初夏の旅 #1 蔵王の御釜はいい御釜
まだ新緑の初夏に蔵王を旅した。
心地よい日差しと、ゴウゴウと吹きすさぶ風を全身で感じる旅だった。
蔵王の御釜について調べていると、シゴデキのGoogle先生がお勧めのホテルをせっせとチラ見せしてくる。たまにとんでもないモノを見せてくる時があるが、これは家族に見られても恥ずかしくない健全なチラ見せである。3度目のチラ見せのあたりでちょっとくらいならと魔がさして、リンクを開いた。
リンクを開くと映えるバイキング写真と共に、今ならキャンペーン価格との文字が踊る。普段はショーケースにミチミチに詰め込まれているドーナツ達が、垂直にそそり立つボードから突き出た棒に引っ掛けられて、「片っ端から輪投げの罠に引っ掛かってしまいましたテヘペロ (๑´ڡ`๑)」なんて言いたげな可愛いらしい姿を晒していた。
常識の角度を少し変えただけの戦略は見事にハマり、妻氏への有力な交渉材料としてハマったのだった(今もドーナツウォールがあるのかは筆者未確認)。シゴデキGoogle先生の手のひらで転がされている感はあるが、結果オーライである。
低山登山やハイキングでは新緑を愛でながらワラワラと散策するものだが、標高が高い山となると勝手が違う。初夏であったが山には残雪があり、車窓から見る雪の厚さは標高が高くなるほど厚かった。
蔵王の最高峰である熊野岳は1841m、山頂付近の駐車場から歩いて数分の刈田岳は1758m、そこから見下ろす御釜は1670mである。
ちなみに富士山は3776m。
蔵王は刈田岳の山頂付近まで車で行ける。
山頂付近の駐車場は見晴らしが良く、眼下の山々を見渡せた。


車を降りて辺りを見渡すと、新緑の山々しい背の高い木々は少ない。冷たい風が吹きすさび、寒くて家族皆上着を着た。家族分のジャンバーを持参したわたしグッジョブ。人間は、寒いとすぐに活動限界が来てしまう生き物なのである。故に防寒は大切だ。

レストハウスを横目に御釜を目指した。
駐車場から少し歩くとすぐに御釜が見えた。準備運動をするまでもなく今回の旅の目的をいきなり果たすことが出来てしまった。いきなり御釜である。幼児にも優しい山である。こんなに簡単に本格的な山頂付近を堪能できる山も珍しいのではないだろうか。

散歩がてら歩ける限り歩いてみた。山を歩くのは結構好きなのだ。だって冒険しているみたいじゃないですか。もしかしたら幼少の頃に金曜ロードショーで観たインディージョーンズに、今も心を囚われてしまったままなのかも知れません。
道は二手に分かれていた。御釜に突き当たって右側は、山頂が目視出来る標高1758mの刈田岳、左側は標高1841mでゴールが見えない熊野岳への道である。

もちろんまだ見ぬ冒険を求めて、高くて遠い熊野岳を目指して砂利道を歩いた。せっかく数時間掛けてきたので冒険を楽しみたかった。岩や角張った砂利の地面で、背の低い植物が所々に生えていて荒涼としていた。


風の中、残雪と緑色の御釜を横目に歩いた。





所々生える植物と角張った砂利の景色は、富士山の山頂へ向かう景色のようだった。
若い頃に登った富士山は標高も高く、森林限界でやはり背の高い木々が成育せずに低い植物が所々生えていて、思ったよりも辺り一面大きめの砂利景色だった。
蔵王の方が背の低い植物が多い印象であるが、雪と風の厳しい環境で富士山と似たような景色になっているのだろう。
富士のその頂きに辿り着くには、流石に日本一の山ということを噛み締め、笑い始める膝と対話しながら歩き続けなければならないが、この蔵王の山は、手軽に山の景色を見られていいなぁと思った。

道草をくいながら30分程ゆっくり歩いた。
小高くなった尾根の先もまだ尾根の道が続いていることを確認して満足し、ゴールが見えず寒くもあったので元来た道を戻ることにした。
ゴールに辿り着かなくても良いことだってたくさんある。道草をくうだけの日があってもいいのだ。クルーの安全のために、時に引き返す判断をするのもキャプテンの役割りなのである。


御釜への入口の分岐へ戻り、妻と子供はレストハウスで一足先に休憩し、わたしだけ徒歩数分の刈田岳を登った。



その後レストハウスで家族と合流し、ホカホカの豚まんを頬張りHPを回復し、お土産を買って山を下った。
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