クミ編 第4話:ホテルのシーツの上で、“強い女”の鎧を全部脱いでしまった夜を思い返す。
部屋の窓から、雨に濡れた夜景が静かに広がっていた。
照明は落とされ、柔らかな光だけが二人を照らす。
部屋は二人の息遣いだけで満ちていた。
ユウキの腕が、クミを優しく、でも確かな力で抱きしめている。
クミはユウキの胸に顔を埋めたまま、目を閉じた。
体が熱く、息が乱れている。
ユウキの心臓の音が、クミの耳に直接響く。
ゆっくり、規則正しく、でも少し速い鼓動。
ユウキはクミの顎を優しく持ち上げ、目を見た。
穏やかな目、優しい笑顔。
クミは目を閉じ、唇を軽く開いた。
ユウキの唇が、ゆっくりとクミの唇に触れる。
柔らかく、優しく。
クミの体が、びくんと震えた。
キスは、浅く、深く、ゆっくりと深まっていく。
クミの指が、ユウキのシャツを強く握る。
布地が、クミの手の中で少ししわになる。
ユウキはキスを続けながら、クミの背中を優しく撫でた。
クミの体が、熱くなる。
吐息が、唇の隙間から漏れる。
「ん……」 小さな声が、部屋に響く。
ユウキはクミの耳元で、低く囁いた。
「クミさん……もっと、感じて」
クミは目を閉じたまま、ユウキの胸に顔を寄せた。
体が熱く、心が満たされる。
この温もりが、クミの乾きを溶かしていく。
ユウキの指が、クミの首筋をなぞり、鎖骨へ滑る。
クミの体が、びくびくと震え、吐息が漏れる。
「はぁ……そこ……」
クミの声が、かすかに震える。
ユウキは焦らず、クミの肩を優しく撫で、背中を撫で下ろした。
クミの肌は熱くなり、汗ばむ。
クミは恥ずかしがりながらも、ユウキの胸に顔を埋めた。
この人となら、全部預けてもいい。
ユウキは低音で優しく囁く。
「いいよ。全部、俺に預けて」
クミは目を閉じ、ユウキの胸に身を委ねた。
体が熱く、心が満たされる。
この夜は、溶け合っていた。
朝の光が部屋に差し込む頃、クミはゆっくりと目を開けた。
ユウキの胸に寄りかかったままの体が、まだ昨夜の熱を残している。
シーツの下で肌が触れ合い、温もりが静かに伝わってくる。
クミは動かず、ただその感覚に身を委ねた。
ユウキはすでに起きていて、キッチンで紅茶を淹れていた。
香りが部屋に広がる。
ユウキはカップを手にクミの元へ戻り、微笑んだ。
「おはよう」
クミはゆっくり体を起こし、カップを受け取った。
紅茶の温かさが、手から体に広がる。
胸の奥が、静かに満たされる。
この人となら、創作も人生も、もっと色づきそう。
クミは小さく微笑んだ。
「……おはよう」
朝の光が、二人の顔を優しく照らした。
新しい一日が、始まった。
——これで、クミ編は完結です。
(クミ編 第4話 終わり)
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