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あなたは美術館に何を見にいく?-美術館という空間への興味-

ひろしま美術館でコレクション展示を見た後は、特別展「オディロン・ルドン―光の夢、影の輝き」へ足を運びました。

コレクション展とは別の展示室になっており、一度外に出て特別展の展示室へ。写真撮影は不可だったため作品は目に焼き付けることしかできなかったですが、私がそこで一番印象に残っているのは、展示室の照明や雰囲気のこと

正直な感想を恐れずに書くと、「え、これが美術館?」というのが第一印象でした。
公民館の一室のような場所で、照明も薄暗い蛍光灯と光の弱いスポットライトのみ。ルドンの作品がほどんど白黒だったこともあり、一層部屋全体が暗い雰囲気に見えました。

次の展示室に行くと、先ほどよりも部屋全体が明るくなり、作品も色のついたものが増えてあまり違和感はなくなりましたが、私の中で作品そのものよりも、作品を展示している空間に対しての印象が心にずっと残っています。

作品が輝きを放つためには器が必要

以前読んだ建築家の光嶋裕介さんの著書で書かれていた美術館に対する記述が印象に残っています。

作家が情熱を注いでつくり上げた作品は、どのような場所に、どのようにして飾られるかで、命が吹き込まれる。作品が輝きを放つためには器(空間)が必要であり、そこで作品に適切な光が当てられて初めてアートが成立する。

死ぬまでに見たい世界の名建築なんでもベスト10
「芸術のための記憶の器」 p18

今回のルドンの展示を見て、作品そのものだけでなく、それが展示される空間や照明が作品へ大きく影響することを実感しました。

もしあの絵が明るく開けた空間で展示されていたら、どんな印象を持っただろう?
照明は、絵の雰囲気や何か(例えば当時のルドンの心情や時代背景など)に合わせてあの選定になっていたのか?

部屋の大きさは変えられないけど、光の強さや種類、そして展示の仕方はそれを作る人によって変えられる。
誰が、どんな目的で(何を目標に)、空間の設計を行うのだろう。

思えば、私は美術館の絵そのものというより、美術館という空間、建築物に興味を持っていました。これまで行った美術館で一番印象に残っているのは、森美術館で行われたブルジョワ展。

▼素晴らしい空間美

ブルジョワ展とルドン展が同じ値段か・・・と考えると(私の好みの問題は大いにあるとして)、やっぱり今回の展示は少し物足りなかったような気がしてしまう。

では、美術館の展示は観覧者のために作られるものなのか?
料金相応の展示を求める観覧者の満足に足るようなものにするべきなのでしょうか?

現存するアーティストは自分で決められる?

もう一つ、作品の展示について印象に残っているのが、ブルーピリオド15巻で初めて八虎が自分の作品を展示するシーン。

作品を作ったアーティストが生きている場合、自分でその作品をどう見せたいのか、その空間や照明を選定できる(実際はどうかわからないですが)。

その前提に立つと、現存するアーティストの展示会は、そのアーティストが見せたい世界(その作品を作った背景や、作品に対する思いも含めた世界観)が作られている、と考えることもできます。

結局、誰のために何を見せるのか?

美術館の展示の仕組みや考え方をもう少し深く調べてみれば、展示方法や照明の選定、料金設定などがどのように決定されているのかは、答えが出てくるのかもしれません。

でもここでは、今回の感じやことや考えを巡らせた内容を踏まえ、いち観覧者である私は何を見たいのか?ということについて考えをまとめてみたいと思います。

・・・と思ったのですが、これがすごく難しい。
いま私の中で2つの思いが存在しています。
①美術館で、絵だけでなく空間の美しさや素晴らしさにも感動したい(観覧者としての美術館に対する期待値。値段相応の、という思いも含まれる)
②一方で、そのアーティストの世界観に沿った展示に浸りたい(観覧者に寄り添いすぎず、アーティストの表現に忠実な展示をしてほしい)

美術館をビジネスだと捉えれば、観覧者の満足度を優先する(①)のは納得のいく筋書きです。でも満足度向上のために世界観に沿わないことはしてほしくない(②)。

相反する様な、それでいて重なるところが見つけられそうな2つの思い。

合わせると、アーティストの世界観に沿いつつ、絵だけでなく空間としての満足度も高いものを作り上げてほしい、ということになりました。

そもそも満足に対する感性もそれぞれ違う中で、そんなことできるのかな?と思いながら気付いたのは、美術館の展示を作る人たちもアーティストなんだ、ということ。

アーティストが表現したかったこと、見る人が求めるもの、自分たちが作り上げたいもの。
そういったものを統合して「美術館」や「展示会」として形にする。まさにアーティストそのもの。

私はこの2つの感動を美術館に求めていたのか。
新たな視点を見つけることができました。

美術館という空間には、絵そのもののアーティストだけでなく、その空間を作り上げたアーティストたちもいる。
この空間でこの展示方法はどういう意図があるのだろう?私は何を美しいと感じた?
そんなことを考えながらまた美術館に足を運んでみたいと思います。

ルドンのポストカード
花が綺麗だった!💐


みなさんは美術館に何を見に行っていますか?
ぜひ聞いてみたいです。

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あい 読んでいただきありがとうございます。私の学びが誰かの小さなきっかけになったら嬉しいなと思い、日々書き留めています🌿 いただいたチップは私の新たなきっかけに活用させていただきます😊