無課金ユーザーみたいな格好で、今日も保育園へ行く。
私は毎朝、だいたい“無課金ユーザー”の状態で家を出て保育園の送迎をしている。
鏡を見ると、昨夜寝たときとまったく同じ姿の自分が立っている。
タイムスリップではない。
単に、部屋着のまま保育園に行く気満々なのだ。
帽子さえかぶればスッピンも「化粧してる扱い」で許されると思っている謎理論。
靴下だけやたら元気。
パーカーには時々、ペットのラットの“嬉ション”が当たり特典として付いている。香しい。
保育園に到着して周りを見渡す。
無課金 VS 重課金みたいな格差が広がっている。
ちゃんとしてる人、多すぎない?
みんな朝何時に起きてんの。眩しい。
なんならフローラルが漂ってくる。
もちろん私だって、朝から自分を整えたい。
せめて日焼け止めだけは必ず塗る。
どうせ送迎のあと家に帰って仕事するだけだし……と、
誰に向けてか分からない言い訳を毎朝唱えている。
入園したばかりの頃は、小綺麗なママを目指して化粧も服もちゃんとしていた。
せめて“慣らし保育の期間くらいは続けよう”と思っていた。
——が。
慣らし保育の一週間、完走できなかった。
私の送迎のやる気は三日目で息絶え、四日目にはもう無課金に戻っていた。
持久力がなさすぎる。
どうやら私の体内には“朝のやる気スタミナ”という概念が存在しないらしい。
そんな私を見て、服が語りかけてくる。
「お前、家と外の境界どっか行方不明じゃない?」
「てか、保育園ママ界のどの派閥にも属してなくない?」
やめてくれ。
派閥の存在すら聞いてない。
でも娘・ちび雲は、そんな私でも暖かく受け入れてくれる。
休日に化粧してちゃんとした服を着ていると、すぐにこう言う。
「ママ!今日はどこか行くの!?」
……そんなに違うかい、送迎のときと。
でもその反応を見てふと思う。
これでいいのかもしれない。
私の身なりが、娘にとっての
「今日は保育園か、お出かけか」
世界のモードを判定するリトマス試験紙になっている。
今日も私は無課金スキンのまま現実世界に放り出されたプレイヤーみたいな格好で送迎に行くけれど、
ちび雲は変わらず、優しく手を握ってくれる。

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育児と創作の合間に現実逃避して書いてます。チップは現実世界への帰還料です。