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『戦場カメラマンの仕事術』を読んだ感想メモ

渡部陽一の『戦場カメラマンの仕事術』を読んだ。
2015年に書かれたモノだ。

テレビ番組で見せる穏やかな語り口からは想像できない、骨太な現場主義の書だった。著者が実際に戦場の最前線に赴き、危険と隣り合わせの取材活動を続けてきた姿勢が全編にわたって貫かれている。

本書の魅力は、抽象論に終始せず、実務的なノウハウが具体的に記されている点で、現地で信頼できるガイドの選び方、通関時の持ち物チェックの工夫、現場で文化を尊重する立ち振る舞いなど、経験者だからこそ語れる細やかな知見が惜しみなく開示されている。

目次

同時に、文化理解と人間関係構築の重要性を強調する姿勢にも好感が持てる。戦場という極限状況であっても、相手国の文化や習慣を尊重し、人として誠実に向き合うことが取材活動の成否(ときには生死を)を分ける──その哲学が随所ににじんでいる。
※マラリアに罹ったエピソードは身の毛がよだった…死ななかったのが不思議なレベル

著者の「純粋さ」「誠実さ」「真面目さ」「マメさ」が印象に残った。ジャーナリズムだけではなく、広く取材に関わる人ならきっと刺さる部分は多いはずだ。

冒頭には写真も

情報が氾濫する現代において「現場を自分の目で見ること」の大切さを再認識させてくれる。派手さはないが、地に足のついた実学の書である。渡部陽一という人物の奥深さに触れつつ、仕事術の核心を学びたい読者にこそ薦めたい一冊だ。

渡部陽一さんは、大学生の頃から単身アフリカに渡り、精力的に活動する過程で戦場カメラマンにの道を選んだ。最初からそういった意思があったわけではなく、徐々に決意を固めていったそうだ。

バナナを仕分けする過酷なバイトで渡航費用を稼ぎ、現地に飛び、資金が尽きるまで活動してバイトしに帰国する…というループを何度も重ね、30歳半ばを超えてようやく食えるようになったという物語もすごい。フリーなので常にひとり。夜に異国の地のテントの中で「自分はカメラマンとしてやっていけるのか?」と不安に苛まれることもあったとのこと。並の精神力ではとっくに心が折れていたと思う。

自分はけっして戦場カメラマンになりたいとは思わないが、ここまで自分の意志に正直に、まっすぐに、継続している姿は「職業人として、うらやましい」と感じた。

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