今日のジャズ: 5月22日、1961年@ニュージャージーRVG
May 22, 1961 “Willow Weep for Me”
by Baby Face Willette, Grant Green & Ben Dixon at Rudy Van Gelder Studio Englewood Cliffs for Blue Note (Stop and Listen)
5月19日紹介曲から三日後に同じ名エンジニア、ルディバンゲルダーによって録音されたオルガニスト、ベビーフェイスウィレットのトリオ録音。
オルガンは、旋律を奏でながらベースを足で弾き、スピーカーまでコントロールするという何とも複雑な楽器。ウィレットは、その特徴でもある泥臭いコテコテの旋律を、同じような特徴を持つギターのグラントグリーンと共にハモンドオルガンを駆使して繰り広げる。
前曲同様にコールアンドレスポンスを交えたメロディーを奏でるウィレット、その裏方でリーダーアルバムではシングルトーンで押しまくるグリーンがソロ以外はコード主体の渋いバッキングでサポート、実はそれがとても味と旨みのあるグルーブを生み出していて、この曲の聴きどころでもある。お手本的な同じ黒人のウェスモンゴメリーや、独特の和声を使う白人のジムホールとも異なる、ゴツゴツとして、ちょっとぎこちないバッキングには独特の個性があって癖になる。
この曲の聞きどころは、レスリースピーカーを駆使した泥臭くてコテコテのウィレットのオルガンは当然のこと、そのグリーンとドラムのベンディクソンのじゃれ合うような演奏上の対話。約二年前のグリーンの初リーダー作品が、この三人で吹き込まれている事からも相性は良いのだが、特にこの二人の絡みが良い。例えば7:01、7:08で聞こえる「ピュイッ」というギター音につられて暖まったディクソンが即座に反応して「ドコッ」と応戦するのも勝手知ったる仲間だからこそできるアドリブ。そこに至るまでも良く聴くとトムとジェリーのような、終わることの無いイタズラ合戦的なやりとりが二人の演奏に現れていて面白い。リーダーのウィレットを軸に、二人が遊び心を持って掛け合いをしながら楽しそうに演奏している姿が目に浮かぶ。
オーディオ的には、ドラムのベンディクソンによる終始テンポを保つ右から聞こえる艶のある金属がほとばしるようなハイハットの再現がターゲット。それに加えて、ハイハットから噴き出す空気圧がスピーカーから伝わって来れば御の字。
曲は大作曲家のジョージガーシュウィンと恋愛関係にあった女性作曲家、アンロネルによる同氏に捧げられた曲がスタンダード化したもの。
この曲名の中に含まれる“Weep”という単語にまつわる音楽の小話はこちらからどうぞ。
コテコテのハモンドオルガンをさらに聴きたい方は、こちらもどうぞ。レスリースピーカーについても触れています。
どちらかと言うと上品なオルガン、ギター、ドラムによるトリオ演奏はこちらでも聴けます。
最後に、グラントグリーンのギターをオルガンと共に更に堪能したい方は、こちらもどうぞ。
