【🎨展覧会レポ】三重県立美術館「生誕100年 榊莫山展」「美術館のコレクション」
【#343、約3,700文字、写真約70枚】
三重県立美術館に初めて行き「三重県誕生150周年記念 生誕100年 榊莫山展」「美術館のコレクション(2026年度第1期展示)」を鑑賞しました。その感想・レビューを書きます。
※ 企画展の会期は終了しています(コレクション展は開催中)。
▶︎ 結論
全体を通して地味な印象があったものの、行く価値があった美術館でした。それは主に、1)三重県で生まれた榊莫山のユルカワ作品にニッコリできた、2)コレクション展でたくさんの新収蔵品を見られたことによります。三重県旅行にはピッタリの内容でした!
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
混み具合:★★☆☆☆
展覧会名:①「三重県誕生150周年記念 生誕100年 榊莫山展」、②「美術館のコレクション(2026年度第1期展示)」
場所:三重県立美術館
会期:①2026年4月4日(土)-5月31日(日)、②2026年3月31日(火)-2026年6月28日(日)
休館日:月曜日
開館時間:9:30~17:00
住所:三重県津市大谷町11番地
アクセス:津駅から徒歩約10分
入場料(一般):800円
事前予約:ー
所要時間:2つで約1時間半
撮影:約7割が撮影可能
巡回:ー
URL:こちら
▶︎ 訪問のきっかけ

三重へ1泊2日、美術館巡りに出かけました。その中でも、県立の美術館への訪問はマストでした。
▶︎ アクセス

三重県立美術館へは、津駅から徒歩約10分。津駅から1本道を登っていくと自然に到着します。

津駅周辺は三重県の県庁所在地にもかかわらず、人が少なかったです。一方で、学生の量は多いと感じました。学校が近くにあって、ちょうど授業やクラブ帰りの時間に出くわしたからかもしれません。




遠目から見ると、雰囲気がMOA美術館(熱海)に似ていました。
▶︎ 三重県立美術館とは?

三重県立美術館は、1982年に開館。明治期以降の日本近代洋画を中心に、三重県にゆかりの深い作品など約6,000点を所蔵しています。


建物は富家建築事務所の設計です。富家宏泰は主に京都で育ったため、京都での建築がほとんど。主な作歴としては、同志社大学新町キャンパス、立命館大学衣笠キャンパス、藤井大丸など。また、当時の知事と大学が同窓だったことから、石川県立美術館も富家宏泰によるものです。


原美術館(品川)が懐かしい

館内はとてもシンプル。当日の私のメモには「学校みたい」と残していました。まさに、設計を担当した富家宏泰は、学校建築をたくさん手掛けていたため、私の感覚は正しかったです(笑。



▶︎ 「三重県誕生150周年記念 生誕100年 榊莫山展」感想

詩情あふれる詩書画一体の作品と飾らない人柄で、多くの人々に愛され続ける榊莫山(1926-2010)。現在の三重県伊賀市に生まれた莫山は、少年時代から書や絵画に親しみました。(略)日本や中国の書史を研究し、文学者、哲学者、美学者など先学に教えを乞い、さらには、道標や看板といった「路傍の書」を訪ね歩き、独自の研鑽を積みました。(略)三重県立美術館は、2011年に生前の作家の意思に基づき、108点の作品寄贈を受けました。今回の展覧会では、これらの寄贈作品を一挙公開いたします。
展示数が100を超えるため、サクッと鑑賞しました。なお、タイトルにある「三重県誕生150周年」の記念が、どうして「榊莫山展」なのかは謎です。


中学5年生でこの楷書はうま過ぎる!
栴檀は双葉より芳し
展覧会では制作年のキャプションはあるものの、当時の榊莫山の年齢は書かれていませんでした。個展の場合、キャプションにそれが書いてあると「鑑賞者の気持ちをわかっているなぁ」と感じます。

ウマヘタな作風は、振れ幅が大きかったため、鑑賞していて、ちょっと落ち着きませんでした。


ピカソやゴッホしかり、しっかりした基礎があるからこそ、アレンジにも説得力が出ると思いました。榊莫山の絶妙なユルさも、一定の境地を過ぎると見えてくる景色があってこそなのでしょう。


さて、👆は何と書いてあるでしょうか?
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
答えは「女」。
全然「女」に見えない(笑。もはやクイズの世界。

これは読める

👆は何と読むでしょうか?
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
答えは「樹」!

書ではないですが、👆は何と読むでしょうか?
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「母」。
確かに「母」です。ちょっと笑ってしまいました。

榊莫山は、書に定評があったことに加え、絵も上手でした。私は彼の書よりも、絵の方が好みでした。






ユルすぎる〜

榊莫山の《寒山拾得》は、口が「への字」なのが面白い。「山へ行こうか、川へ行こうか」「イヤじゃ、空へ行こう」と会話は噛み合っていない(笑。






5章の部屋のみ、撮影は可能ですが、SNSへの投稿は不可でした。理由を看視員の方に聞くと、5章は他のアーティストとのコラボ作品がメインのため、その人たちの許可を得ていないためでした。
私的複製(著作権法第30条)は許容するものの、公衆送信権(著作権法23条)は許容しない立場です。法的には正しい判断をしつつ、観覧者の満足も考慮する配慮を感じました。疑問があったら、看視員の人に聞いてみるものですネ。


かわいい。
部屋に飾っても見飽きなさそう

私は奈良が好きなので、展示作品の中でも「大和八景シリーズ」が気に入りました。榊莫山の絵画からは、奈良の空気感や色、シルエットが、本当に滲み出ていると思いました。
なお、書道の楷書では、美しさの正解があります。そこから先の「ウマヘタ」は、感性の世界です。「誰がどんな基準で評価するんやろう?」と疑問に思いました。
▶︎ 「美術館のコレクション(2026年度第1期展示)」感想


常設展は、3つで構成されていました。
第1室:コレクション名品選/近代洋画コレクション
第2室:新収蔵品展 増山雪斎
第3室:自分らしく生きるー「隠逸」の絵画




目が…(笑

ほとんどが撮影可能なコレクション展での中でも撮影禁止、SNS投稿禁止の作品がありました。


撮影はできるもののSNS投稿は禁止だった作品は、ミロ、シャガール、ダリ、荻須高徳、鈴木金平など。著作権の保護期間である死後70年が過ぎた作品も含まれていたため、著作権法は関係がなさそうです。

作品の撮影、SNS投稿を積極的にオススメしている一方で、それらを禁止している作品があるのは(しかも「撮影禁止」と「SNS投稿禁止」を区別している)、どのような背景があるのでしょうか。売買契約時の寄贈元との個別契約?
それらも何となく看視員の方に聞いてみましたが「著作権の関係で…」と、的を射た回答は得られませんでした。「著作権」と言えば、錦の御旗のように誰でも閉口すると考えているのでしょうか。




第2室では、新収蔵品である増山雪斎に関わる作品(26点)が展示されていました。増山雪斎(1754~1819)とは、長島藩(現在の三重県桑名市長島町)の第5代藩主。自らも絵を描くお殿様でした。





コレクション展でも「寒山拾得」が展示されていました。榊莫山が描いたものとは雲泥の差でした。




左のおじさんはさくらももこ風、
右のパッチリまつ毛の牛はディズニー風
▶︎ まとめ

榊莫山《寒山拾得》
いかがだったでしょうか?ユルい書や絵を得意とする榊莫山の展覧会は、今まで見たことがないユニークさがありました。また、コレクション展では、新収蔵品である増山雪斎に関わる作品を見られてラッキーでした。全体を通して、若干地味な印象はあったものの、三重県に来た際は、まず寄っておきたい美術館でした。
▶︎ 今日の美術館飯

▶︎ 次回予告
次回は、私の思う「これだけは発売してほしいミュージアムグッズベスト4」を投稿する予定です。
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