新連載『それゆけ!重さん2』~生まれ

生まれ


重さんは、
第一次世界大戦と第二次世界大戦の間、
昭和10年、1935年に生まれた。

北関東の11人兄弟の九番目。
誰が誰だかわからないくらいの兄弟の多さだ。

5歳の時に戦争がはじまり、 10歳の時に戦争が終わった。

戦後、生まれつき身体が弱かった一番下の妹は、
よその家にもらわれることになった。

その代わりに、働き手として
一緒に連れていかれたのが重さんだった。
いわゆる奉公人だ。

まだ中学生だった。

食べ物が何もなかったから、なんでも食べた。

当時の彼の父である重さんは、
彼が子どもの頃、
小さなアマガエルを生きたまま皮を剥いで
目の前で食べたという。

”何も生きたままじゃなくても”
と言う声も聞こえてきそうだけど、

重さんが子どもの頃には、
生きたまま食べることが、
生き延びる方法だったのかもしれない。

戦争も、飢えも知らない
平和な時代に生きる私たちが、
勝手なことは言ってはいけないよな……

重さんの話を聞くたびに
いつも私はそんなふうに思った。

とことん不自由だった子ども時代。

そして、
大人になった重さんは、
30代になって見合い結婚をした。

結婚した重さんは、
ついに弾け飛んだ!

                 3に続く

--- 過去の記事はこちらからご覧いただけます。
第一話:出逢い

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