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【外伝】- No Map, No Destination - Vol.1 ” ラスベガスで一攫千金!?”

【ご案内】

本作は『NEKØ:CODE』の外伝です。

世界の命運も、陰謀も、難しい話もありません。

あるのは、少しお金に困った二人と、一台のクラシックカーだけ。

……たぶん、なんとかなります。

ネココードの世界へようこそ!
ゆっくりしていってネ✨

【STORY】


アメリカ横断の旅も、三日目の夕方を迎えていた。

夕焼けのハイウェイを、一台のクラシックカーが走る。

1972年式フォード・フェアレーン。

長いボンネット、荒々しいV8サウンド、どこか不格好なのに妙に格好いいその車に、YUIは一目惚れして購入したのだった。

「……やっぱり、この音がいい。」

運転席でハンドルを握るYUIが、珍しく満足そうに呟く。

助手席では、RUIが巨大なマシュマロの袋を抱えていた。

「YUI、あと三袋あるよ!」

「……そんなに食べるの。」

その時だった。

燃料計の針が、じわりとEに近付く。

「ガソリン入れよう。」

近くのスタンドへ車を滑り込ませる。

「RUI、お金。」

「う、うん!」

……。

「……。」

「……えーっと。」

嫌な沈黙。

YUIがゆっくり振り向く。

「……お金は?」

「えっと……。」

「……。」

「マシュマロ……買っちゃった。」

「……全部?」

「あと限定味も。」

「……全部?」

「うん。」

再び沈黙。

遠くでカラスが鳴いた。

「……何袋。」

「さ、30袋。」

「30。」

YUIは静かに空を見上げた。

「YUI……怒ってる?」

「怒ってない。」

「本当?」

「現実を受け止めてる。」

財布の中には、残りわずかな紙幣しかなかった。

ガソリンはあと少し。

近くの街は――

『LAS VEGAS 32 miles』

ネオンの看板が夕日に照らされている。

RUIが指を差した。

「ラスベガスだ!」

「……うん。」

「お金、増やそう!」

「その発想、普通は出ない。」

しかし。

数秒後。

YUIは静かにサングラスを掛け直した。

「……理論上、可能。」

「やるの!?」

「ギャンブルで勝つには三つある。」

「うん!」

「欲を出さないこと。」

「うん!」

「勝ち逃げすること。」

「うん!」

「そして――運。」

「最後だけ雑!」

数十分後。

二人はカジノにいた。

YUIは慎重にフロアを見回していた。

テーブルゲームの配当。

客層。

ディーラーの癖。

スロットの還元率。

監視カメラの位置。

勝っている客と負けている客の共通点。

「……なるほど。」

スマホのメモには、すでに数字と矢印が並んでいる。

「この台は回収中……こっちは期待値が低い……。」

真剣そのものだった。

「ギャンブルは感情でやるものじゃない。」

「情報を集めて、確率の高い場所を選ぶ。」

「それが勝率を上げる唯一の方法。」

そう言って振り返る。

……RUIがいない。

「……え。」

遠くから、聞き慣れた声。

「YUI〜!」

そこには、すでにスロットマシンの前に座るRUIの姿があった。

「何やってるの。」

「キラキラしてたから押してみた!」

ガシャン。

ガシャン。

ガシャン。

――7。

――7。

――7。

店内にベルが鳴り響く。

大量のコインが溢れ出した。

「……え。」

さらに。

もう一回。

もう一回。

また当たる。

そしてまた。

スタッフが集まり始める。

周囲から拍手が起こる。

RUIは首を傾げた。

「なんかいっぱい出てくる。」

YUIは、しばらく無言だった。

そして、ぽつりと呟く。

「……天才かもしれない。」

「私?」

「うん。」

「やったぁ!」

その夜。

後部座席には、大量の札束と…マシュマロ。

助手席では、RUIがマシュマロを食べながら笑っている。

「アメリカってすごいね!」

YUIは無表情のまま、夜のハイウェイへ車を走らせた。

「……次からお金の管理は私がする。」

「えー!」

クラシックカーは、ネオンの街を後にして、闇の中へ消えていった。

二人の旅は、まだ始まったばかりだった。

……To be continued

【NEKØ:CODEの活動】

本編ストーリー

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