見出し画像

親が「心配」で未来を閉ざす前に。教育者だった父と、弟の人生を変えた先生の「たった一言」


「進路のこと、どこまで言っていいのかわからない」
多くの親御さんが抱えるこの悩み。

実は、大人の一言は未来を開くことも、閉じてしまうこともあります。
父の“止める言葉”と先生の“押す言葉”
その対照的な二つが、弟の未来を大きく左右しました。

この記事では、親としての境界線の引き方
子どもの本音を守る“余白”のつくり方を、
私自身の経験を通してお伝えします。

迷いながらも、子どもの未来を広げたい大人へ。


■ 父は長年の教員。
でも親になると、心配が優先される。


私の父は長い間高校教員として働き、
退職後も学び続け、学習ボランティアにも積極的に参加する尊敬する教育者です。

でも、どれだけ経験が豊富でも、
“親”という立場になると、冷静さは薄れてしまいます。
心配が判断を上書きしてしまうことがある。

それは、私自身も痛みを伴って知りました。

高校生の頃。
私は「歌を学びたい」と父に話したことがあります。
返ってきた言葉は、

「で、食べていけるのか?」

その瞬間、私の中で“音楽の未来”は静かに閉じました。

今振り返ると、
私自身に覚悟が足りなかったところもあったと思います。
本気で行きたい人は、反対されても行く。
私にはそこまでして選ぶことができなかった…

でも同時に、
子どもは、大人の一言で未来の地図を描き直してしまう。
それも事実なんですよね。

父は後になって、私と弟に対してこう言いました。

「あの言い方はよくなかったな。
あれで未来を狭めたかもしれない。」

その姿勢を、私はとても尊敬しています。


■ 一方で、弟の未来を変えたのは“背中を押す言葉”だった


弟は本当に数学が苦手で、
家族全員が「私立文系以外あり得ない」と思っていたほど。

そんな中、父は当然のように言いました。

「数学はやめておけ。苦労するだけだから。」

でも弟の担任の先生は、真逆の言葉を置きました。

「特進コース、君ならいけると思うよ。
一度挑戦してみてもいいんじゃないか?」

この一言が、弟の未来を動かしました。

弟は静かに「特進に行く」…
つまり、数学も受験科目として国公立を目指す。
あの時の表情は、本当に忘れられません。


■ “自分で選んだ瞬間”に人は変わり始める

その後、最初の受験はうまくいかず、
模試も結果が出ず、推薦も落ちました。

それでも弟は言いました。

「浪人する。」

あの時、“スイッチが入る瞬間”を見ました。

片道1時間以上かけて予備校へ通い、
閉館まで自習室に残り、
夜遅く帰る生活を1年間続けたんです。

そして2年目、苦手だった数学で自己最高点を出して第一志望の合格を掴みました。
(でもいろんなトラブルがあり、最終的に第一志望進学は叶わず苦い涙を飲んでいます。その話はまたどこかで!)

大学では不思議なことに、
数学の家庭教師として教える側になっていました。
人生の伏線回収のようで、なんだか少し笑ってしまいます。

4人姉弟の末っ子で、でいちばん勉強嫌いで成績が良くなかった弟。(あえて言いますが、総合偏差値はお風呂の温度、数学は体温くらいの偏差値…!)
そんな彼が、今ではいちばん学びに対して貪欲。
そして現在は旧帝大大学院の修士課程で言語学の研究に没頭しています。


「大人の一言が未来を変える」ということを
彼自身が体現している気がします。
そして、私も父も自分で道を選び取る強さ、人が変わっていく姿を間近で見せてもらいました。


■ 大人の言葉は、
未来を “開ける” ことも “閉じる” こともある


父は“止める言葉”を。
担任の先生は“押す言葉”を。

どちらも優しさから出た言葉。
でも弟の未来を変えたのは、
「やってみてもいいと思うよ」
という一言でした。

私はこの対照的な2つの言葉から、
とても大切なことを学びました。

私も、父に相談する前に恩師に相談していたら…
違った未来があったかもしれないと思うこともあるのです。

恩師とのエピソードはこちら


■ 親という立場は、本当に難しい。

境界線をどこに引くかが、大きなテーマになる。

父の姿を見て感じたのは、
どれだけ教育経験があっても、
“親”になると客観視が難しくなるということ。

心配しすぎて未来を閉じてしまうことも、
期待しすぎて圧になってしまうこともある。

それは、私自身もまったく同じ。
生徒には“余白”を渡せても、
自分の子どもに対しては、途端にできなくなる日がある。

「どこまで口を出さずに見守るか」
「どこから先は、本人に任せるのか」
この境界線を引くのは簡単ではありません。

でも、だからこそ思います。

大人が自覚することからしか、未来を開く関わりは始まらない。


■ 私が「親のサポートがしたい」と思う理由

私がこの仕事を通して、
保護者の方と“一緒に考えたい”と思うのは、
自分が親として悩んでいるからです。

子どもの気持ちに寄り添いたいのに、
つい口を出しすぎてしまう。
信じたい気持ちと、心配が混じる。
正解がないからこそ、難しい。

だからこそ私は、
親と同じ立場から、一緒に考え、一緒に迷い、
子どもの未来にそっと余白を残していく伴走をしたい
と強く感じています。


■ 子どもに渡すべきものは「正解」ではなく、“余白”


そして、未来を閉じない関わり方の鍵は
やっぱり“余白”だと思っています。

子どもが自分の本音を置けるスペース。
大人の正解で埋めない場所。
「あなたはどうしたい?」と問いかけられる静けさ。

その余白があるだけで、
子どもは自分の足で未来を選び始める。

私もまだまだ途上だけれど、
学びながら、迷いながら、
その“余白”を手渡せる大人でありたい。

大切な誰かの未来が、ひとつでも多く開きますように。

最後まで読んでいただきありがとうございました🕊️
感想やご自身の経験をコメントでお寄せいただけると嬉しいです🌿

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集