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内向型が「仲良くなるのに時間がかかる」のはどうしてなのだろうか――深い話を好む私が考える仲良くなるための工夫。

初対面で会って、2時間後にはもう下の名前で呼び合っている人たちがいる。

飲み会のたびに、そういう場面を遠くから眺めてきた人は少なくないと思う。すごいな、と思う。と同時に、どうしてそんなにすぐ距離を縮められるんだろう、という不思議さも残る。

自分は、そうはいかない。

話すたびに少しずつ相手のことを知って、何度か会って、気づいたら「この人、好きだな」と思っている。

そのペースが遅いせいで、仲良くなりかけた頃には相手が別のグループに移っていたり、タメ口ではななか話せないから距離を置かれたり。

「私って人付き合いに向いていないのかな」と、何度か思ってきた人もいるかもしれない。

今回はそれをもう少し深堀してみる。


人間関係は、もともと層になっている

心理学者のアルトマンとテイラーが1973年に提唱した社会的浸透理論によると、人間関係は段階的に深まっていくものとされている。

よく使われる比喩が、玉ねぎだ。

人には外側から順に層があって、最初は触れても差し支えない話題しか見えない。天気、好きな食べ物、最近観た映画。そこから少しずつ内側の層へ進んでいく。苦手なこと、価値観、過去の失敗。いちばん奥には、ごく親しい相手にしか見せない部分がある。

この理論では、親密さは

  • 「いかに多くの話題に触れるか(幅)」

  • 「どれだけ深い話ができるか(深さ)」

両方によって育まれると考えられている。

つまり、人間関係というのはそもそも段階を踏むものだ。いきなり深くなるのが理想形なのではなく、層を少しずつめくっていくことが、関係を育てる自然なプロセスとされている。


内向型は、層を慎重にめくる傾向がある

内向型は関係の深め方においても、外向型との傾向の違いが出やすい。

外向型は、会話の幅を広げながら関係を温めていく人が多い。

話題が飛んで、笑いが生まれて、「楽しかったね」という感覚で距離が縮まることが多い。

一方、内向型は、話題の幅よりも深さを求めやすい傾向がある。

10人と天気の話をするより、1人と本音の話をしたいと感じやすい。

表面的な会話が続くと疲れるし、それで「仲良くなった」とも思えない。

だから、接触の回数だけでは親密さが積み上がりにくいのだと思う。

私もよく知らない相手と、知っているふりをして距離を縮めることに、どこか居心地の悪さを感じる。


「壁がある」と言われるとき、何が起きているか

私と同様、「もっと心を開いてよ」「壁があるよね」と言われた経験がある人は多いと思う。

でも実際のところ、内側で何が起きているかというと、壁を作っているというより、確認をしている段階に近い。

  • この人は、話した内容を軽く扱わないか

  • 秘密を守れるか

  • こちらのペースを尊重してくれるか

  • 否定から入らないか

そのようなことを、言葉にせずに見ている。無意識にやっていることも多い。

早い段階でぐっと距離を縮めて、あとから「この人とは合わなかった」と気づいたとき、傷つき方が深くなる。

そのような経験が積み重なると、慎重さはむしろ自分を守る方法になっていく。


ゆっくりな人の、見落とされがちな強み

時間をかけて親しくなる人には、その分だけ長続きする関係を築きやすいという側面がある。

お互いに確認しながら進んでいるから、「なんとなく仲良くなったけど実はよく知らない」という関係になりにくい。表面的な付き合いを大量に抱えることもなく、消耗しにくい。

相手を見極める時間が長いぶん、自分に合う人を選べる精度も上がっていく。

ただ、待っているだけでは、関係は進まない。

ゆっくりなのは問題ではないが、自分からは何もしないでいると、相手には「関心がないのかな」と映ることもある。

慎重さと受け身は、似ているようで違う。


自分のペースで、一枚ずつめくる

社会的浸透理論では、自己開示を「全部話す」か「何も話さない」かの二択では考えない。層を少しずつ開いていくイメージに近い。

自分なりの段階を意識しておくと、動きやすくなる。

最初に話せる話題(外側の層)

  • 最近食べたもの

  • 好きなもの・趣味

  • 休日の過ごし方

少し進んだ段階(中間の層)

  • 苦手なこと

  • 好き嫌いの傾向

  • 何を大切にしているか

親しくなってから(内側の層)

  • 過去の失敗や挫折

  • 家族や将来への気持ち

  • 本当に悩んでいること

全部いっぺんに開く必要はない。逆に、最初から深い話を求めてくる相手には、少し距離を置いて観察してみるのも悪くない。

次のチェックリストが、一つの判断基準になるかもしれない。

  •  約束を守る

  •  話を頭から否定しない

  •  噂話や悪口が多くない

  •  こちらのペースを乱してこない

  •  話した内容を軽く扱わない

3つ以上当てはまると思ったなら、少し踏み込んでみてもいい頃合いかもしれない。


仲良くなる速度は、人それぞれ違っていい

人間関係に必要なのは、加速力だけではないと思っている。

すぐに距離を縮められる人がいる。それはそれで、素晴らしい才能だ。同時に、時間をかけて信頼を育てていく人にしか、たどり着けない関係もある。

「昨日会ったばかりなのに、もう親友みたいな距離感」が怖い、という感覚。それは誠実さの一形態だと、私は思っている。

急がなくても、人は誰かと近づいていける。


内向型・繊細な気質を持つ人が消耗しすぎずに生き延びるための情報を、当事者目線で発信しています。社労士(有資格者)・キャリアコンサルタントとしての知見も交えながら書いています。

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