生成AI時代の「オリジナル証明」
自分の作品の方が「オリジナル(元)」だと、どうやって証明するか?
創作の世界において、昔から根強くある問題が「盗作問題」――すなわち「パクッた」「パクられた」の問題です。
「人の手による創作」でも普通に起こってしまう、この問題(有名文学賞でも過去に剽窃疑惑が出たくらいですから)…
生成AIが世に浸透してきた現代では、ますます手がつけられなくなる可能性が高いです。
なにせAI利用者が意図しなくても、AIが勝手に「やらかしてしまう」可能性があるわけですから…。
(学習ルールや生成ルールが明確でないAIは多いですし、版権モノ画像が普通に生成されてしまっている現状を見ても、AIにはまだまだ「コンプラの意識」が欠けているように見受けられますので…。)
自分の創作物が、知らぬ間に学習され、どこかの誰かのAI生成作品に流用される…想像するだに恐ろしいことですよね?
「使われるとしても、どうせ一部分だけだろう」「ごく短い文章だけだろう」と高をくくっている方もいらっしゃるかも知れませんが…
ここぞという「決め台詞」や、物語を特徴づけるための独自の言い回し、あるいは考え抜いて書き上げた会心の描写…
それらは、たとえ短い一文だったとしても、丸パクリされたり模倣されたりしたら困りませんか?
(たとえばセーラー○ーンの決め台詞「月に代わって…」など、文字数にするとたった12文字(!含む)しかありません。「月」の部分を別単語に置き変えるなどの「模倣」をされたとしても、かなり嫌な気分になりますよね?)
さらに、そのAI生成作品の方が先に有名になってしまった場合、逆にオリジナルの方が「○○のパクリ」扱いされてしまうリスクさえあるのです。
そんな最悪な状況を生まないために、どうしたら良いのか…
それは自作品こそが「オリジナル」であると、誰の目にも分かるように「証明」しておくことです。
実は大手企業や政府レベルでは、AI時代を睨んだデジタルデータの「来歴証明技術」というものが進んでいるのですが(C2PAやOP(オリジネーター・プロファイル)等)…
なかなか普及していなかったり、まだ「開発段階」で実装されていなかったりします(認知度もまだ低いでしょうか?)…。
今後それが実装・普及するにしても、アマチュアのクリエイター(特に物書き)が気軽に導入できるものかどうか未知数のため、現段階では「個々人で出来る限りの対策を取っておく」しかないのではないでしょうか?
なお、蛇足ながら説明しておきますと「盗作」はそもそも著作権を持てませんし、AI生成作品だからと言って「著作権侵害」が許されるわけではありません。
■地味に大事な「日付」の記録
最も分かりやすい「オリジナル証明」は「自分の作品の方が先に存在した」と示しておくことです。
(先に存在したものの方が「パクリ」というのは、流石にあり得ないですからね…。)
すなわち、その作品の出来上がった「日付(年月日)」を記録しておくことです。
…とは言え、手書きのメモなどはいくらでも偽造が可能なため、証拠能力が低過ぎます。
大切なのは「偽造不能な技術」で記録しておくこと。
たとえば、一部SNSや小説投稿サイトの「投稿日」って、投稿者本人にはいじれませんよね?
(一部ブログサービスだと変更可能になってしまうのですが、noteさんやX(旧Twitter)さんは、予約投稿などで「後ろ」にズラすことはできても「前」にズラすことは不可能なはず…。)
自分は小説を更新するたび、その更新部分の内容をハッシュタグにした「更新情報」を、小説へのリンク付きでXにポストしています。
「双子の聖女は運命を入れ替える118」#blog小説 #双子 #入れ替わり #恋敵王女 #政略結婚阻止 #ファンタジー恋愛小説
— 津籠 睦月【つごもり むつき(※HN)】 (@mutsukitsugomor) April 12, 2025
https://t.co/B1GKW2NoeL #jugem_blog
■アナログな創作メモや原文も全て保存しておく
これは「全てをデジタルで済ませてしまう物書きさん」だと、無理な方法で申し訳ないのですが…
小説の「原文」がアナログで残っていれば、それもまた「オリジナル証明」として有効だと思いませんか?
自分は未だにアナログなノートに手書きで下書きし、それをPCで清書するという方法で小説を書いています。

(清書の過程で推敲して、細部の表現を変えることもあります。)
なので、「原文」や「創作メモ」等が全て「アナログ」で存在しているのです。
AI生成作品には当然のことながら、アナログな原文など存在しません。
下書きの際の思考錯誤の痕や、推敲の際の修正の痕跡も存在しません。
(ちなみに自分の場合、下書きはボールペンで行い、没にした箇所も×や線を上から引くだけで「抹消」してはいません。←なので、どういう過程で作品が完成していったのか全て分かるようになっています。)
アナログな物証の数々は、オリジナルの作者だからこそ持てる「創作の証」なのです。
■物語の「理由」を説明できるように作る
ネーミングに「こだわり」を持っている物書きさんって、多いですよね?
さらに世界観やアイテムなどの「設定」、あるいは「ストーリー展開」…
創作を「本気」で行っている物書きさんには、それぞれその設定に至った「理由」、その展開に行き着いた「理由」があるはずです。
ですがそれを「AIにおまかせ」で作ってしまった人間には、その「理由」がそもそも存在しません。
読者に「どうしてこういう物語にしたんですか?」と問われても、答えられないのではないでしょうか?
逆に言えば、オリジナルと証明するためには、その「理由」をちゃんと語れるようにしておくことです。
…まぁ、プロの作家さんでも「細かい設定なんて忘れてしまった」という方はいらっしゃいますが…
できれば創作メモなどで設定の裏話、制作秘話など残しておくと、後々便利なのではないかと…。
あとは、物語を書くにあたって参考にした文献や、元にした資料があるなら、そのリストを作っておくこと…などでしょうか。
ちなみに参考文献リストは「オリジナル証明」のみならず「知識の信頼度UP」「知識が間違っていた場合の保険(資料からして間違っていたなら仕方ない)」にも使えます。
■一応、著作権表記をしておく
「オリジナル証明」とは少しズレてしまうかも知れませんが、最近やるようになった工夫があります。
ズバリ「著作権表記」です。
Copyright(C) 2025 Mutsuki Tsugomori.All Right Reserved.上のような表記なのですが(Copyright(C)の部分は、本来なら○付きのCマークです。○付きのCマークがPCで出せないため、こう表記しています。ドットが必要かどうかは諸説あってよく分かりません。)…
これは「この作品の著作権はこの人間が持っているので、無断で転載等するな」という英語での意思表示(制作年入り)です。
本来、日本はベルヌ条約に加盟しているため、このような表記をしなくても「創作した時点で」プロアマを問わず著作権が発生するのですが…
学習に来るAIがどこの国のAIかなんて分かりませんし、一応の「牽制」になるかも知れないため、表記するようにしました。
(元から自作サイトやブログには日本語で著作権関係の注意書きはしているんですけどね…。)
AIを使う側にとっても、著作権表記のあるページを避けて学習することにより、著作権侵害リスクの低減が期待できるので便利だと思うのですが…。
それに「人間」の中にも、著作権に対する意識が薄く「ネットに上がっているものなら何でも自由に利用していい」と思っている人がいるかも知れませんので、無いよりは有った方が「意識してもらいやすい」のではないか、と。
なお、自分は「創作物」には上のような対策を行っていますが、ブログ等の記事には特に行っていません(「創作」と「情報記事」とでは扱いを分けています)。
個人的に、ただの「情報」と「創作物」はAI学習の上でも扱いを分けるべきだと思っているのですが(あと、個人情報なども)…あまりそこを議論している人っていませんよね…?
人間が骨身を削って生み出した「創作物」も「ただのデータと一緒」だと思っている人が多いのでしょうか😭?
■AI対策にならないとしても人間相手の盗作対策にはなる
上に挙げてきたものは、あくまで自作品が「オリジナルだと証明する」手段であって、これによりAI学習が防げるとは思っていません。
ただ「だから無駄だ」ということにはなりません。
なぜなら、たとえAI学習は防げなかったとしても、人間相手の盗作対策には充分有効だからです。
むしろ相手をAIだ人間だと考えず、広く「オリジナル証明」「盗作対策」を行っていくことが自作品を守ることに繋がるのではないでしょうか?
防犯対策バッチリの家が泥棒に狙われにくくなるように、盗作対策ガチガチの作品って手を出しづらいと思いませんか?
(…まぁ、相手がその「盗作対策」に気づけば、ではあるのですが…😅。)
そもそも自分がやってきた「オリジナル証明」も、生成AI時代を睨んだものではなく「盗作対策に」と思って自作サイト開設当初から行ってきたものなのです。
(アマチュア創作界隈は著作権意識がゆるゆるな場所や人も多いと、事前リサーチで知っていましたので…。)
なお、自分が一番最初に行った盗作対策は「著作権を学ぶ」でした。
(法律って「他者の権利を侵害しないため」だけに学ぶものでなく、むしろ「自分の権利を守るため」に学ぶものなのです。)
ちなみに「オリジナル証明」とは別に「AI学習対策」についても個人的に研究中です。
自作サイトやブログならある程度、対策が立てやすいのですが…
小説投稿サイトで使える手がそうそう無さそうで厳しいです…。
あと、対策を立てたところでAIが進化すれば「いたちごっこ」になる可能性もあるのが…。
映像・音楽メディアの「コピーガード」みたいな「技術的保護手段(※著作権法用語)」が投稿サイトや個人クリエイター向けに開発・導入されれば良いのですが…。
