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ショートショート_ 採用

ハンカチを、というか私はハンカチの代わりにタオルハンカチを使うのだが、それを2枚持って行くことにしている。

汗かきだからという理由が大きいが。

もう2つ、理由がある。

ひとつは、どうしても使ったものを洗濯に出して、入れ替えるのを忘れるのである。だからそれを見越して2つなのだ。


そして、二つ目の理由は。

誰かに提供することが、時に、あるからだ。

その時には、まさか、使い古しを提供するわけにもいかないだろう。


何年か前、会社の人事制度が大きく変わったときに、社員の心得のようなものが改めて配布され。

そこには、ハンカチは人のためも考えて2枚持つようにすることと書いてあった。

それを見て、大きなお世話だと思った。


そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。



さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。

そして、今回のお題は、「ハンカチを」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。


そして、たらはかにさんからのお題は…。

表のお題が【告りびと】で。裏のお題が【こびと栗】д゚)チラッということだ。


また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し早めに出るのだが。

ここのところ、すでに創作大賞の募集期間に入り、しばらくは続くということで、期限のない「青ブラアンケート」が出ている。

また、先週の「青ブラ文学部」の裏のお題が「知られざる名曲」ということで出ていて。これも期限がないという。今後も、折に触れて使えそうだ。また、次に使おう。有難い。

今回は、「青ブラアンケート」の二つ目の問いを、涼と財前が答えるという形で本文に埋め込むことにしよう。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

コジ、「荒技師あらわざし」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。


うむ……。そうだな。



3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。

また、今回は、帆井麗花/Reika Hoiさんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。

今週も、「シロクマ文芸部・ハンカチを」で検索して飛んで行き、「シロクマ感想文」をほんの少し、コメントにて残した。




絶妙な分量の掌篇。作品として面白く読ませてもらった。


ちょっと切ないというか、諦念のようなものを感じる。

国境の有刺鉄線が分からずに潜ろうとして傷ついた隣国人を手当てする優しさを持っている反面、堂々と違法にハンカチを潜る隣国人は、容赦なく射殺する。

人の本質は、そういうものなのだろう。

人の業というのは、計り知れないと知ってはいても。

願わくば、国境を自由に行き来できて。お互いを尊重し。心豊かに交流できる世界を夢見てしまうのである。

これが、“理想”だということは、嫌というほど知りつつも。


今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの裏表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんのアンケートのお題。4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、全部で5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。

今週は5重の荒技だ。


うむ。


これで何週間だろうか。


まあ、続けられるだけ、続けるさ。



心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、つぶやいた。

まるで、悪ガキそのものだな。


まあな。


なんのはなしですか。

荒技」って、いや、そんな荒くないんですよ本当は…


さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ショートショート_ 採用」約410字を、どうぞ。



ハンカチを取り、コップの汗を拭きながら涼は、喫茶店で財前と向き合っていた。

今日は束の間の休暇で、2人は「国宝」を観た後、コーヒーを飲みつつ雑談していたのである。

事前に原作は読み。その上で映画鑑賞をする。いつもの二人の流儀である。



涼は言った。

「小説とは、疑似体験だ」

財前は言った。

「小説とは、シミュレーションのひとつだ」



「2人とも似てる……」

メニューの陰から、微かな声が聞こえた。



怪訝に思った財前がメニューをよけると、そこにはまるで妖精と言って差し支えないほどの小人がいた。

小人が続けた。

「カンナと言います。どうぞ研究所で採用してください。何かのお役に立てると思います。お願いします」


財前は、カンナとひとしきりやりとりをした後、言った。


「採用だ。一緒に来給え」


カンナはお近づきのしるしにと、栗を差し出し。

財前は、カンナをヒョイと持ち上げるとジャケットの胸ポケットに入れた。




その時、店のドアのカウベルが鳴り、泉が入ってきた。



さっちゃん(注1)に、荒技が終わったとソファーを振り返って話しかけると、さっちゃんは笑って言った。

そんな時間があるなら、もっとマッサー(注2)に使ってもらっていいのよ。今日は日曜日だけど、仕事で疲れたから、3倍返しでいいよ。

……。

マッサーをすると家内は上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は平和である。


だから。


これで、いいのだ。

また、来週も「荒技」にチャレンジしよう




(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。

(注2)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。





いつか、「荒技」という名の、優しい作品を書きたい


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