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今日のジャズ: 4月1日、1960年@ニューヨーク

Apr. 1, 1960 “On Green Dolphin Street”
by Eric Dolphy with Freddie Hubbard, Jaki Byard, George Tucker & Roy Haynes at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs for Prestige (Outward Bound)

溢れる才能、技術と個性がありながら、36歳でこの世を去った、オリジナル曲を多数手掛けているエリックドルフィーにしては珍しい、1947年配給映画「大地は怒る」からの一曲でジャズスタンダード化した作品の演奏。ドルフィーは、この曲を度々演奏しているからお気に入りだったのかも知れない。ドルフィーがドルフィンを演奏するという、似たような名前だから親近感があったのかも、なんて勝手な想像を膨らませる。

本来は明るい曲で爽やかなメロディーと高揚感があるので、春から初夏にかけて聴きたくなる曲。しかしそこは、オリジナリティを重視するドルフィーだけあって、異質に溢れる個性的なアレンジに加えて、グロテスクでアンバランスなバスクラリネットを使うところが、如何にも覇道的なドルフィーらしい。因みに本作がデビューアルバムだが、オリジナリティ満載の既に堂に入った演奏に驚く。

バスクラリネットとドルフィー

ステレオ録音も進化していて、トランペットが左、ドラムとバスクラリネットが右に配置されている。通常は煌びやかなハバードのトランペットは、この演奏では僅かにミュートがかかっているような音色で、これもまたドルフィーが個性としている並ならぬ演出の一つか。

57秒過ぎからドルフィーは奇想天外なアドリブに入るも、リズムセクションは引きずられる事なく冒頭テーマメロディー同様のリズムを刻み続ける、まさに「リズムキープ」するところも聴きどころ。ドラムのロイヘインズは、スタイル的には変幻自在にリズムを変化させて行くタイプだが、ここでのアドリブも最小限に留められているのも普通ではない。

各所でブイブイとリズムに躍動感を醸し出し、4:00からソロを演奏する力強いジョージタッカーのベースは全体を通して自由度があり、スパイスが効いていて秀逸。そして、4:52に生々しく捉えられている不意打ち的に「スコッ」と繰り出されるヘインズのリムショットも聴きどころ。

終わり方もドルフィーらしく独創的で、誰もが知るポピュラー曲だけに敢えて一風変わったアレンジを仕掛けるという、実は良くあるジャズの演奏パターンではあるが、ドルフィーの異質な個性は記憶に残る。

個性派揃いの中で、音量が控えめのために背景で埋もれてしまっているように聴こえるジャキバイアードのピアノが実は一番個性的だったりする。小刻みなバッキングの取り方と和声、その間合いがとてもユニークで、これを追っていくのが、この演奏のもう一つの楽しみ方。最後の変則的ピアノフレーズで、ハッとさせられて気付くが、時既に遅し。これでもう一回、最初から聴く喜びが味わえる。このように噛めば噛むほど味わえるスルメのような演奏が名盤の一つの基準だと考える。

ジャキバイアード

そのバイアードとドルフィーは、チャールズミンガスバンドでの盟友でもあり、お互いの個性や特徴を理解して組み合わせる相性の良さが演奏から伺える。

この曲が気に入った方は、様々なアーティストによる様々なバージョンをご紹介されている記事があるので、ご覧になってください。こうして聴き比べると本曲のみならず、どれも個性的なものが多い事が分かります。

最後に、黒人清音派ドラマーの代表格、ロイヘインズを更に楽しみたい方はドルフィーやビルエバンスと共演した、こちらの名演で満喫してください。

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