見出し画像

終わってしまった。3ヶ月に一度、北大へ行っていたような『北極星をえがく』

あ~、ついに終わってしまった。

2025年7月に発行された、岩井圭也さんの小説「北極星をえがく」


これが全て無料配布。このサイズ感もいいんですよね(文庫サイズ)

北海道大学創基150周年を記念して作られた作品。

著者の岩井圭也さん、表紙画を描かれた岩間翠さん、ともに北海道大学大学院を修了されています。

北海道の最高学府、北海道大学。
私と北海道大学はというと……ほぼ無縁。

無理やりひねり出してみると、研修を受けに行ったことがある。母が入院していた。北海道大学の大学祭に行ったことがある。

これくらいだろうか。
そんな私が、一年間、この小説を楽しみに読んできました。

主人公は、北海道大学に入学したひばり。
ともに学ぶ同級生、教授、親。
大学のゼミ、指導教官、進路、人間関係。

物語を読みながら、学生たちの大学生活を追いかけてきた。

札幌の中心部にある北海道大学。

その広い敷地を車で通ると、牛の姿を見かけることがある。

牧場や農場があり、一般に開放されている図書館や博物館のような展示もある。

そういえば、ワインの醸造も手掛けていると新聞で読んだことがあり、小説の中にも、いくつかの研究が登場する。

主人公ひばりの実家はワイナリーで、農業に関する研究も物語の中で重要な意味を持つ。

普段なら、「北海道大学って、こんなこともしているんだ」と通り過ぎてしまうところを、小説を通して少しだけ中に入っていくような感覚があった。

この企画は、3か月ごとに1冊ずつ発行されるというもの。
だからこそ、よかったのだ。
一気に読むのではなく、次の一冊が出るのを待つ。
その間に、登場人物たちのことを考えたり、前の話を思い出したりする。

1冊目の『教養棟の蛙たち』では、入学したばかりの学生たちの初々しさや、まだ何者でもない青さを感じた。

それが物語が進むにつれて、少しずつ変わっていく。

悩んだり、迷ったり、人とぶつかったりしながら、それぞれが自分の道を探していく。

一年間かけて読んだからこそ、その成長を時間をかけて見届けるような感覚だった。

小説を書く人って、すごい。

登場人物に彼らの時間をつくり、その人たちが成長していく姿を、読者にも感じさせる。

私は一年間、次の一冊が出るのをほんとうに楽しみにしていました。

そして、ついに最終巻読了。

「あ~、終わってしまった」と、少し寂しい。

素敵な企画をありがとうございました。

まだ読んでいない岩井圭也さんの作品もあるので、一冊購入してきました。

タイトルは『付き添うひと』

「子ども担当弁護士」という言葉に惹かれて。


広くて敷地全部を歩くのは大変です。


岩井圭也さんの本のことを書いています。


いいなと思ったら応援しよう!

はし 読んでいただきありがとうございます。いただいたサポートは、本の購入・車いすフェンシング活動費として使わせていただきます。

この記事が参加している募集