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今日のジャズ: 3月6日、1960年@ニュージャージーRVG

Mar. 6, 1960 “Dat Dare”
By Lee Morgan, Wayne Shorter, Bobby Timmons, Jymie Merritt & Art Blakey
At Van Gelder Studio, Englewood, NJ for Blue Note (The Big Beat)

ジャズメッセンジャーズの全盛期、惚れ惚れするような豪華メンバーによる演奏。そんなメンバーの中で右寄りに構えるブレイキーのドラムが終始、リーダーとしての存在感を保ち続ける。

リーモーガンの勢いと溌剌さが特徴的なトランペット、対照的なショーターの彷徨うテナー、ファンキーでゴスペル調のピアノのボビーティモンズのソロが続き、最後にマーチ的な総演奏のクライマックスを迎えるドラマティックな展開。因みに1月13-14日に取り上げたボビーティモンズの作品から二ヶ月足らず。

ブレイキーのスタイルは、絶妙な緩急と瞬発的なダイナミズムにあって、それらが微妙に強弱とタイミングをずらすコンビネーションによって身体を揺さぶる。特に「ザッ、ジャーン」と鳴る重くて味わい深いシンバルの横版たるハイハットが魅力で、勢い良く閉じられた時に噴き出される空気が音を通して伝わってくる。この多彩な表現が可能なハイハットを如何に再現するかは、オーディオ再生の重要な焦点の一つ。

ブレイキーの重いドラムは敢えて表現すると「濁音派」の代表格と言える。重量級ドラマーのエルビンジョーンズと同じくダッ、ザッ、ガシーン、ドコッ、と音が太くて重い。この対極の「清音派」がシェリーマンやロイヘインズで、軽快で鮮やかなタッっ、サッっ、カッシーン、トコッっ、となる。どちらが良いか、というのは、それぞれの良さと曲や演奏者との相性があるので難しい。この二つのスタイルを兼ね備えたドラマーが、次世代のトニーウィリアムスやジャックデジョネットで、新たなドラミングの領域を開拓してゆく。

個性的なタレントをまとめ上げ、亡くなる直前まで三十五年間もメンバーを入れ替えつつジャズメッセンジャーズを継続し、ジャズ界に多大なる貢献をもたらしたのは、ブレイキーの超人的な力量だからこそ。それはさしずめ、ジャズ界の、いかりや⻑介と言える。一流の奏者のみならず、才能のある編曲家を見出すのも得意で、ここではショーターが一役を担っている。

因みにブレイキーに見出された後、マイルスのバンドに加わって名を成したアーティストには、このショーターとキースジャレットがいる。ショーターは残念ながら、先日3月2日に89歳で人生の幕を閉じた。ジャズへの限りなき貢献に感謝の意を表したい。

アートブレイキーの人生とジャズへの功績についてご興味がある方には、以下の詳細記事をお勧めします。

この演奏は、スターに埋もれがちなベースが肝で、ブレイキーの見染めたジミーメリットが実は聴きどころ。この複雑なバランスの中で芯を貫くスイングと安定感にブレイキーは惚れていたのだろう。

ブルーノート、バンゲルダーとブレイキーの組み合わせは鉄板。音楽の嗜好性と音質の相性が極めて良いので外れがないから、どれもおすすめ出来る。

この曲の一風変わったカバーが、女性歌手リッキーリージョーンズの名作アルバムに収録されているバージョン。アルバムを通してドラムを起用していないから、敢えてドラマーがリーダーの曲をドラム無しで挑んだ企画と思われる。原曲の雰囲気を別のスタイルで踏襲し、後でじわりと効いてくる出汁のようないい味を出している。こちらでさりげないテナーを吹いているのは巨匠ジョーヘンダーソン。ギターはロベンフォード。

同時期に収録されたボビーティモンズの代表曲の一つは、こちらからお楽しみください。

黒人「清音派」ドラマーの代表格、ロイヘインズの演奏にご興味ある方は、こちらをご覧ください。

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