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株式報酬と確定申告 #3 ~株を売った時~

前回の記事で、株式報酬について「株が自分のものになった年」の給与収入としての考え方と、申告する際の計算方法を整理しました。

今回は、その株式を売却した時に発生する作業について、お話ししていきたいと思います。

株式報酬の売却益・売却損はどう考えるのか

株式報酬は、株を取得した時だけでなく、売却時にも申告が必要です。
売却時に着目すべきは、「売却額」そのものではなく「取得価額との差」です。

すでに取得時に給与収入として課税されているため、売却時には、売却価額と取得価額(VestやExercise時の時価)の差額が譲渡益(または譲渡損)となります。

仕組みはシンプルで、基本的には通常の株式売買と同じです。
また、売買手数料等も、取得費用として加算することができます。

しかし、外資系企業の株式報酬は海外証券口座で管理されることが多いため、実際の申告では少し複雑な手続きが必要になります。ここからが、譲渡益申告を難しくする「落とし穴」の始まりです。

売却時の「譲渡益」をどう申告するか

海外の証券口座で持っていた株を売却した年は、その利益(あるいは損失)についても確定申告の対象になります。

国税庁の作成コーナーでは、「分離課税の所得」から「株式等の譲渡所得等」へと進み、「特定口座以外」の項目に入力していきます。海外口座は日本の証券会社の「特定口座」には該当しないため、すべて一般口座として扱う必要があるからです。

入力自体は画面に従って「譲渡収入」や「取得費」を埋めていけば良いのですが、ここで避けられないのが円換算の手間です。収入側の計算は比較的シンプルで、例えば1株120ドルで100株売ったなら、12,000ドルにその日のレート(150円など)を掛けた180万円が申告額になります。

厄介なのは、実は「取得費」の算出の方です。基本は取得時の価格に為替を掛けるだけですが、複数回に分けて株を受け取っている場合、計算の難易度が跳ね上がります。なぜなら、日本の税制ルールに従い、「総平均法に準ずる方法」で一株あたりの取得単価を計算し直さなければならないからです。

例えば、50株ずつ5回に分けて取得し、計250株を保有しているケースを考えてみましょう。米国の証券会社では、個別の取得タイミング(ロット)ごとに管理されているため、売却明細には「最初の方に手に入れた100株を売った」といった体で、当時の取得価格(85ドルや90ドルなど)に基づいた譲渡益がドル建てで表示されたりします。

しかし、この明細の数字をそのまま日本の申告に使うことはできません。総平均法では、保有している全株式の取得価格をならして計算する必要があります。具体的には、

(各取得日の「株価 × 為替レート」の合計)÷ 合計株数

という式で、一株あたりの平均コストを導き出すことになります。
これがとにかく手間のかかる作業です。在職中で次々と株がVestされる時期は、その都度データを追加して平均額を更新し続けなければなりません。ただ、退職して新しい株が入らなくなれば、あとは手元の平均単価を使えば済むようになります。

株式報酬は「もらう時」の記録が「売る時」に生きてきます。VestやExerciseのたびに、日付、株数、価格、為替の4セットをしっかり保管し、いつでも円換算の平均単価を確認できるようにしておくのが、一番の近道かもしれません。

実務は重たいですが、売却益は給与所得とは別の「分離課税(約20%)」で済みます。税率が急に上がる心配がない分、そこだけは少し気が楽かもしれませんね。

※この記事は一般的な読み物です。実際の申告は税務署・税理士に確認してください

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なんとか成美 「外資系で働いた経験」「シンママFIRE」など、わたしの場合はこうでした、というお話を週1回くらい書いています。面白かったり、少しでも参考になりましたら、スキやフォローをいただけるとうれしいです!

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