「ねこのコゴロウ、家を探す。」
ねこのコゴロウが、「家をください」と言った。
私は足音を立てないようにスリッパを脱ぎ、コゴロウの顎の下をもふもふとなでる。
そして、「何を言っているの。ここが家よ」と答えた。
「ちがうんです。ここは、光世の家でしょう?そうじゃなくて。
私の家がほしいんです。
うんと落ち着ける、家がほしいんです」
コゴロウは、目をうっとりとさせながら言った。
「うーん。なるほど……」
私は、鼻の頭をかきながら考えた。頭をぐりぐりして考えて、肩を回して考えた。でも、コゴロウがここだと思える家が何なのかは思いつけなかった。
「一緒に、探しに行こう。きっとコゴロウが落ち着ける家が見つかるはずよ」
「ありがとうございます」
こうして、私たちは家探しの旅に出た。
最初に辿り着いたのは、魚の形の家だった。大きいのも小さいのも、中くらいのも揃っている。
大きい魚はクジラ。広い玄関が魅力的。けれど、柵のように並ぶ歯が怖くて入れない。
小さい魚は煮干しになっている。どの部屋からも良い香り。だけど、美味しすぎて無くなっちゃった。
中くらいの魚はブリ。玄関も部屋もちょうどいい大きさ。歯もそこそこで、ちょっと食べてもまだ残っている。どうやら、ここが一番良さそうだ。
「どう?ここにする?」
私は良い家が見つかったと、ほっとしながら聞いた。
けれど、コゴロウは
「いいえ。お腹がパンパンになってしまうから、やめておきます」
と口の周りに魚の身をくっつけながら言った。私が振り返ると、中くらいの魚の家も大きい魚の家も、骨だけがポツンと建っていた。
「そう」
私とコゴロウは、ぽてぽてと歩き始めた。
次に見つけたのは、ボールの家。色んな種類があって迷っちゃう。
鈴入りボールは綺麗な音。けれど、玄関でリンリン。リビングもシャンシャン。トイレだって、リンリンシャンシャンシャン。たまらなくなって、外に出た。
スーパーボールは、弾んでいて楽しそう。ピョンポンビョンボン!だけど、跳ねてどこかへ行ってしまった。
毛糸ボールは、カラフルで温かい。音は鳴らないし、跳ねもしない。どうやら、ここがいいみたい。
「どう?ここにする?」
私は、にっこりしながら聞いた。
けれど、コゴロウは
「いえいえ。これは楽しすぎるから、やめておこうと思います」
と前足に毛糸を絡ませながら言った。私が糸をたどっていくと、毛糸ボールの家は崩れて糸になっていた。
「そう」
私とコゴロウは、てとてとと歩き始めた。
「よい家、見つかるでしょうか……。うんと寝転べて、たんと食べられて、むんと暖かい家がいいんです」
コゴロウが前足で地面を蹴りながら言った。
「うんと寝転べて、たんと食べられて、むんと暖かい家……」
そう繰り返し呟いた時、私はピピピーンと思いついた。
「あるよ。コゴロウの希望通りの家、あるよ」
「え!どこ?どこにあるんですか?」
「ついてきて!」
私は、サッサカと歩きだした。コゴロウもパタパタとついてくる。
そして私は、
「この家だよ。きっとコゴロウは気に入るよ」と一つの家を指差した。
コゴロウは恐る恐る入っていった。
玄関から続くリビングは、とても広い。四本足をグググーっと伸ばしても問題なし。
私は隙間から、コゴロウが大好きな鶏ささみをそっと置いた。嬉しそうに食べる音が部屋中に響く。
木でできている頑丈な机。その上から布団がかけられている。コタロウはぬくぬくと目を閉じた。
その様子を私は目を細めて見守る。
「やっぱり、こたつが一番よね」と呟きながら。
私は家へ。コタロウはこたつへ。
それぞれの家で、心置きなく過ごすのである。
イラスト(POP)付きでお願いします🙇


すごいことです🏠️
参加させていただきたいです🙇
この家いいなぁ。
間取りも日当たりも良いですね。うんうん。ここにします!
そんな感じで、リアルハウスは決めました。
その頃、娘は一歳四ヶ月。まだ歩いてなくて、抱っこ紐からじっと引越し作業を見ていました。
懐かしい。
今週から小学二年生。
大好きなお友達と同じクラスになれて、娘も私も一安心。
なんのはなしですか。
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読んで読んでPOP、書いて書いて物語!ありがとうございます(人*´∀`)。*゚+