三題噺ショートショート_幼馴染み
落語家もすなる三題噺といふものを、コジも、してみむとてするなり。
企画もの、大の苦手なのである。
どんな親しい人の企画ものでも、なかなか素直には乗れない。
私は、「ルール」とか「決まり事」とか「期限」とか「締め切り」とかという制限事項が世の中で一番嫌いなのだ。
いくつになろうが、聞かん坊の悪ガキ。それが、私、kojuroだからである。
え?落語?三題噺?ヤスさん?

心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、別名、天の邪鬼四朗だろ。「もし書けなかったとしても、それはそれでOK。でも、やってみなきゃ、もったいない!」なんてこと言われたら、逆に書きたくなるんじゃないの?
なんのはなしですか。

わかったよ、書くよ。書く書く。書けば良いんでしょ、リトル。それで、いいんだろ?
ブラックホールよりも重い重い重い腰を上げて、半ば自暴自棄に筆を執る。
さて。では、三題噺ショートショート「幼馴染み」まいりましょうか。

要は、所謂野球バカだった。
キャプテンも務め、県立の進学校ながら大学もセレクションで呼ばれて六大学の名のある大学に進学した。
成績の良い薫は、要と同じ大学に学力で現役合格。2人は、幼稚園から大学までずっと同じ学校。要を追うように薫が進学し。マネージャーをやっていた。
俺は、要って鈍いなと思ったが、どうも幼馴染みとは、そういうものらしい。
さすがに要も、四年の秋のリーグ戦終了後に、はたと自分の気持ちに気づいたらしく。打ち上げで、公然と告白したのだ。
翌日。野球のユニフォームしか着たことがない要と俺は、街に買い物に出た。最後にABCマートで、ブランドものの靴をかなり値切って交渉して手に入れ、準備万端。
当日。
枕元で俺の目覚まし時計がけたたましく鳴り。朝寝坊の要を電話で叩き起こして事なきを得。二人は三児の父母として幸せに暮らしている。
あれ?
そういや、俺も要と、幼稚園から大学までずっと一緒の幼馴染みだけど。
ま、これで、いいのだ。

ヤスさんの三題噺企画の、そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑って言った。
まだ三題噺続けてるの?じゃ、それにちなんで、マッサー(注1)三倍返しで、ね。ペペン、ベンッ!

マッサージをすると、家内は上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。


