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元日本記録保持者が10年練習して気付いた顔と名前の覚え方

初めましての方は初めまして、平田直也と申します。

僕は人の顔と名前を覚えるのが得意です。
元々得意だったわけでは無く、練習を繰り返して得意になりました。
どのくらい得意かと言うと、「5分間で初見の外国人の顔と名前を41人覚える」という日本記録を樹立したことがあるくらい得意です。
※日本記録って何だよ、日本人は覚えられないのかよ、という詳細は後述します。

日常生活や仕事で「人の顔と名前を覚えられない」という記憶の悩みを抱える方はとても多いと思います。
僕は感覚で覚えているのではなく、トレーニングをして覚えられるようになったので、覚え方のコツを教えることができます。人の顔と名前を覚える練習をかれこれ10年も続けています。
今回はこの10年間で培った「顔と名前の覚え方のコツ」を紹介していきます。

少し意識するだけで覚えられるコツ、人の顔と名前記憶を特技や武器にしたい人向けのやり方と練習方法、超本気で練習するやり方の3つのレベルに分けて書いているので、ご自身の本気度に応じて興味のある部分をお読みいただければ幸いです。
1つ目のものは一般的に言われているコツが多いですが、2つ目・3つ目は競技レベルで日々顔と名前を覚える練習をしていないと書けない知見だと自負しています。誰かの参考になれば嬉しいです。



自己紹介・顔と名前を覚えた実績

最初に信憑性を担保するために簡単な経歴と実績を紹介させてください。

平田直也、28歳です。
18歳の時から「メモリースポーツ」という記憶力を競い合う頭脳競技の選手をやっています。
このメモリースポーツでは様々なタイプの情報を覚えて記憶力を競うのですが、その中の種目の1つに「顔と名前記憶」があります。

形式は大会によって複数あり、記憶時間や覚える人の国籍などが若干違うものの、全ての形式で日本トップレベルのスコアを出しています。

外国人の顔、外国人の名字と名前

最もスタンダードなのはこのようにあらゆる国籍の顔写真と名前がランダムにセットになったものを5分間で覚えて、順番がバラバラになった顔写真に15分間の回答時間で記入して答えていくという形式です。
僕は2018年の大会で、この形式で「5分間で41人正解」という当時の日本記録を樹立しました。
現在は他の選手に抜かれてしまったので歴代2位の記録になってしまいましたが、再度更新を狙っています。

外国人の顔、外国人の名前

また、このようにメモリースポーツのオンライン対戦サイトではあらゆる国籍の顔と名前のセットを覚えるゲームがあるのですが、これは僕が世界で最初にレベル10の「1分間で13人覚える」という記録を達成しました。現在の自己ベストは1分間で26人記憶で、世界トップ10に入っています。

外国人の顔、日本人の名前

少し変わり種でこのように「あらゆる国籍の顔写真に対して、日本人の名前のセットを覚える」という種目もあるのですが、これは39秒で30人全員覚えるという成績を持っています。これも世界トップ10位くらいのスコアです。

日本人の顔、日本人の名前

実際の問題は無いのでお見せできないのですが、かつて奈良県大和郡山市で行われていた「記憶力日本選手権大会」では「日本人の顔と名前を覚える」という種目がありました。
過去3度出場していますが、そのうち2回で出場者トップのスコアを取っています。

このように、外国人を覚えるのでも日本人を覚えるのでも良い成績を残すことができています。

メモリースポーツの種目の中で、顔と名前の記憶は最も練習が難しく、先天的な能力に左右されるだろうと言われてきました。
しかし、僕はそうは思っていません。練習すれば必ず伸びていく種目だと思っているし、実際に僕のスコアは伸び続けています。競技歴10年目にして、今が最も強い状態です。
ちなみに2025年に入ってからの練習量で言うと、約半年で顔と名前を既に8000人分程度は覚えてきました。このくらい練習をしているのです。「顔と名前を覚える能力は練習して得るものである」ということと、「練習をすればするほど伸びるのである」という事実をまずは知ってください。

競技レベルですら伸びていくのですから、実際に日常生活で使うくらいであれば、コツを掴んで練習していけば必ず覚えられる量は増えていきます。
ただし、すぐに記憶量が爆増する秘密の技はありません。ちょっと意識してできるコツはあるものの、その分効果は小さいですし、練習も数日やった程度ではほぼ変わりません。他のタイプの記憶と比べて「練習に対しての効果が小さい」のは事実としてあるでしょう。

それでも、みんな正しい覚え方と練習方法を知らなさすぎる。ここに危機感を持っているので、10年間かけて証明した「顔と名前の覚え方」を本気で教えます。
メモリースポーツで良いスコアを出す方法というよりかは、日常生活でいかに覚えるか、そしてそれをどう長期記憶に残すかという実践を意識したコツをメインで書いていくので、競技に興味の無い方も安心して読んでください。


すぐにできる工夫

まずは今日からできるテクニックをいくつか紹介していきます。
どの工夫も全て僕が実践済みで、効果があると体感したものになっています。
すぐにできる工夫なので効果は小さいものもありますが、やらないよりは遥かに意味があるので、できそうなものから生活に取り入れてみてください。

復習をする

何を当たり前のことを、と言われるかもしれませんが、超重要です。
一瞬で全てのことを覚えられる超人ではない我々凡人ができることは、復習をすることです。

一般的に記憶の強度は「一発で覚える時の印象の強さ×復習の頻度」で決まります。有り体に言うと「質×量」です。質の部分はこの後たくさん紹介しますが、量を増やすことも意識してください。

毎日会っている友達や職場の人の顔と名前は覚えやすいと思います。それはたくさん会っているという頻度が一因です。
一度しか会っていない取引先の名前や、まだ出会ったばかりの新生活での友人の名前を覚えられないのは当然です。そこで、量を増やすために復習をします。実際に毎日会うのは不可能でも、様々な手段で復習することで疑似的に毎日会っている状態を作ることは可能です。

まず初対面で自己紹介や名刺交換をした後、すぐに脳内で名前を復唱しましょう。これで1回復習したことになります。
そして解散した後、その日のうちに必ず一度復習をします。名前は名刺や名簿を見て思い出し、顔はできる限りで良いので脳内で想像して思い出します。もし会社名や趣味など付属情報を聞いていたのであれば、その情報も可能な限り思い出すようにします。
次の日の朝も思い出してみましょう。これで3回会っています。

名刺をファイルに保管していたり、アプリで管理している場合は、それを定期的に眺めて復習すると良いでしょう。
特に重要で覚えておきたい人がいたら、その人の名刺を机の上に置いておき、常に視界に入る状態にしておきます。そうやって日常の中で接触する回数を増やして記憶に残していきます。
愚直で泥臭い努力ですが、記憶とはそういうものなのです。残念ながら一瞬で覚える魔法はありません。

僕はいただいた名刺をファイルにしていて、新たな名刺が増えた時に過去の名刺も一覧で見直すようにしています。LINEグループなどができた時は見返して復習しています。
また、次に会うタイミングが分かっている場合は前日に復習すると良いですね。例えば同窓会があって10年ぶりに会う友達がいたら名簿を見直すとか、会食があるなら来る可能性がある方をまとめて思い出しておくとか、そういう努力をしましょう。

名刺の裏に情報をメモする

これはいかに復習しやすい状態を作るか?という工夫です。
その場ですぐに名刺に書き込むのは非礼なのでできないとしても、家に帰ってから名刺にメモしたり、付箋を貼ったり、管理しているアプリでメモしたりしましょう。
営業職の方は仕事でやっているかもしれませんが、実際に大きな効果があります。

その日は覚えていたつもりでも、少し経つと忘れてしまいます。その人にどんな印象を持ったか、どういう趣味があったか、その日どんな会話をしたかなど、ささいなことでも思い出すきっかけ(=トリガー)になります。

1年後の自分が復習しやすいようにするためにも、メモを残しておきましょう。記憶とは、将来の自分が思い出しやすくするために工夫する営みです。思い出せなければ覚えていないと同じ扱いを受けます。将来の自分のために、思い出すきっかけを散りばめましょう。

同じ名前の有名人や知り合いを想像する

ここからは質を高めていく工夫です。
ただ漠然と名前を聞いて反芻するより、その名字や名前から連想されるイメージを想像すると覚えやすくなります。

語呂合わせで連想していくのが良いやり方なのですが、初心者がやりやすいのは同じ名字・名前の別の既知の人物を想像するということです。

覚えたい情報に対して「感情」を込めると覚えやすくなります。何となく情報を頭に入れるのではなく、面白いなと思ったり、変だなと思ったり、どんな感情でも良いので何かしらの心の動きがあると記憶に残ります。
名前は単なる文字情報に過ぎず、何も面白くないので、自分が知っている別の何かに置き換えると良いですね。

例えば「佐藤さん」であれば、俳優の佐藤二朗さんであったり佐藤勝利さん、佐藤健さんなどを想像してあげるだけで「この人と何の関係が!?」と違和感を生み出すきっかけになって覚えやすくなります。
もちろん知り合いに別の佐藤さんがいればその方を想像しても構いません。とにかくただの文字列だった「佐藤」という名前に、何かしらの意味を付与してあげるのです。それだけで覚えやすさが上がります。

そうすることで、次に会った時に「あ、あの佐藤二朗さんと同じ名字の佐藤さんだ!」と思い出す可能性が高まります。
(その芸能人が思い出せない、どの芸能人と紐づけて覚えたかを思い出せないという悩みももちろんあるので、より確実性を高めるやり方は本気で覚える編で後述します)

名前の由来を聞く/勝手にでっちあげる

名字の由来や、名前に込められた意味を聞けそうな関係であれば聞くのは効果的です。これもただの文字情報である名前に感情を込めるという方向の工夫です。
意味や理由があるものは覚えやすいという脳の特徴があります。名前の由来はまさに「理由」です。特に日本人であれば漢字は表意文字なので、何かしらの意味を込めやすく、その意味との関連で覚えやすくなる場合が多いです。

名字が珍しい場合は実は何か歴史的経緯があることもありますし、名前の由来を聞くことでより深く印象に残ります。
込められた意味にぴったりの人物であればそれも覚えやすいですし、逆にギャップがある人でもその違和感が感情を動かすので結局覚えやすいです。

そしてこのコツの真骨頂は「嘘でも構わない」ということです。本気で覚えるやり方でも説明しますが、たとえでっちあげた情報であっても脳には同じように刻み込まれます。
僕がメモリースポーツで覚える対象の名前は全て架空の名前なので、実際に込められた意味や由来はありません。なのでどうしているかと言うと、全員に対して勝手に「こういう由来で名付けられたんだろう」というでっちあげを行っています。それでもきちんと覚えられるのです。
実在する相手に対しても同様で、特に由来が無かったり聞けなかったりしても、自分で適当に作りあげてしまえばそれだけで記憶に残すことができます。

趣味や出身地を聞く

先ほど「思い出すきっかけを増やすと良い」という話をしました。趣味や出身地、職業や部活などもきっかけの1つになります。
一見すると情報が増えて記憶が大変と思われるかもしれませんが、実は付属情報は多くても構いません。むしろ、情報があればあるほど、そして繋がれば繋がるほどトリガーが増えて思い出す可能性は高まります。全ての付属情報を覚えなければいけないわけでもありませんしね。

歴史の勉強で人物を覚える時なども、1対1対応で肖像画と名前を覚えるよりも、家系図や流れ、豆知識などの周辺情報をまとめて覚えると記憶に残りやすいです。知識がネットワーク状になればなるほど、記憶は強固になります。
現実の相手も同じです。1つの情報として覚えようとするより、ネットワークとして覚えておくと良いです。例えば、同じ会社の人でグルーピングしてまとめて覚えたり、同じ出身地という繋がりで意外な人物同士をまとめて覚えたりすると思い出しやすくなります。

ベイカーベイカーパラドクスという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
心理学の文脈でたまに用いられますが、ある人物を思い出そうとする時、職業は思い出しやすいのに名前は思い出しにくいという現象です。Aさんは「パン屋さん(=ベイカー)だ」という情報と、Aさんは「ベイカーという名前の人物だ」という情報があった時、前者は後者より思い出しやすいということです。同じ情報量のはずなのに不思議ですね。
皆さん実感があると思います。職業は思い出せるのに、名前は思い出せない。これはある種当然というかみんなそうなんですね。

これを逆手に取り、まずは職業などの周辺情報だけでも聞いて覚えてみましょう。そしてそれを名前と結び付けてあげれば良いのです。あるいは名前を職業と捉えて無理やりでっちあげても良いですね。このあたりも本気でやろうと思えば奥が深いので、後ほど詳しく説明します。

座席の位置をきっかけに思い出す

職場や学校で同じクラスになった人を覚えるとき、あるいは会食や会合など席が決まっている状態で挨拶をした人を覚えるとき、座席の情報が思い出すトリガーになることがあります。

記憶術に詳しい方なら「場所法」という技を聞いたことがあるかもしれませんが、人間は場所に関する記憶は強く覚えることができます。
意識していなくても隣の席が誰だったかというのは記憶に残っているものです。

これを利用して、「あの席に座っていた人だったな」「クラスで隣の席は誰で、その前の席は誰だな」と座席を元に思い出していくのもすぐにできる工夫です。
座席表をじっと見る癖を付けておいたり、会議の主催者であれば席に名札を用意したり、位置情報を用いたテクニックは意外とあります。

興味を持つ

マインドの話ですが、覚えたい対象の人物に対して、興味を持ちましょう。記憶は脳の働きで、メンタルに大きく左右されます。心の持ちようで覚えやすさが実は格段に変わってしまうのです。

好きなアイドルやスポーツ選手はすぐに覚えられるのに、仕事関係の人が覚えられないのは、興味の有無が大きいです。この人は自分にとって大事な人だ、好きだから詳しく知りたい、などと思えば自然と強く印象に残って覚えやすくなります。
無理やりでも良いので、興味を持つよう心掛けてみてください。良い所を見つけ、好きになろうとしてください。

もしくは、嫌いになっても良いです。好きの反対は嫌いではなく無関心です。心の中でどう思うかは自由なので、嫌だなと思ったらとことん憎むというのも、実は記憶に残りやすい工夫になります。
皮肉なことに、嫌いな人というのは脳に強く刻み込まれてしまい、思い出せてしまうのです。まぁどちらでも良いのでできれば好きになるよう努力した方が幸せだとは思います。

自信を持つ

最後の工夫もメンタルの話です。
自分は人の顔と名前を覚えられるんだという自信を持ってください。根拠の無い自信で構いません。言い聞かせるように「覚えられる、大丈夫」と思えば、本当に覚えやすくなるものです。

絶対的な自信を持てとまでは言いませんが、少なくとも自分の能力を卑下したり、悲観したりしないでください。脳がストッパーをかけて本当に覚えられなくなってしまいます。

僕は仕事柄色んな人に記憶術を教えていますが、ほとんどの人は記憶力に自信がありません。
記憶に自信がある人と無い人は半々ではありません、体感9割の方が「自分は記憶力が悪い方だ」と思い込んでいます。あなたが記憶力が悪いと思っている時、周りの人もそう思っています。だから、安心してください。卑下しないでください。

そのマインドを変えるだけで、覚えられる量は結構変わります。自信を持っていきましょう。


本気で覚えるやり方:顔と名前の記憶を武器にしたい方へ

ここから本noteの核心に入っていきます。
すぐにできる工夫の延長線上にあるものもありますが、基本的には顔と名前の覚え方を体系化し、それを徹底的に練習することで覚える精度や量を増やそうとするやり方です。
顔と名前の記憶を武器にしたい方、仕事に役立てたい方はこのやり方を実践して、トレーニングを行ってください。

筋肉を付けたいなら筋トレをするように、脳を鍛えたいなら脳トレは必要です。そして、漠然と脳トレをするのではなく、「鍛えたい部位(=能力)」に特化したトレーニングをしなくてはいけません。
数独や漢字パズルをやっても顔と名前の記憶力が急激に向上することはありません(やらないよりは効果があるとは思います)。顔と名前を覚えられるようになりたいなら、やり方を学び、顔と名前専用のトレーニングを行いましょう。このパートでは練習方法までしっかりとお伝えします。

なぜ顔と名前は覚えられないのか?

顔と名前を覚えるのは難しいです。メモリースポーツの競技の世界においても「顔と名前だけは別物だ」と言われるくらい難しいです。
なぜ難しいのかというと、顔と名前に関連性が無いからです。

人間の脳は意味や理由があることは覚えやすいという特徴があります。物語のあらすじを覚えやすいのは「意味」が連続しているからです。

顔と名前には関連性がありません。この顔に生まれたからその名字や名前が付けられたわけではありません。無関係の情報と情報の繋がりを覚えることになるので、難しいのは当然です。

また、初めて聞く名前だと、そこから自分でイメージを想像するのにも時間がかかってしまい、覚えるのが難しくなります。特に外国人の名前などはランダムなカタカナや文字の羅列に見えてしまう場合もあり、そうすると難易度はさらに上がります。ランダムなカタカナの羅列には「意味」が無いので、これも覚えにくいというわけです。

それでも覚えるための方法:顔と名前の記憶は、英単語記憶と同じ?

漫画のキャラクターのように、「眼鏡をかけている人の名前がメガネさん」などの名前の付け方であれば、関連性があって覚えやすいですよね。
これを利用して、無理やり顔と名前に関連性を持たせるというテクニックが有効になります。

不思議なもので、関連性は本当であっても嘘であってもインパクトが強ければ印象に残って記憶に残ります。本来関連性の無い「顔」と「名前」をでっちあげたストーリーによって結び付けることで、覚えやすくすることができるのです。

実はこれは立派な記憶術の1つで、僕は「結び付け法」や「タグ付け法」などと呼んでいますが、本質は「無意味な2つの情報を結び付けて覚える」ということなので、英単語を覚える時などにも使えるテクニックです。

dogという英単語と、犬という日本語(=意味)には関連性がありませんよね。だから英単語も覚えるのが難しいのですが、無理やり結び付けることによって覚えやすくなります。
例えば「fertile:肥沃な」という英単語を覚える時に、「ふわふわのファーでタイルを磨いて肥沃な土地にする」というストーリーをでっちあげることで覚えることができます。

これと同じプロセスを顔と名前で行うのが本気で覚えるやり方の基本的な考え方になります。具体的なやり方をこれから見ていきましょう。

具体的な覚え方:3つのステップ

①覚えたい人の顔や服装などの見た目の印象を考える。
②覚えたい人の名前から何かイメージを連想する。
③見た目の印象と名前のイメージを結び付けて、1つのストーリーを想像する。

この3つのステップで初対面の人の顔と名前を覚えていきます。

スマホアプリ「カオナマエ」より

例えばこの方の顔と名前を覚えてみましょう。
※ちなみにこの画面は僕が開発に携わっている「カオナマエ」という顔と名前を覚える専用アプリのミニゲームの1つで、実在の人物とは関係ありません。

まずはステップ①です。顔や服装などの見た目の印象を考えましょう。
・キリっとした凛々しい眉毛、目つきをしている
・爽やかなビジネスパーソンの印象を受ける
・ネクタイが青い
などが挙げられると思います。2-3個思いつけば十分です。
できればその人固有の特徴であると思い出しやすいのですが、そういう部分をピンポイントで言語化するのは非常に難しいので、まずは第一印象で抱いた感想で問題ありません。
また、まずはその場で覚えることを重視するので、後日会った時に変わっているであろう髪型や服装などの情報も気にせず使ってしまって大丈夫です。

次にステップ②です。名前からイメージを連想します。ダジャレや語呂合わせで良いので、「ただの文字情報」を「知っている言葉」に変換しましょう。
・薄い(うすいという読みから)
・臼と井戸(漢字から)
などでしょうか。1パターン思いつけば大丈夫です。
この時必ず自分が脳内で映像を想像できるような言葉を連想してください。すぐにできる工夫で紹介した「同じ名前の有名人や知り合い」を連想しても構いません。

最後がステップ③です。ステップ①と②で作ったそれぞれのイメージを合わせて1つのストーリーにします。
例えば①で「キリっとした凛々しい眉毛」、②で「薄い」というイメージを作ったとしたら、それを結び付けて「キリっとした凛々しい眉毛の濃さが薄くなってしまって最終的には消えてしまった」というストーリーができます。
他にも①で「ネクタイが青い」、②で「臼と井戸」というイメージを作っていたら、「青いネクタイを臼で粉々にして井戸に放り込む」というストーリーが作れそうです。
ストーリーの内容は自由ですが、文字で考えるのではなく映像で想像すること、そしてなるべくインパクトの強い大げさな出来事を考えると記憶に残りやすいです。

これで覚えるステップは終わりです。

思い出す時は、顔を見て、抱いた印象からストーリーを思い出して名前を想起していきます。

この方にどんな印象を持ったでしょうか?
キリっとした眉毛でしたね、それがどうなるというストーリーを作りましたか?
薄くなっているな、だから「うすい」で「臼井さん」か、と思い出せるわけです。

僕は顔と名前を覚える時にこの3ステップを意識して覚えています。
何度も練習を繰り返す中で、この3ステップに分解できることを発見し、そしてこのテクニックを使って日本記録を樹立しました。10年間の集大成です。もちろんこれより良い方法が生まれる可能性はありますが、練習のしやすさと効果を考えると現状はこれが最適解だと考えています。

競技レベルで使えるテクニックではありますが、初心者の方でも日常生活で使える技だと思っています。
まずはこのステップを意識して顔と名前を覚えることが大切です。これで覚えた上で、先述した「すぐにできる工夫」を使って復習したり、名刺の裏に「ステップ①や②で使ったキーワード」をメモしたりと組み合わせると長期記憶に残っていきます。

例題

3ステップを癖付けるために、いくつか例題を覚えてみましょう。
ぜひご自身でそれぞれのステップを実践して、覚えながら進めてください。

①覚えたい人の顔や服装などの見た目の印象を考える。
→日焼けして健康的な肌、カラフルなストール

②覚えたい人の名前から何かイメージを連想する。
→くわと田んぼ、桑田佳祐さん、桑田真澄さん

③見た目の印象と名前のイメージを結び付けて、1つのストーリーを想像する。
→くわで田んぼを耕していたら日焼けした、桑田佳祐さんがカラフルなストールをマイク代わりにして歌っている

このような連想ができると思います。今は例として複数のストーリーを作っていますが、最後にできあがるストーリーは1つで大丈夫です。

さぁ、この方の名字は答えられるでしょうか?
ストーリーを思い出して、名字まで遡りましょう。
思い出せましたか?

もう1人覚えてみましょうか。

①覚えたい人の顔や服装などの見た目の印象を考える。
→親しみを感じる垂れ目、楽しそうに笑っている

②覚えたい人の名前から何かイメージを連想する。
→溝と口、溝の口(地名)

③見た目の印象と名前のイメージを結び付けて、1つのストーリーを想像する。
→楽しそうに笑って大きな口を開けたら溝ができてしまった

どんなストーリーを作っても構いませんし、大げさで変なストーリーの方が記憶に残るので良いのですが、そのままその人に伝えないようにしましょうね。
僕はかつて「私はどんなイメージで覚えてますか?」と知り合いに聞かれて危うく変なストーリーを言いかけた思い出があります。

大げさなストーリーによって見た目と名前を結び付けられていたら、無事に思い出すことができるはずです。

少し難易度を上げて、外国人の顔と名前を覚える例題に移りましょう。外国人であろうと顔と名前の結び付きを覚えるわけですから、3ステップは変わりません。

メモリースポーツ練習サイト「Memory League」より

①覚えたい人の顔や服装などの見た目の印象を考える。
→綺麗な白髪、赤紫っぽい縁の眼鏡、優しそうな目と口

②覚えたい人の名前から何かイメージを連想する。
→襟&ラ、エイリアン+ドラえもん

③見た目の印象と名前のイメージを結び付けて、1つのストーリーを想像する。
→赤紫の眼鏡を掛けたらエイリアンになってしまったのでドラえもんに助けてもらって元に戻した、綺麗な白髪が襟とランドセルにかかってしまった

外国人の名前を覚える方が難しいです。ただ漠然と難しいなと思うのではなくて、ステップ②の語呂合わせが難しいから難しいと認識しましょう。

ステップ②の名前のイメージ化は、日本人の名字と違って、同じ名前の有名人や知り合いがパッと出てくることが少ないと思います。そのため知っている言葉になるように名前を分解して、それぞれをイメージ化する必要があります。今回の例は「エリアンドラ」だったので、「襟、アンド、ラ」に分けたり、「エイリアン、ドラ」に分けたりしてイメージ化をしました。

それでは最後に応用として、「顔、会社名、役職、名前」をまとめて覚えるという実践的な問題を覚えてみましょう。

カオナマエより

こちらもカオナマエから「今日のテスト」という応用問題から取ってきています。

覚える情報が増えていますが、ステップは同じで、会社名や役職名もイメージ化してストーリーにまとめていきます。

①覚えたい人の顔や服装などの見た目の印象を考える。
→はっきりとした二重、丸顔、つんつんの髪

②覚えたい人の名前から何かイメージを連想する。
→エコフォー:エコ+4(フォー)、課長:ガチョウ、吉川:よしよしと川を撫でる

③見た目の印象と名前のイメージを結び付けて、1つのストーリーを想像する。
→丸顔が地球(=エコのイメージ)の形に変化して、4つに増えた。その上をガチョウが走っていて、そのガチョウがよしよしと流れる川を撫でていた。

覚える量が増えているので、当然ストーリーも長くなっています。
会社名は知らない会社であれば外国人の名前を覚えた時と同じように自分でイメージ化するしか無いですが、知っている会社であればその会社から連想される商品やイメージをそのまま想像して構いません。

最初のうちはこれだけの情報量があると覚えるのが大変かもしれませんが、練習を繰り返して慣れていくと、10秒もあればこれらの情報は覚えることができ、名刺交換のタイミングで覚えることができます。もちろん、その後復習を駆使しないと長期記憶までには残らないので、復習はとても大事です。

例題は以上です。

そう言えば、この人の名前、覚えていますか?

頑張って思い出してみましょう。
見た目のイメージ、どんな第一印象を抱きましたか?
そして、どんなストーリーを作ったでしょうか…?

もしすぐに思い出せなかったとしても、しばらく考えてみることが大事です。これを繰り返さないと「思い出す筋肉」は鍛えられません。

さぁ答えを表示しますね。



はい、臼井さんでした。

もし思い出せなかった場合は、見た目の印象か、名前の語呂合わせか、作ったストーリーのどれかが弱いです。
どこが弱かったのかを分析して、再度強いイメージを作り直しましょう。
この繰り返しで記憶力が向上していきます。

練習方法

顔と名前の記憶は練習量で才能を上回ることができると思っています。
とにかく何度も実際に上記の覚え方で覚えることを繰り返し、それぞれのステップをより早く、より正確に行えるように練習しましょう。

僕が競技を始めた10年前は、実際に人の顔と名前を覚える練習をするのはかなりハードルが高く、タレント名鑑で問題を自作したり、地方のテレビ局や市議会議員などのホームぺージを見て初見の人の顔と名前を覚える練習をしたりしていました。
しかし今はメモリースポーツもデジタル化して無料で練習問題ができるようになりましたし、生成AIのおかげで顔写真や名前も自作できるようになりました。練習し放題の良い時代です。

とは言え最もオススメできる練習方法は、自分の身の回りの人を1人でも多く覚える練習をすることです。
後述する練習サイトで覚えることももちろんできますし効果的ですが、何より「興味がある人」「覚えることによって自分が得する可能性がある人」の方が覚えやすいですし、実際に覚えて得られるメリットも大きく、モチベーションが高まります。

中高生であれば、自分のクラスや学年の友達を誰よりも多く、早く覚えてみましょう。大学生であれば学年全員を覚えるのが難しい学校もあると思うので、大人数の授業などで被った生徒をなるべく覚えてみてください。
社会人であれば、同じ会社のメンバーを1人でも多く覚えてみましょう。取引先の方の名前も毎回覚えて、復習するようにしましょう。

全員に対してしっかり見た目の印象を捉え、名前や役職・部活をイメージ化し、面白いストーリーを作るのです。そしてその作ったストーリーやイメージを名簿や名刺に書き込んでおき、定期的に復習します。
このステップを何度も何度もやることによって、新しい人に出会った時に作れる速度と強度が増していきます。

さて、それでも実践の場が足りない方へ。あるいは練習が難しく、習慣化しない方へ。手前味噌ですが、先ほど紹介した「カオナマエ」というスマホアプリをぜひ使ってください。

カオナマエは顔と名前を覚える専用の脳トレアプリです。
僕が経営しているメモアカという会社で開発しているアプリで、現在ベータ版で機能がまだ少ないですが、確実に効果があるトレーニングを提供しています。

先ほど挙げた3つのステップですが、どれも異なる能力を必要とします。自分がどれが得意で、どれが苦手かを把握することが効率的なスキルアップには不可欠です。得意なものばかりを伸ばしても仕方ないですよね。

顔と名前を覚えるというのは、3つのステップ全てをクリアして初めて1人覚えられるという記憶なので、得意な領域を伸ばすよりも、苦手な部分を改善していく方が効果が大きいです。
なので、まずは何が苦手かを把握して、そしてその能力だけを鍛えるトレーニングを集中して行うことが大事です。

カオナマエでは、3つのステップに求められる能力をそれぞれ以下のように名付けました。

①覚えたい人の顔や服装などの見た目の印象を考える。
→カオ認知力

②覚えたい人の名前から何かイメージを連想する。
→ナマエ連想力

③見た目の印象と名前のイメージを結び付けて、1つのストーリーを想像する。
→イメージ結合力

カオ認知力、ナマエ連想力、イメージ結合力、この3つのスキルを鍛えることが顔と名前の記憶力の向上に繋がります。
何度かプレイすると自分の能力値が測定されるので、足りない部分を鍛えるミニゲームをやりましょう。

これは僕の能力値です

例えばカオ認知力が足りない人は、制限時間内にたくさんの顔を覚える「みたカオどれ」というミニゲームがオススメですし、ナマエ連想力が足りない人は、名簿にある日本人の名字を覚える「なかった名字は」というミニゲームがオススメです。

「なかった名字は」のプレイ画面

そしてある程度鍛えられたな、実践的な練習をしたいなと思ったら「今日のテスト」を行いましょう。
先ほど例題でお見せした「名刺交換」をモチーフにしたゲームになっていて、5人の「顔、会社名、役職、名字」を覚えるという超実践形式のゲームになっています。これを定期的に行うことで、自分の顔と名前の記憶力がどの程度向上したかを測る腕試しができます。

カオナマエのミニゲームを使った苦手分野の練習、今日のテストを使った実践的な練習、そして実生活で関係ある人を片っ端から覚えて復習して長期記憶に残す練習、これらを繰り返し行えば、必ず顔と名前の記憶力は向上します。

そもそも顔と名前の記憶を練習しようという発想が普通は無いですし、継続して練習している人なんて世界にごくごくごくわずかしかいないので、やるだけで立派です。
顔と名前の記憶を武器にしたいのであれば、日々継続して練習しましょう。きっと他の人と大きな差が生まれると思います。

もう少し深掘りして練習のコツをお伝えすると、実生活では特に「カオ認知力」の練習は難しいかもしれません。
顔や服装などの情報は単純に言語化できる訳ではないからです。例えば二重の人を見た時に「二重だな」とラベリングした際でも、それ以外の情報も脳には記憶されています。視覚で見ている情報なので、完全に全てを言語化して脳に保管しているのではないのです。
仮に「二重」というだけを覚えているのだとしたら、他の人を見た時に「二重」という情報を付与したら混ざってしまって覚えられませんよね。でも実際には「二重」という情報に加えて何となくその人の顔情報を思い出すことができます。

どこまで情報を削ぎ落して言語化しても記憶として残っていて、他の人と区別できるかというのはかなりレベルが上がらないと身に着かない感覚かと思います。なので、初めのうちはあまり気にせず、第一印象をとにかく言語化することに努めて、他の練習しやすい「ナマエ連想力」と「イメージ結合力」を実生活ではより意識すると良いと思います。

実生活で意識することとしては、初見の方の名前を聞いた時にとにかく素早くイメージ化することです。そして、会社名や役職、職業や部活なども全て言語情報なのでイメージ化しやすいため、これらもなるべくイメージ化してストーリーに組み込む癖を付けると効率的にスキルアップできると思います。

外国人を覚える練習方法

例題で1人取り上げましたが、外国人を覚えるのはさらに難しいです。
日常で交流することが少ない場合はより難しいでしょう。カオ認知のパターンが少ないのと、ナマエ連想の語呂合わせがしにくいためです。

イメージ結合力自体は日本人の顔と名前の記憶で鍛えれば問題無く外国人でも使えるので、意識すべきは特に「ナマエ連想力」の部分です。

例えば外国の小説を読んだり、映画を見たりしたときに、登場人物の名前を毎回すぐにイメージ化するように努めてみてください。それだけで語呂合わせの実践回数が増えると思います。
実生活で外国の方と自己紹介し合う機会はなかなか無いと思うので、架空の人物で良いので練習しましょう。

また、語呂合わせのストックを増やしていくことも大切です。極論先ほどの「エリアンドラ」さんも、そもそも知り合いで「エリアンドラ」がいたら一発でイメージ化できますし、そこまで行かなくとも「アンドラ」という国を知っていたら少ない分割でイメージ化できます。
このように、カタカナや外国の知識量を増やすこともナマエ連想力の向上に繋がります。
海外スポーツや洋楽、洋画、世界史の勉強、何でも良いので外国人の名前に触れる機会を増やして、知識を増やしてください。好きなジャンルの人物なら覚えられるはずです。
実際メモリースポーツの顔と名前を覚える世界記録保持者も、スポーツが好きで世界中の選手を応援していたら名前のストックが増えて覚えるのが簡単になったと言っていました。

外国人を覚える場合は、メモリーリーグというオンラインのメモリースポーツ練習サイトを使うのが効果的です。

この中に「International Names」というミニゲームがあるので、設定を日本語にすることで、カタカナで外国人を覚える練習ができます。無料でも1日3回はできるので、定期的に練習してみてください。
レベルアップもあって世界ランキングも反映されるので、ゲーム感覚で楽しめると思います。

自分を覚えてもらう自己紹介

視点を変えた話をしてこの章を終わりにします。
他人の顔と名前を覚えるコツが分かるということは、逆に自分を他人に覚えてもらうための方法も分かるということです。

普通の人は3ステップを知らないでしょうし、意識して覚えようとはしていないと思うので、「無意識のうちにイメージ化された状態で相手に情報を届ける」というのがポイントになります。

効果的なのは、自分の名前をイメージ化した状態で自己紹介するということです。名字や名前の由来を紹介しても良いですし、芸能人の〇〇さんと同じ名前ですなどとイメージ化のヒントを一緒に言ってあげるのも良いと思います。
例えば僕は平田と言いますが、「新たな記憶の扉をひらいた平田で覚えてください」と言ったり(今考えたら結構ダサいかもしれない)、下の名前が直也ですが「素直で男らしくという意味で直也です」と由来を言ったりすることでイメージ化のヒントを伝えています。
名字や名前に色が入っている人はその色のアイテムを服や身の回りに着けていると、それを伝えるとかなり強烈に覚えてもらえますね。
やりすぎると場にふさわしくない可能性があるので、TPOに応じて使ってみてください。

以上が僕が10年間で編み出した本気で顔と名前を覚える方法です。
これからはさらにその先のステージを目指す方に向けた内容になります。興味のある方はお読みください。

超応用編:顔と名前の記憶で日本トップレベルを目指す方へ

顔と名前の記憶を武器どころか競技レベルでできるようになりたい方に向けて、できる練習方法や工夫をお伝えします。

覚え方自体は変わりません。先述の3ステップを高速で精度高くこなしていくだけですが、事前の努力によって高速化できる部分がいくつかあります。それをやりましょう。
もちろん圧倒的な努力量は必要なので、毎日カオナマエやメモリーリーグをプレイして試行回数を増やしてください。

名字ランキングトップ100を覚えて、全てイメージ化しておく

まずは日本人の顔と名前を覚える能力を鍛える方法です。
カオ認知力は成果を測るのが難しいのでカオナマエで鍛えるとして、ナマエ連想力とイメージ結合力は事前の練習量が重要になります。
イメージ結合力は「ストーリー法」を鍛えることで一気にスキルアップできるので、別途記憶術の練習をしてください。

ライバルと差を付けるのは「ナマエ連想力」です。これは特定の記憶術の練習をしただけでは不十分で、個別の名前に対してパターン化しておくことで大幅に時間短縮ができます。

世界に存在する名前を全て事前にイメージ化しておくことは現実的に不可能ですが、頻出の名前や文字列をイメージ化しておくことは可能です。また、そうしておくことで、初見の場合でも既にパターンを持っているものを組み合わせて素早く即興でイメージ化できる場合も増えていきます。

日本人の記憶力を上げたい場合は、まずは名字のパターン化が有効でしょう。

こちらのサイトを参考にして、日本人の名字ランキング100位の名字に対して全てイメージ化を行ってください。
そして可能であれば場所法などの記憶術を使って、順番ごと覚えましょう。

場所法については本noteの趣旨からズレるので詳しくは説明しませんが、動画で過去説明したことがあるので貼っておきます。

名字のイメージ化は例えば、
・佐藤→砂糖
・鈴木→イチロー選手
・高橋→橋が高いところにかかっている
・田中→アンガールズ田中さん
・伊藤→糸

などと事前にイメージ化を考えることができます。この時の注意点としては、全部を有名人や知り合いにしないということですね。
人が多すぎるとその人を覚え分けることをしないといけないので結構大変です。多くても半分以下にすると良いと思います。

日本人の名字ランキング100位に含まれている名字の人口を合計すると約4000万人になると言われていて、これは日本の総人口の約32%になります。
つまり、日常生活で出会う人の3人に1人は既にイメージ化された名字になるので、一瞬で名前を連想することができるということです。

もう少し欲張って200位まで覚えると、人口の約43%をカバーできます。
僕は記憶力日本選手権大会に臨んでいた時は200位まで全て暗記し、事前にイメージ化をしていました。そのおかげでトップのスコアを出すことができました。

ランキングを丸ごと覚えることで、すぐには名字を思い出せなくても、1位から順に総当たりすることで思い出せる可能性はぐっと上がります。実生活ではそんな時間は無いと思いますが、競技では有効です。

下の名前にも予めイメージを付けておく

名字と同じ発想で、下の名前も予めある程度イメージを付けておくと速いです。こちらも日本人の名前を覚えることを想定しています。

ただ、下の名前はランキングごと覚えるというより、頻出の「漢字」に対してイメージを付けておくのがオススメです。
まず時代によってランキングが大きくことなるということと、名前は特によく使われる漢字があるというのが理由です。

例えば2024年の男の子の赤ちゃんの名前ランキングでは、「陽翔」や「朝陽」など「陽」の字が多かったり、「颯」や「颯真」など「颯」の字が多かったりします。
これらを見て、頻出の「陽」や「颯」などの漢字に対してイメージ化をしておくのが良い練習になります。

そして少しイレギュラーですが、覚えた名前のイメージ化が有効かをチェックするためにメモリーリーグのNamesをやりましょう。

世界中の顔が並んでいるので結び付けに初めは違和感があるかもしれませんが、すぐに慣れます。慣れたらナマエ連想力とイメージ結合力を上げるとても良い練習になります。
International Namesと同じでレベルがあって世界ランキングもあるのでどんどん練習して順位を上げてください。

外国人の名前にも事前にイメージ化をすると世界最強になれる

日本人の名前は馴染み深いし、日本人だけをやれば良いので対策がやりやすいです。
ただし、世界トップを狙うのではそれでは不十分です。あらゆる国の名前パターンの対策を行いましょう。

これは膨大な範囲と深さが必要なので、メモリースポーツの選手と言えども対策をしている人はほとんどいません。みんながやりたがらないことをやると、相対的な順位は上がります。本気で世界トップを狙いたいならやると良いでしょう。

やみくもにやっても仕方ないので、結局はコツコツ知識量を増やしていくしかないと思います。
本気で覚えるやり方で紹介した「外国人のスポーツ選手や登場人物などを覚えていく」というのも良い手ですし、「メモリーリーグのInternational Namesで出題された名前をストックして片っ端からイメージ化していく」というのも良いと思います。
とにかく触れる量を増やし、イメージ化を繰り返し、即興力と知識量を増やしてください。

この記事は世界トップレベルの競技者の方のブログです。
名前を書いて、耳でも聞いて覚えるという驚異的な努力をしています。このくらいしないと世界トップにはなれません。

また、人名に対する理解を深めるのもイメージ化の助けになります。

僕はこの本を読んで勉強しました。

このように色んなアプローチがあり、現在進行形でトップ競技者たちが試行錯誤しています。ここまで来れば立派な「顔と名前の記憶マニア」です。楽しくて奥が深い世界ですよ。

終わりに

ここまで、3つのレベルで顔と名前の覚え方を紹介してきました。
特に2つ目の本気で覚えるやり方と、3つ目の超応用編は、僕が10年間顔と名前の記憶を練習し続けて得られた知見を注いだので、分量も多くなってしまいました。お読みいただきありがとうございます。

最後に、今の時代にそもそも人の顔と名前を覚える必要ってあるの?という話をしたいと思います。

完全な未来予測はできませんし、生き方も文化も価値観も大きく変わっていくことにはなると思いますが、僕は今の時代でも、今の時代だからこそ人の顔と名前を覚えられることは重要になると思っています。

電話番号をわざわざ覚える必要が無くなったように、管理の仕方を工夫すればいくらでも顔と名前の情報は外部に保存しておけます。人の顔と名前を自分の脳で覚えておく必要が無い時代には間違いなくなるでしょう。もうなっているかもしれません。
覚える必要の無い時代だからこそ、覚えているということは「私はあなたに興味/好意があります」という意思の現れになるのではないでしょうか。そうするとプライベートでも仕事でもより良い関係を築く一助になると思います。

ARグラスを掛ければすれ違う人の名前が瞬時に出てくる世界にならない限り、意外とさっと調べることは難しい場面も多いです。道端や会社でたまたま出くわした時に、すぐ名前を思い出せると相手は嬉しいと思います。そういった嬉しさの積み重ねが人間力として評価され、良い関係、良い仕事に繋がっていく可能性は低くないと思います。

また、このような実用的な面以外でも、顔と名前の記憶力を向上あるいは保つことは自分の能力に対しての自信に繋がります。これはマインド的にかなり重要なことだと思います。
顔と名前を思い出せないことが続いた時、人は落ち込みます。自分の能力の低さに、あるいは老いを感じて、悲しい気持ちになるでしょう。たとえデバイスが解決してくれたとしても、それは自分のおかげではありません。誰かの技術のおかげです。

自分で道具に頼らず顔と名前を覚えることができたら、自分の脳に、能力に自信が持てます。成功体験になります。子どもであれば性格形成に大きな影響を与えるかもしれませんし、シニアであれば認知症の予防になるかもしれません。誰であっても、日々が少しだけ明るくなると思います。
別に顔と名前じゃなくても良いです。何でも良いから、自分のスキルが上がっているという実感を持つことは、精神的に良いことだと僕は思います。顔と名前はほぼ全員が「自信が無い」状態がデフォルトなので、ある程度の練習が必要なものの、効果は感じやすいかもしれません。

だから、僕はどの時代にあってもこの能力は鍛えて損は無いと思っています。少なくとも僕は、練習を続けていて良かったと心から思っています。

今回の記事が、誰かの助けになればとても嬉しく思います。
みんな、顔と名前の記憶を鍛えましょう!


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