荒技ショートショート_ヒロイン
夜に降るものと言えば、やはり、星が良い。
星降る夜。
そんな夜空を、一度、眺めてみたい。
世界一夜空が綺麗な場所は、どこなのだろうか。日本では、青ヶ島の夜空がめちゃくちゃに綺麗だという。
天の川。
これも、驚くほどのものを見たことが無い。
もともと目が悪いこともある。もう、歳で目の解像度が落ちているのもあろう。
だがいつか、生きているあいだに必ず、星降る夜を、体験してみたいと思うのである。
そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「夜に降る」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?いうことで。
そして、田原にかさんからのお題は…。
表のお題が【こざかしい落下】で。裏のお題が【いとおかし作家】|д゚)チラッ ということだ。
また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し早めに出る。
今週のお題は、「「選択のパラドックス」というテーマで、作品を投稿してみませんか?ということで。
これは、期限無しのお題である。
今回は、お題を匂わせることにしよう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、「荒技師」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。
うむ……。そうだな。
3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。
また、今回は、吉穂みらいさんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。
「シロクマ文芸部・夜に降る」で、検索して飛んで来ました。
コメント欄に、ほんの少し「シロクマ感想文」を書かせて頂きます。
夜降る雨。別れの際に、凶器まで思い起こしたのに。
そして、ひとときの躊躇いの後に、男を追いかけて雨降る道に飛び出したのに。
男を見届けることすらなく、そぼ降る雨に、ただ、濡れるとは。
なんと切ない。
ただ、彼女の未来に幸あれと、祈らずにはいられませんでした。
今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの裏表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんの青ブラ文学部のお題。4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文と、全部で5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
そうだ、今週は5重の荒技だ。
うむ。
これで何週間だろうか。もう、2年をとうとう超えて3年目3ヶ月に突入している。
まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟いた。
まるで、悪ガキそのものだな。
まあな。
なんのはなしですか。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ショートショート_ ヒロイン」約410字を、どうぞ。

夜に降る雨は、あの時のことを思い起こさせる。
俺は、最初はエージェントになりたかった。だが結局なれず。渋々悪の枢軸の工作員となった。
与えられたミッションは、あるエージェントの抹殺。
売れない小説家を演じ、同じ町内に住み。機を窺っていた。
その間、仲間が彼女を三度も襲撃した。
その場を目撃して、あろうことか俺は、彼女の“後ろ蹴り”に惚れてしまったのだ。
そして時は来た。
襲撃命令が下ったのだ。
雨中に彼女と対峙した。俺の手には、怪人カプセルがあり。変身すれば怪力で戦えるハズだったが、わざと手元から落とし。その瞬間、彼女の必殺技が顔面に入り、捕り物は決着した。
今、収監された獄中で小説を書いている。
だが、書けないのである。肝心の後ろ蹴りのリアルさを。
あの時カプセルを飲んでおけば、何度か後ろ蹴りを食らいつつ観察できたかもしれなかったのにと思いつつ。
彼女に危害を加えずに済んだことに胸をなで下ろしている。
ヒロインの名は、「泉」である。

《余滴》
さて。「毎週ショートショートnote」のお題の解説です。
ショートショートnoteカードゲームでは、お題の言葉そのものを入れ込まないで匂わせるのを流儀としています。
小牧幸助さんの書き出しのお題や、山根あきらさんの青ブラ文学部のお題、水曜日の「三題噺」の三つのお題は、その言葉そのものをストレートに文章に入れ込むのですが、たらはかにさんのお題は、表も裏も、なるべく言葉そのものは入れ込まない方が良い、“匂わせる”のだという流儀に沿い、なるべくそうしていっている“つもり”なんです。
しかし、方や、私のこの「荒技」にお題の言葉を探し続ける人もいらっしゃいまして。
田原にかさんのお題については、今日も、ここに、お節介な解説を入れてみようと思います。
また、今回は、山根あきらさんのお題も、匂わせです。
ですが。
この解説ついての一切の苦情は受け付けません。なぜならば、これこそが、「荒技」だからです。笑
①表のお題が【こざかしい落下】→憧れの必殺技、後ろ蹴りを繰り出す泉を傷つけないために怪人カプセルをわざと落とす(落下)というこざかしさ。本来敵である工作員という立場を忘れて攻撃しないという、悪役としての堕落(落下)と、わざとらしさ(こざかしさ)の二重の意味合いを込めております。
②裏のお題【いとおかし作家】|д゚)チラッ→ 作家に扮して潜伏するという変な工作員。そして、獄中で作家に挑むが、肝心のヒロインの必殺技が観察できなかった故にリアルに表現できないという滑稽さという、これも二重の意味合いを込めております。
③山根あきらさんのお題【選択のパラドックス】→言わずもがなですが。怪人カプセルを飲まなかったことで必殺技を見極め観察することが出来ず、小説は書き進めることが出来ませんでした。しかし、泉を傷つけることがなく、目的を達して後悔は無いという、矛盾に見えて“俺”の“優しさ”の本質を照らす構造になっています。
今回の荒技も、淡々と書き、お題も淡々と入れ込みました。しかも、工作員視点という荒技。五重の荒技、難しいです。とても。
ちなみに今回のカバー画像は、「原稿用紙」で検索して選びました。
それにしても荒技。やはり難しいです。時間もかかりますし。苦行です。笑
荒技師への道は、まだまだ遠く彼方にあり。欠片も見えてきません。
そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑っていた。
「なんか、昨日のマッサー(注1)、手抜きだったような気がする。だから、倍返しね」
いつものミッションが、発動された。
マッサージをすると家内は、上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。


