬の突然の宿泊予約に
「彼氏のフリ」を要に頼む紗
良の必死さが愛おしく、ハラ
ハラしながらもクスリと笑え
る展開が続きます。
コンシェルジュの要が紳士的
にサポートする様子は「こん
な男性現実にいたら…!」と
理想像が膨らむほど。
ホテルの調度品の描写やパン
の香りが五感を刺激し、非日
常空間へ誘ってくれるのがこ
のシリーズの真骨頂です。
「嘘から生まれる本当の優し
さ」
見栄を張った嘘が思わぬ方向
へ転がる中で、紗良のパン職
人としての信念がより鮮明に
浮かび上がります。
特に「仕事で認められたい」
という一心で向き合うパン作
りのシーンでは、職人のこだ
わりと情熱が伝わってきまし
た。
宿泊客のエピソードと紗良の
プライベートが交差する構成
が、深みを与えています。
「読後は焼きたてバゲットの
ようなほのかな温もり」
家族との確執や恋愛模様とい
った現実的なテーマを扱いな
がらも、最後にはほっこりと
した安心感が残るのが魅力で
す。
猫番館のスタッフたちが紡ぐ
「束の間の安らぎ」が、読者
の心にそっと寄り添ってくれ
ます。
響くキーワード
「横浜山手」「洋館ホテル」
「パン職人成長物語」「家族
問題」「偽装カップル」とい
った検索ワードに刺さる内容
です。
仕事とプライベートの両立に
悩む方、ほのぼのとした人間
ドラマを求める方に特におす
すめしたい一冊。
猫番館のベランダで紅茶を飲
みたくなる、そんな穏やかな
読後感が待っています。
Kindle版

Audible版

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自己紹介
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