「模写だけでは、自分らしいものは作れない」
私は昔から、物語を考えたり絵を描いたりするのが好きだった。
でも、「面白いもの」を作ろうとしても、なぜか人に伝わらない。
自分でもどこかぼんやりしている。
そんな感覚がずっとあった。
転機になったのは、大学で大塚英志先生の授業を受けた時だった。
そこで教わったのが
「シナリオには骨組みがある」
という考え方だった。
当時の私はかなり衝撃を受けた。
物語は才能やセンスだけで作るものだと思っていたからだ。
でも実際には、
・なぜこの場面で感情が動くのか
・なぜこの順番で情報を出すのか
・なぜこのキャラクター配置なのか
そういった“構造”が存在していた。
そしてそれは、絵やデザインも同じだった。
描くことはできる。
でも、骨組みが定まっていない絵は、人の心を掴みにくい。
逆に、骨組みを理解すると、
「何を伝えたいのか」を整理できるようになる。
私は模写そのものを否定したいわけではない。
模写から学べることは本当に多い。
でも、ただ真似するだけでは、
「なぜその表現になるのか」が分からない。
すると、次に別の依頼や表現を求められた時、応用が効かなくなる。
骨組みを知るというのは、
単に技術を学ぶことではない。
自分の思いを、相手に届く形へ翻訳するための道具
なのだと、私は思っている。
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