「B’z LIVE-GYM ‐FYOP- 東京ドーム day1」② ~Nによせて~
2025/12/06
「B’z LIVE-GYM ‐FYOP- 東京ドーム day1」①からのつづき
(#ネタバレ あり、極めて個人的感傷も含まれますのでご注意。)
「B’z LIVE-GYM ‐FYOP- 東京ドーム day1」①はコチラ↓↓↓
17:10 開演
稲葉さんの目鼻立ちや表情まで見える!
心なしか稲葉さんの石けんの匂いさえ届くようだ。
リアルな存在感に感激だ。
稲葉さんの喉を心配していたが、問題なさそう。
会場いっぱいに歌声を響かせて、何万人もの人たちを魅了していく。
さすがに若い頃のように彼がステージの端から端まで全速で走り抜けることはない。
けれども、大人になった私たち(稲葉さんも私たちも)にはそれでいいと思えた。
感情に任せた彼のステップはキレがあってそれは健在で、加えて大人の余裕と色気が滲み、思わずみとれてしまうのだった。
そんな中、曲間で、いつもはぼんやりなツレが、
「今稲葉さんと目が合った。」
と言ってきて、思わず笑ってしまった。
いや、気のせいだから。
『LOVE FANTOM』では、稲葉さんが、B’zの文字の形に組まれた足場のてっぺんから登場。
歌いながら階段をだんだんと下りてくる。
それが私には少し衝撃だった。
『LOVE FANTOM』といえば、私にとっては上っていくイメージだったからだ。
あれは「BUZZ!!」ツアーだったか。
『LOVE FANTOM』曲中で、ドラキュラに扮した稲葉さんが鏡の前で次第に正装していって、塔の上にロープでつり上っていき、最後は真っ逆さまに飛び降りて終わりを迎える、という演出があった。
それが『LOVE FANTOM』の初披露であったはず。
ドラキュラが稲葉さんによく合っていて耽美的な美しさがあったものだ。
それが鮮烈に刻み込まれ、今回の演出が私には新鮮でならなかったのだが、同じような感覚をもった人が他にいたかどうか。
Nならわかってくれるだろうか。
MCで、セットリストはいつも難しい(大意)と稲葉さんは言っていた。
今回は今までLiveでやっていなかった曲を、というので何だろうとワクワクしていたら、思いもしない曲が来た。
『となりでねむらせて』(ALBUM「BREAK THROUGH」に収録)だ。
私は大好きだったからうれしかった。
生で聴けるなんて。
歌い方、解釈はご本人も言う通り、ALBUMとはだいぶ違っていた。
ピアノだけのシンプルな伴奏に、年月を経た人間味を感じさせる歌声だった。
それともう一曲は『消えない虹』(ALBUM「LOOSE」収録)。
大学のとき聴いていたなと懐かしい。
この曲もLiveでやっていなかったというのは意外に感じた。
これらを歌い終わって稲葉さんは、
「あの頃の僕はもういませんが今の僕はいます。」
と述べた。
その言葉はさらりとしていたが、切ないような力強いような愛おしいようなそんな感じがした。
今回のFYOPツアーについて、稲葉さんは、FYOPはFollow Your Own Passionであるとし、「Passionはみなさん大なり小なり持っていると思います。ちょっとでもいいんです。Passionをもって。それで、またこうして集まろうじゃありませんか。(大意)」と語った。
私にはどんなPassionがあるだろうか、考える。
ちょっとでもいいというなら、いまだ成し得ないあのことか。
ツレは後に、
「稲葉さんの話を聞いて、Passionのことを思ったら今すぐにでも仕事を辞めるべきだと思った。」
と笑っていた。
一緒に笑いながらも、確かにな、と妙に納得する私であった。
さしずめ稲葉さんのPassionは、今現在ならば、このLive。
眼光鋭くひたむきに歌い上げる。
明日またLiveがあろうとも持てる力を出し惜しまない。
アカペラのロングボイスを、声を限りに観衆へ放つ。
言葉にせずとも私たちはこうして稲葉さんのPassionを受け取るのだ。
さて、今回のLive-Gymでは、松本さんが復帰したことがとりわけ大きいと言えるだろう。
(松本さんは今年の6月始めに体調を崩し、「UNITE #02」は一部の出演のみであった)
披露したギターソロの「#1090」は、今までよりむしろ艶やかに哀しく、高貴さすら漂わせて伸び、華やかだった。
MCで松本さんは、療養中、道行く通勤の人たちを見て、自分もそんな風になりたいと思った(大意)、と話していた。
そして、
「普通のことは普通ではないんです。(大意)」
と。
私にはこのことが痛いほどわかった。
日常こそ、在り難いものなのだ。
失ったそれを想って涙をこぼしながら、松本さんの言葉を私は聞いた。
稲葉さんも松本さんの言葉を強調していて、彼もまた「日常」の大切さを深いところで理解する人なのだと思い、私はなんだか彼らと心がつながっているように感じた。
一方で笑っている観客もいてそういう話じゃないと思ったけれども、松本さんの言葉を真に解さない人はしあわせかもしれないなぁとも思った。
彼のギターは響いていたが、正直彼の発する声は変化しやや力が弱かった。
モニターに大写しになった松本さんのギターを爪弾く手指には、前には認めなかった皺があった。
ギターの音色と対照的なそのことにも感じるものがあって、涙が出た。
このLiveだって普通じゃない、その最たるものだ。
こうして、B’zのPassionを受け留め、いろんなことを思い、心と体を揺らした「B’z LIVE-GYM ‐FYOP-」であったが、あっという間に終焉のときは訪れた。
銀テープが舞い散って、数年ぶりかでそれをこの手に掴む。
アンコールで『いつかのメリークリスマス』が聴けた。
きらめくクリスマスツリーが大きく映し出されて、あぁこれは少し早いクリスマスプレゼントだ、と思った。
この曲は当時から歌声が変わらない。
けれど受け取り手の私が変わったようだ。
この詞のようにもう取り戻せない誰かを想って、泣けてきた。
アンコール二曲目の『イルミネーション』では、朝ドラ「おむすび」を観ていたころのことを思い出して、また涙が流れた。
君の1番好きな
歌を聴きながら進もう
このフレーズが、傷ついたNを応援しているように思えて好きだった。
これからLIVE-GYMのたびに私は、いつも一緒に参戦してささいなことで笑い合っては愉快に過ごしたNのことを想って泣くのだろう、と思った。
私にとってPassionとは、NとのLIVE-GYMだったのかもしれない。
ラスト『愛のバクダン』の後、ちょっとタイミングがずれてちょっとどころでなく仰天の轟くような炎の特効があって、
「せーの!オツカレー!」
掛け声とともに拳を全員で突き上げた。
これでほんとの終わり。
東京の歌(タイトルなんだっけ)とともに、稲葉さんと松本さんが手をつないで私たちの席の方まであいさつに来てくれた。
そのつながれた二人の手を私は見つめていた。
普通じゃないこのことを「尊い」と思った。
19:20 終演
規制退場。
私らは相当待って外へ出た。
20:10 「餃子専門店藤井屋 2号店」で打ち上げ
かねてより決めていた餃子やさんへ。
ツレが食べたがっていた餃子とビールで乾杯するつもり。
店に行くと満員御礼で2号店を勧められる。

こちらはまだすいていた
メニューは同じ。



「オツカレー!」
LIVEの余韻と充実感に浸るひととき。
海老の餃子と柚子はちみつサワー(450円。安い)、おいしかったー。
「B’z LIVE-GYM ‐FYOP- 東京ドーム day1」③につづく
