内向型をビッグファイブで読み解く。MBTI理論との違いって?
はじめに
内向型・外向型という概念は、MBTIが生まれるより前から心理学の世界に存在している。そしてMBTIとは別の枠組みで、この特性を研究してきた流れがある。その中心にあるのが「ビッグファイブ」と呼ばれる性格モデルだ。
ユング、MBTI、16Personalities、そしてビッグファイブ
まず、よく混同される3つを整理しておく。
「MBTIをやってみよう」と検索すると、たいてい最初に出てくるのが16Personalitiesというサイトだ。スコアが数値で表示されて、「外向性が43%」のように出る。グラデーションで自分の特性が見えるから、なんとなく科学的な印象を受ける。
でもあれは、厳密にはMBTIではない。
本家のMBTIは、心理学者カール・ユングの理論をベースに体系化されたものだ。ユングがもともと提唱した内向・外向という概念を、後から診断ツールとして形にした。そして本家の判定は、I(内向)かE(外向)かという二択で返ってくる。スコアではなく、カテゴリだ。
ここで出てくるのがタイプ論と特性論という考え方の違いだ。
タイプ論:人をカテゴリに分類する。INFPかENTJか、内向か外向か、どちらかに振り分ける
特性論:各特性をどの程度持っているかをグラデーションで測る。外向性が高め・低め、という連続した数値で捉える
本家MBTIはタイプ論だ。
16Personalitiesはスコアが出るぶん特性論っぽく見えるが、最終的にはタイプで結果が返ってくる。完全な特性論ではない。
そしてビッグファイブは、純粋な特性論として学術的に発展してきたモデルだ。
ユング→MBTIという流れとは別のところで、心理学の研究者たちが独自に構築してきた。現在、性格研究の分野で最も広く使われている指標のひとつになっている。
たとえ同じ「内向型」という言葉を使っていたとしても、MBTIとビッグファイブでは出発点も測り方も違う。ここを押さえておくと、この後の話が理解しやすくなる。
ビッグファイブの5つの次元
ビッグファイブは、人の性格を5つの次元で捉える考え方だ。
外向性(Extraversion):社交的か、刺激を求めるか
協調性(Agreeableness):他者への共感や協力の傾向
誠実性(Conscientiousness):計画性、責任感、粘り強さ
神経症傾向(Neuroticism):不安やネガティブ感情の感じやすさ
開放性(Openness to Experience):好奇心、創造性、新しい経験への関心
5つの次元がそれぞれ別のグラデーションを持っていて、その組み合わせで一人ひとりの性格が形づくられている。
「外向性」という次元を深く見る
内向型を理解するうえで鍵になるのが、5つのうちの外向性だ。
外向性はグラデーションで存在する
ビッグファイブが特性論である以上、外向性は「ある・ない」ではなく、どの程度かという連続した軸の上に存在する。
完全な外向型も、完全な内向型も、実際にはあまり多くない。多くの人はその中間のどこかに位置していて、状況や体調によっても揺れる。「自分は内向型か外向型かどちらか」という問いより、「自分は外向性の軸のどのあたりにいるか」という問いのほうが、実態に近い。
外向性が低いとはどういうことか
外向性が低い人は、外部からの刺激に対する感受性が高い傾向があるとされている。音、光、会話、人の表情——こういった情報をより細かく拾いやすいため、同じ場にいても情報処理のコストが高くなりやすい。
だから「楽しかったのに疲れた」という状態が起きる。場の内容とは関係なく、刺激の総量が多かったというだけで消耗する。
外向性が低くても、人物像は一通りではない
ここがビッグファイブで内向型を見る面白さだ。外向性という一つの次元が低くても、他の4つの次元の高低によって、まったく違う人物像になる。
外向性が低く、開放性が高い人は、知的好奇心が強い。初対面でも、テーマが合えば熱心に話し込む。「この人、内向型なのによく話すよね」と思われるタイプは、ここに当てはまることが多い。
外向性が低く、協調性が高い人は、他者への共感や気遣いが自然にできる。少数の相手と深く関わることを好み、会話の中で相手の感情をよく拾う。社交的には見えないが、人間関係の質はむしろ高い。
外向性が低く、誠実性が高い人は、責任感が強く、仕事では積極的に動く。外から見ると活動的に映るが、それは外向性からくるものではなく、誠実性が駆動している。
外向性が低く、神経症傾向も低い人は、一人でいることへの不安が少なく、マイペースに安定している。静かな環境を好むが、それを苦にしていない。
同じ「外向性が低い」でも、他の次元次第でこれだけ違う。「内向型」という一言で括るには、少し雑すぎるとも言える。
まとめ
16PersonalitiesはMBTIではなく、本家MBTIはタイプ論
ビッグファイブはMBTIとは別の流れで発展した純粋な特性論
外向性はグラデーションで存在する。内向か外向かの二択ではない
外向性が低い人は刺激の感受性が高い傾向があり、同じ場でも消耗しやすい
外向性が低くても、他の4つの次元の高低によって人物像はまったく変わる
「内向型」という一言では括りきれない多様さがある
自分を内向型だと思っている人が、ビッグファイブという別の枠組みで自分を見直してみると、これまでとは違う解像度で自分のことが見えてくるかもしれない。
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