所沢ミューズ アークホール 〜美しく個性的な音響が生まれる秘密〜
*2026 8/9にAI評価をchatGPTからの出力に変更
*2025 11/28 <AI評価>を末尾に記載しました。
私には建築の専門知識はありません。
けれど、建築を作品として鑑賞する際に必要な(作品説明を理解するのに必要な)最低限の知識をもってしても、所沢ミューズ アークホールはユニークなホール建築だと言えるのです。
現在のようにホール内の音の反射をシュミレーションできない時代の経験値によるこだわりが詰まっていて、たぶんこういうホールはもう現れない気がしています。
そもそも、私はパイプオルガンが設置されているステージと客席の天井が共有されているホールの「ピアノの音」が余り好きではありません。
代表的な例としては、オペラシティホールとサントリーホール。
今まで角野氏のコンサートで一番好きな音響だったのは、上田サントミューゼです。
自分にとって初角野氏のコンサートだったオペラシティホールの1階10列目ではまともに鑑賞ができなかったことをnoteには記しています。
下記はピアノに関してだけのもので、いずれのホールもオーケストラの音(弦楽器や吹奏楽器)は素晴らし句齧られました。
他のホールとどう違うのかを明確にするために資料として記載します。
ホールの音響に対する印象
●オペラシティコンサートホール
1階席がフラットで傾斜がなくステージが高め
周囲の壁が木製、天井は必要以上に高い
ステージ上には天井に平面型の反響版有
↓
1階はピアノの底から響くワンワンした音がメインで、メロディやタッチが明瞭に聴こえない
2階のステージ近いサイドバルコニー席は最高!(オーケストラとしてのバランスは不明)
2階の正面席は天井からの反射音のほうが強い
3階の正面席はステージからダイレクトに音が飛んでくる印象はあるものの、音圧は弱い
●すみだトリフォニーホール
ステージも高めで1階はフラット。
1階がフラットにも関わらず2階・3階の傾斜に合わせて天井も傾斜している
↓
音が後方の上部に流れる様な設計になっていると考えられる
ピアノ下からの籠る音と上からの音とのズレがひどくメロディすら判別が難しいほど一方、2階の前面席やバルコニー席のコンディションは抜群に良い!
とにかくここは2階か3階に限る
●サントリーホール
1階席には傾斜有りステージが低め
周囲の壁面はステージ上は2階席から木製、客席側は3階席の中腹まで大理石で最上階から天井にかけては木製
↓
ピアノの音の明瞭さは調律でカバーできる範囲ではある
1階は大理石壁面によるダイレクトな音の反射がディレイとなり煩わしい
特定の周波数においては、後から音が聴こえてくるほど顕著
2階は未経験だが、石に囲まれていない前列中央部は良音の可能性がある一方、とにかく壁面の石に近い場所は雑味がある
3階は前方よりも壁面が木製に変わる最上階後方の方が雑味がない
●所沢ミューズ アークホール
1階席は前面はフラットなものの後半は傾斜あり
天井はパイプオルガンギリギリで余り高くない
椅子や2階の柵の間からも音が通る様に穴が空いている
ステージ後方だけ大理石で他は白い塗り壁と何の意味があるのか不明な柱に挟まれた少し奥まった空間
なぜか均等スパンで柱と庇があり、少し奥まったスペースが設けられている
↓
1階でもピアノ演奏は未経験ですが、階もピアノの音がダイレクトに飛んでくる感覚がある
しかも、金属的なシャープな音が感じられつつも、サントリーの様な「反射による雑味」がない
一方でやわらかな響きも感じられ多様な音質や倍音的な響きも感じる
所沢ミューズアークホールの建築
所沢ミューズには全体の建築仕様が記されているページがありますが、他のホールは残響や内壁財への記載はあるものの構造は記載がありません。
この建築がいかに構造にこだわっているかがわかります。
鉄筋コンクリート造 一部鉄骨の混合=SRC
鉄筋コンクリート造=RC
鉄骨造=S造
初めてこのホールで小曽根真氏を聴いた時にも他とは全く異なる音響に驚いたのですが、約一ヶ月後に聴いたクリスチャン・ツィメルマン氏の演奏でもやはり同じ様な特別な音響に聴こえました。
第一部1曲目「Times Like These」は聴いたことがない様な水琴窟や洞窟の中の水面に水が垂れるような金属質に近い硬い響きだったのですが、サンバの曲とおっしゃった「Flores DoLirio」では、響かずにピアノからのダイレクトな音が中心に届いてきます。
弱音でも「響き」として感じるものがあったり、籠った音色のまま響いていましたし・・・音量と残響とは直結しておらず、残響に質感まで明確な違いが生じていることには本当に驚きました。
ご登場早々にはリハーサル時に感じられた響きの良さについて語られていましたが「即興的演奏」として、響きの違いが感じられるような演奏をされたのかもしれません。
2階席でしたが、とにかく最初の音が目の前で演奏されている様に聴こえてきて驚きました。
小曽根真氏の時に感じたような、金属的なクリアな音とミュートピアノの様な温かく包まれる様な質感など、音の強弱以外の様々な質感が感じられるのは本当に驚き!
角野氏のチケットを購入するにあたり所沢ミューズの会員になったため、9月に行われた石丸由佳「 オルガンの宇宙」を格安で観られる!ということで伺う際に確認してきました。
そもそもは建築を確認しようと行った訳ではなかったのですが、開演前にたまたまホワイエからトイレに向かう通路でなんとなく壁を触ってみたら、空洞の響く音がするのです。
そういえば、、、と、ホワイエの方向を振り向くと古い飛行機や航空基地をイメージしたのか、鉄骨が剥き出しの意匠です。

もしかして、この規模で構造もあえて鉄骨ってこと?!と超びっくり!!!!
トイレやホワイエの壁・ホールの壁などあらゆるところを叩きまくりました。笑
叩くと響きに空洞音がする場所は建築構造には無関係の薄いパネルで、住宅建材で使われる防音防熱効果のある内壁材(石膏ボード等)かと思われます。
ホールは音漏れを防止するために空気層を設ける二重構造のため出入口はどこも二重扉になっている訳ですが、いくら空洞になっているとはいえ、ホール壁面を叩いてその空洞がわかる様な薄い壁材が使われているなんて、2,000人規模のホールとしてはにわかに信じられませんでした。
(ちょっと安普請という感じもしないでもない)
躯体の建材は先に書いた鉄筋コンクリート、鉄骨、鉄筋と鉄骨の混合として三種類あるのですが、構造は2種類です。
壁全体で建物を支える壁構造と、柱で建物を支えるラーメン構造です。
ただし、鉄筋コンクリートは細い鉄筋をコンクリートで固めるため、ラーメン構造では太い柱を必要とします。
一方、鉄骨の場合はそれなりに強度を持つ鉄を柱とするために細くて済むのですが、重いということもあり、先ほどの写真のように穴があいていたりコの字型に整形されていたりする訳です。
ちなみに、アークホールの隣にある建物は鉄筋コンクリートだからこその太い柱になっています。

普通のマンションはほとんど鉄筋コンクリートです。
構造壁に内壁材が直接貼り付けてあれば響かず、パーテーション的に内壁財で区切られてい流だけの場合はコンコン響きます。
鉄骨造の場合は柱のある部分だけ響かずに他は響くことが多いです(内壁財あ何かによるので必ずしも響くとはいえません)。
鉄骨の大きなメリットは、柱さえ確保されていれば開閉口は自在に設けられるということです。
壁構造の場合、壁に大きな穴を開けてしまうと建物を支えられないのです。
大きな建築物の場合は、設計の自由度を上げるために混合で組み合わせていますが、阪神淡路大震災ではその継ぎ目で倒壊する建物が多かったと記憶しています。
その後は色々と技術も法律も進んでいるとはいえ、混合させる構造は素人が思うほど簡単ではないということのようです。
話はミューズアークホールに戻ります。
コツコツを試した結果このホール内は鉄骨+一部鉄筋コンクリートの混合です(内部素材は不明ですが構造材の柱は細い)。
1階が鉄筋コンクリート造・3階が鉄骨造。
ラーメン構造でホール内が鉄骨+一部鉄筋コンクリートですが、鉄筋コンクリートをホールの内壁材としてカウントすれば建物としては鉄骨造になるのではないでしょうか(素人なので性格なことは不明)。
しかも2階・3階は叩くと空洞的な音が響く(空間に漂う音は音漏れ=吸収する)住宅に用いるような内壁パネルが使われています。

赤=叩くと空洞の様に響く内壁パネルと思われる部分→音が空気層に吸収、または外に漏れる
青=叩いても響かないコンクリートだと思われる部分→音が反射する
コツコツ叩いて空洞の音が響くということは、ホールで鳴っている音もこの壁内の空気層に響いている→二重壁の内側にその音が吸収されているということになります。
もちろん、必要以上に多い木製柱と庇も多様な音の反響に一役買っていることでしょう。
いずれにしても、ホール周りの空洞がわかるほどの薄壁に驚愕したのですが、たしかに「籠った音色のまま響いてくる」という実感としては納得できる構造なのです。
たぶん、荷重を少なくするための工夫と音質の豊かさとの両方を志向したのでしょう。
サントリーホールも3階は音を反射しない木造なので、高い場所は音が反射し過ぎない方が良いのかもしれません。
しかしながら、表からはその建材の違いを感じさせない漆喰の様な美しい白い塗装が全体に施されています。
これだけでも十分に他とは異なる建築的特色と言えるのですが、金属質に近い硬い響きの謎は残っていますよね。
当初はステージ後ろに配された石によるものかと思っていたのですが、いやはやそんな理由でなかったのです!!!

実は前述した「必要以上に多い木製柱と庇」、実際に余り木材を用いてないにも関わらず、客席から見える景色としては「木材を多用している」ホールに見える意匠になっています。
パイプオルガンの左右に配されている円柱の台座に佇む彫刻やパイプのイメージがこの柱のイメージともつながっているので、ただの意匠だと思っていたのですが、、、とんでもない!
この柱に囲まれた凹みは、ホールを美しく見せるためのものではなかったのです。


音がよく通るが木材という程のボリュームではない
壁面建材を青と赤とに塗り分けた写真をもう一度見て頂きたいのですが、実は柱に囲まれた部分は白のままですよね。
実はこの壁の裏には金属板が使われている様な音がするのです。
超びっくり!こんなことってあるのでしょうか?!
(いや、あるからこそミューズの音響が特殊なのですけど 笑)
上記の動画が実際にコンコンした時の音です。
録音だとちょっとわかりづらいのですが、その気になって聴いてみてください。

最初に、なぜか鉄板そのものがありますが、これもまた特殊な役割を担っているので後ほど説明します。
その鉄板の右側はは裏に構造材があると思われ音は響きませんがコツコツなっているのは壁面はコンクリートではなく構造材の内側にボードが貼られている音です。
さらに右になっていくと、ワーンという空洞に響く金属的な音が豊かに感じられ、一部の音が壁面に吸収されつつもその空洞の中で金属的な響きが作られているという事になります。
壁から聞こえてくるので左右にある鉄板の共振ではなく、壁の後ろにあるだろう何かしらの金属が共鳴している訳です。
このパーツの数の多さからみればノーマルな壁面部分とほぼ同じ位のボリュームとなっています。
金属的な響きが発生する素材がホールに使われていとわかれば、当初感じた「不思議」は「納得」になる訳です。
一方で、金属的な響きが邪魔になる場合があるのでは?と思われる方もいらっしゃいますよね。
実はそこまで考慮してこのホールは作られているのです。
たぶん、コンサートのライブ録音ではこの響きは邪魔になる可能性がありますから。

実は叩いた金属部分は鉄の扉で、中には布のカーテンが収納されています。
たぶん、響きが邪魔になる時にはこのカーテンを閉めるのでしょう。
また、本来ならこの扉も完全に閉まる様に設計されているのにも関わらず、この日は全て開かれていたので、剥き出しの鉄板も音響効果の一要素として考えられている可能性があります。
このブロックでみれば鉄板部分はわずかなスペースですが、このホールにはたくさんの鉄の扉が設置されているのですから。

しかも、先に書いた様に2,3階席の柵もそこから音が通る様に網代編みですし、椅子にも丸穴が空いているのです。
以前、録音スタジオの写真を撮ったことがあるのですが、細かいところのつくりがそういうスタジオの様な気の使われ方なのですよね。
なんというホールなんだ〜〜!!!笑
ピアノの弦は金属です。
同じ素材の方が反響や共鳴が起こりやすいと考えれば、このホールでオーケストラの音量が大きくとも、ピアノの音が聴き取れなくなる事はないと思われます。
ただし金属的な音がクリアに響くということは、オーケストラの音と混ざり合うことで生まれる豊かな味わいが下手をすれば損なわれるということでもあります。
今回の「マリン・オルソップ指揮 ウィーン放送交響楽団 with 角野隼斗 埼玉公演」では、残念ながらピアノが際立つ音響環境がマイナスに働いた様に感じたという訳です。
この繊細ピアノの音がクリアに聴こえるホールで、9月に行われるオルソップマエストラ&NOSPR +角野隼斗氏のショパン:ピアノ協奏曲第2番がどの様に聴こえてくるのか、今から本当に楽しみです。
新_AI評価(Googleドキュメント)_chatGPT
AI評価(Googleドキュメント)Geminiでは論としての形式的整合性と安易な褒め批評にしかならないため、chatGPTによる新たなAI評に変更しました。
評論文自体は記録として残しておきます。
■AIによる全記事の概要と評価へのリンクはこちらからご確認ください
※鬼籍に入った歴史的人物は敬称略
■追記も含めたnoteの更新記録はこちらからご確認ください
