無常、右手折れたってよ
実は骨折してしまった。不注意で手をぶつけて、右手の甲の骨一本ポキッと。
名を、中手骨骨折という。
ご心配をお掛けしてしまう事がはばかられたので、記事にするか迷った。
しかし、あれ?最近日常無常のやつ見掛けないなぁ、さては奥さんと相撲のやり過ぎで故障でもしたか?なんて噂話になると妻にうしろめたいし、こんな人生のレアイベントを記事にしない訳にはいかないという謎の使命感から、記事にすることにした。
右利きの私が、左手でスマホを打って書いている。
わざわざ不自由しながらツラツラと記事を書こうなどとどうかしている。おとなしくしていればいいものを、つい、書きたくなっちゃうんですもの。
やっぱり、いや案の定、いや噂以上の変と態。
もはやノーマルnoterとしての一線を超え、
変態noterの爆誕である。
🦴🦴🦴
よりによって休日夜間にやらかしたので、始めはレントゲンを撮り、応急処置で石膏板での固定のみだった。幸い痛くはなかったが、ギブスの様な硬い固定用の板と包帯でボリュームアップして、ボクサーみたいな拳になった。
口をパクパクさせる人形を、ナニかの呪いの如く常に右手にはめている様な状態だった。

🎉困ったことクイズ🎉
突然ですが、右手に口パク人形がハマった如くになり、困った事はなんでしょうか?
①鼻がかみにくい
②長袖の袖が通らない
③ホカホカご飯🍚を食べにくい
④左手でのスマホPCマウス操作
⑤左手でお寿司をつまんで食べにくい
⑥ジャムの蓋が開けられない
⑦諸々の家事全てをあの人が行う事による……恐ろしくて文字にすることすらはばかられる事態…
さあ!
チック タック
チック タック
チック タック
🔔チ〜ン🔔
正解は…
そう!
全部でしたー🎉🎉
(´;ω;`)ブワッ
いや本当に、やってできない事はないけど不便。社会生活は、当然ながら両手での暮らしを前提として成り立っています。
応急処置の数日後、固定された指達の様子を確認しようとした際に、ふわっと鼻をかすめた香り…
…ん!?
なんか匂うぞ(;゚Д゚) !
よくよくクンクンしてみると、手の指なのにその魅惑の隙間から、かぐわしい夏の子供の運動靴のにほいがします(´ཀ` ) うぅ…
緊急事態発生である。
入浴はしていたものの、右手はビニール袋で包んで濡らしていません。しかし蒸される。
指も蒸されると、こうも危険な香りになるのか。
蒸すのなら、バター醤油で酒蒸しにしていただきたい。
その後、ハッカスプレーを噴霧して、少しマシなにほいになりました。
─────・・・
休み明けの再診時、手術の説明をしてくれたのは50代の穏やかそうなマスター医師。この人ならベテランそうだしお任せ出来ると安堵する。
局所麻酔で日帰りの手術です。
数日後、プレートと極小ボルトで骨折箇所を固定する手術をしました。
ドキドキしながら無機質な手術室で無防備に寝転がり、されるがままの90分。90分約3万6千円。
不意に、患部の様子をツイ立てで隠すか隠さないかの2択を迫られる。点滴だけで既にビビりだしているのに、メスで切り開かれる自身の手など見ていられようか、いや恐怖でガクガクして心電図がピッピピッー!と激しく乱れてしまうに決まってると思い、ツイ立てで隠し、ツルの恩返しの如く決して見ない事を決めた。
この下の区切り線から線までは、R12指定程度の表現を含んでいるかもしれない為、ケガなどの表現が苦手な方は線を飛び越えて行かれたし。
手だけに局所麻酔を打ちました。歯医者の麻酔と同じように、チーックリと注入中はグググと弱いながらも痛い。思わず目を細めるもその後はほとんど痛みは感じず。「痛かったら麻酔を追加するので、痛いと言ってください」と言われてビビる。
そう言う医師は、
事前説明のマスター医師ではない (゚Д゚)!
アラサーの若そうな医師。先輩医師となにやら切れ目を入れるラインなどを相談確認している。おや大丈夫かしらと一抹の不安を覚えながらも、手術の幕は切って落とされた。
動かされたり触られたり、骨をゴリゴリする感覚はあったものの、痛いですと言ったのは2回くらい。2度目の麻酔のチクリと、骨にボルトを入れる為の穴を、ドリルで開けて貫通した時の2回。痛いとは言うものの、紙で指を切った程度の一瞬のいたさ。
やや探り探りな感じもしたけど、丁寧に対応していただいたと思います。マスター医師の見立てでは60分程度の予定でしたが、ゆっくりやって90分といったところ。
足首に取り付けられた血圧計が時折り膨らみ、手に集中する意識を散らしてくれました。もっと散らして!
それはまるで、サバの塩焼き定食をつつく合間の黄色いたくあんの漬け物のよう。足首の血圧計は、私にとってたくあんのオアシスでした。
寝ていただけなのに、なぜだかぐったり。
事が済み、失恋後の傷心の君のようにトボトボ歩きお会計。
会計を待つ間、なんだかちょっと右手が痛いぞと気付いてしまった。しかしまだほんのちょっとだ。
先日処方して貰ったカロナール(鎮痛剤)の残り、持って来てたっけなとバックをあさる。ここでもないそこでもないとゴソゴソあさる。きっとドラえもんもこういう気持ちなんだろうなと妙な親近感が湧く。
あった〜‼︎と思って手にした錠剤は(ドラちゃん風に)
「ビ ラ ノ ア 錠〜(花粉症薬)!」
「今必要なのは君じゃないのよ」と軽くあしらい元の居場所にそっと戻す。
早く鎮痛剤を処方して貰おうと足早に薬局へ向かう。
処方を待つ間、店内のテイクフリーのコーヒーを頂いた。朝6時から飲食禁止だったので骨身に染みた。
薬を貰い、昼食を考える。
左手だけで楽に食べられそうなものとして、これ名案と寿司を閃く。
はま寿司に着き、まずは鎮痛剤カロナールを1錠飲み、ジンジンしてきた手術の傷跡を落ち着かせる。
そして左手でボリュームのある、黄金カレイフライの寿司をつまむ。左手にとって人生初の出来事だ。

すると左手は、不安定に乗る揚げ物とシャリを同時につまみかねてしまっている。しかもこの絶妙な位置のタルタル、どうしろと笑?
まるで2歳児がぎこちなくつまむように、上手くつまめない。
え?嘘だろ?
俺の左手ってこんなに不器用なの?
この歳になって初めて、これまで連れ添ってきた左手の不器用さを思い知った。ぽろぽろ崩れた、たったひと粒の米粒を拾う事すら、簡単ではない。
これまで右手は常に前衛、左手はサポーター程度の配役だったのだ。百戦錬磨の右手とは雲泥の実力差だ。
こうして、手術当日は己のアンバランスさが骨身に染みた。そしてカロナールを二錠飲んでもビリビリとした痛みは消えず、帰宅後はソファーに寝転がり起きたくなかった。
かつて「背中の傷は剣士の恥だ」と胸を盛大に切られた大剣豪、ロロノア・ゾロはすげぇなぁと思い出し、腹痛並の調子の悪さのまま寝た。

翌日はカロナール一錠で痛みは消えた。翌々日はカロナールなしでもいけた。
しかし、調子に乗って左手でチャイルドシートのシートベルトをカチャカチャする際、不意に右手が何かにぶつかり、あまりに痛くて白目を剥くかと思った。いや、一瞬剥いたかもしれない。
そして、思い出したかの様に石膏板が外れた右手をスンスン嗅いでみた……
魅惑の指の隙間から、バター醤油の香ばしい匂いがすればいいものを、それは2ヶ月洗っていない犬の匂いになっていた。
ハッカスプレーをふりかけた。
……妻に報告し、感想を聞くと「シャンプーをした後の犬の匂いがする」との事だった。
足裏の蒸された芳醇と、犬の匂いは、遠い親戚なのかもしれない。
ところで、なんのはなしでしたっけ。
さいごまでご覧いただき、ありがとうございました。
今はもう手を洗っても良くなったので、犬の匂いも消えました。衝撃がなければ痛くもありません。娘が心配して優しく接してくれて染みました。弱っている時程優しくすべしと家訓にします。
皆様も骨折や手術などないよう、ご自愛ください。
お見舞い代わりにスキを貰うとオラの元気になるぞ。
ではまた、お会いしましょう。
