無名の大学生が世界的ベストセラー作家になるまで 〜 『サードドア 精神的資産の増やし方』
キャリア人生の第一歩って、どうやって踏み出せばいいんだろう?
経験がない。実績もない。名前も知られていない。だけど経験や実績がなければ、そもそもの打席に立たせてもらえない。
成功者たちはそんな最初の壁をいかに突破して、どうやってチャンスの扉をこじ開けたんだろう?
わからない。答えてくれる本も見つからない。だったら直接、各界の成功者に会って聞いてみよう。
・・・今から15年ほど前に、そう思い立った大学生がいました。
『サード・ドア: 精神的資産のふやし方』の著者、アレックス・バナヤンです。
キャリア人生の入り口に立っている人にも、こじ開けたいドアがある人にも、あるいは単純に面白い読み物を探している人にも、ぜひオススメしたい一冊です。
大学1年生の時、著者はある「ミッション」に目覚めます。それは、「成功者たちがどうやって最初の一歩を踏み出したか聞き、同世代にシェアする」というもの。
そしてビル・ゲイツやレディー・ガガ、アップル共同創業者のスティーヴ・ウォズニアック、ザッポスのトニー・シェイ元CEO、司会者のラリー・キングといった面々に会い、話を引き出します。
・・・そう聞くと、この本、インタビュー集だと思うじゃないですか。
この本の目玉は、ビル・ゲイツやレディー・ガガへのインタビューなのかなって。
いやいや、とんでもない。
もちろん、インタビューも載っています。
けど、インタビュー慣れする前に臨んだビル・ゲイツとの面談では、あまり上手く話を引き出せずに終わってるし。
レディー・ガガに至っては、数日一緒に過ごして濃い経験ができたものの、いろいろあってインタビュー自体は実現してない。
だから、本書のメインディッシュはそこじゃないんです。
じゃあ何がメインディッシュなのか。何が本書を世界18カ国刊行のベストセラーに押し上げたのか。
それは、彼自身がドアをこじ開けていく過程。その物語、著者の冒険自体が最大の魅力なんです。
たとえばビル・ゲイツにインタビューを申し込んだのが、イーロン・マスクだったら。ニューヨーク・タイムズの記者だったら。ローマ教皇だったら。難なくアポはとれそうですよね。
でもそれが、どこの馬の骨ともわからない無名の大学生だったらどうか。
普通は断られる・・・というか、返信さえもらえない可能性が高い。
もちろん本書の著者も、色んな人にアプローチしては断られ、散々みじめな思いをします。
だけど行動を続け、立ちはだかる関門をクリアしていくうちに道が開け、インタビューに成功し、ついには出版にこぎつけて世界的ベストセラーになる。
そこに至るまでの物語が、とにかく面白いんです。
「まだ何者でもない人間が、最初の壁を突破してチャンスをつかむ方法」を考える上で、これ以上のケーススタディを私は知りません。
もちろん、各界の著名人が語ってくれた話に、価値がないと言いたいわけじゃありません。
けど、名だたる有名人のインタビューも霞んでしまうほど、この著者自身の物語が面白くて示唆に富んでいる。彼の行動も、失敗も、学びも、メンターからのアドバイスも、「あ、そこまでさらけ出しちゃうんだ?」ってくらい赤裸々に書かれているから。
たとえば、せっかくGoogle共同創業者のラリー・ペイジと同じトイレに入れたのに、思わず一番離れた便器を選んでしまい、自己紹介すらできなかった話とか。
スティーブン・スピルバーグに連絡先を聞いてもらえたのに、名刺を渡しそびれた話とか。
ウォーレン・バフェットにインタビューを断られ続けた挙句、株主総会の質疑応答で起死回生をはかるも、大恥かいて終わった話とか。
じゃあ著者は一体どうやってそこから這い上がったのか。彼の「ミッション」を成功に導いたものは何なのか。
ネタバレになってしまうので、ここで詳細をお伝えすることはしません。あえて言うなら、その「成功要因」は一つではないということ。
試しに私が「著者の旅から得られた学び」を挙げてみたら、10を超えるリストができました。
本書を読み終えた時、皆さんの手元にはどんな学びが残るでしょう。ぜひ著者と一緒に冒険の旅に出て、確かめてみてもらえたらと思います。
