筆を止めないための「展開力」を「連載小説」を通して鍛える
プロットだけで小説は書けない、問題は「いかに展開させるか」
どんなに素晴らしいアイディアや設定を思いついても、どんなに「書きたい」という意欲があっても、それだけでは小説は書けません。
書き始められたとしても、途中で筆が止まって書けなくなり、いつまで経っても「完結」しない…そんなお悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか?
「小説を書くためには、まずプロット作りから」というのはよく聞くノウハウですが…
実はプロットを作っただけでは小説は書けません(ある程度までは書けても、そこから先を書き進められません)。
実際に経験のある方も多いのではないでしょうか?
プロットに書いた場面だけは描けても、そこから次のプロットシーンまでの「繋ぎ」が書けない…
あるいは、プロットに書いた場面さえ「頭には浮かぶのに、それを上手く文章化できない」…
そんなこんなで筆が止まり、その先の続きが永遠に書けない、なんてことが…。
プロットを順調に消化していくためには、「場面」から「場面」へ物語を「展開」させていくスキルが必要です。
さらにはその「場面」の中でさえ、登場人物の台詞・行動を上手く「展開」させていく必要があるのです。

■「展開力」を鍛えるには、とにかく物語を「展開」させていくこと
物語を「展開」させるスキルを鍛えるには、とにかく「展開スピードの速い小説」を書くことです。
小説にもいろいろあり、ストーリーの進みが速いものもあれば、かなりゆっくりなものもあります。
「台詞回し」や「描写力」を鍛えたいなら、ストーリー進行の遅い小説でも充分なのですが…
「展開力」を鍛えたいなら、ストーリーがサクサク進み、展開がコロコロ変わる小説の方が効率良くスキルアップできます。
…ただ、ストーリー進行の速い・遅いには小説ジャンルとの「相性」もあります。
じっくりゆっくり登場人物の成長や心理を追いたい純文学系やシリアスな恋愛小説には、速過ぎる展開は向かないかも知れません(書く内容にもよるでしょうが…)。
ジャンル的には「サスペンス」「冒険小説」「コメディ」あたりの方が、速い展開に向いているのではないかと。
ちなみに自分は「異世界冒険コメディ」で習作を書いています。
世の小説レビューに「展開がトロい」「進みが遅い」という文句は数あれど、「展開が速過ぎる」という文句は見たことがないので、とりあえず「要らない部分は端折れるだけ端折ってとにかく爆速展開で」を目標に書いてみているのですが、第1部が終わった時点で「さすがに速過ぎるか😥」と反省し、徐々に展開スピードを遅くしてみています。
■「展開」は「結末」や「目的」からの「逆算」で割り出す
物語を展開させるカギは、ズバリ「伏線回収」です。
ゲーマーの方なら「フラグ回収」、お笑い好きの方なら「フリオチ」の方が分かりやすいかも知れませんが…
物語が大きく動く前には、だいたいその「前兆」となる何かがあるものなのです。
前兆も伏線も無く「いきなり」場面展開する作品もありますが…
どうしても「唐突感」が出てしまって上手く感情移入できなかったり、「展開についていけない」気持ちになったりしますよね?
作品全体の「完成度」を高めるためにも、大きな物事を描く際にはその「前段階」をしっかり描写しておくことが必要なのです。
場面と場面の間の「ツナギ」は、そんな「伏線(フラグ)」をバラまく期間でもあります。
問題なのは具体的に「どんな伏線を書いておいたら良いのか?」ということですが…
これはある程度「結末」からの「逆算」で割り出せます。
「結末」と言っても「物語全体の結末」ではなく「第1部の結末」だったり「第1章の結末」だったり、「ある程度区切りの良い部分の終わり方」で良いのです。
たとえば異世界冒険系小説の第1部クライマックスで中ボスを倒すことにした場合…

上のような感じで「その結末に至るまでには何が必要なのか」を書き出していき、その必要条件がそろうようにストーリーを組み立てていけば良いのです。
…ですが、「プロットは書けてもツナギが書けずに筆が止まる」タイプの方は、この「何が必要なのか?」をまず思いつけない…そんなパターンが多いのではないでしょうか?
ただただ「ボスを倒す」という結末や目的だけが見えていて、そこに何が必要なのかが見えてない…それだと「物語」は書けません。
そんな方はまずその場面を「どう魅せたいのか?」から考えてみるべきです。
ボス戦を描くにしても、何のヒネリも無く剣と剣がぶつかり合うだけ…いつの間にか決着がついていた…なんて、おもしろくも何ともありませんよね?
ストレートな消耗戦や力押しが「つまらない」なら、何をどうしたらバトルが魅力的になるのか…
それを考えていくだけでも、物語の展開は埋まっていきます。
一例を挙げるなら、下の図のような感じで…

「ボス戦を魅力的に描きたい」という「目的」からの逆算で、ストーリー展開を埋めていけば良いのです。
■「展開」の「おもしろさ」は「知識量」と「応用力」がモノを言う
物語の展開には読者をハッとさせる目新しいものもあれば、ありきたりで退屈に感じさせてしまうものもあります。
この「違い」を生むものは何なのか…
それはズバリ「作者の中にどれだけ『展開』の引き出しがあるのか」です。
人は誰しも「最初は模倣から入る」と言いますが…
「他の作者の書いた展開を真似することしかできない」ようでは、読者をハッと驚かせることはできません。
そこに自分独自のヒネリ――すなわち「応用」を加えて「オリジナルの展開」を生み出していかなければ「今までに無い面白さ」は生み出せないのです。
さら言えば、その「展開」にいくらオリジナリティーがあっても、毎回同じ展開の仕方でワンパターンだと、マンネリ化して飽きられます。
ならば「おもしろい展開」を生むために、作者は何をすれば良いのか?
それは、ひたすら「展開の仕方」を「インプット」して、引き出しを増やしていくことしかないのではないでしょうか?
引き出しが増えれば「展開と展開の組み合わせ」で「新たな展開」を生むこともできるようになります。
それと、自分が個人的に気をつけているのは「偏った分野から学ばない」「他ジャンルから応用させる」「一周『前』の時代から学ぶ」ということです。
たとえば昨今の小説投稿サイトって、ジャンルによって物語の展開パターンがだいたい決まってしまっていると思いませんか?
「テンプレ」で「お約束」な「安心感」と言われてしまえばそれまでなのですが、どの作品を読んでもだいたい展開が一緒で「先」が読めてしまう…そんなパターンが多い気がします。
「王道パターン」を求める「読者」ならそれで良いでしょうが、「作者」として「学び」を求める場合には効率が全く良くありません。
「同じような展開の作品」を何作品読んだところで「学習」の経験値は上がらず「タイパ」がひたすら悪いのです。
「様々な種類の展開」を学びたいなら、1つのジャンルからだけ学ぶのではなく、幅広く様々なジャンルの作品から学ぶべき…少なくとも自分はそう思っています。
特定のジャンルからだけ学ぶ弊害は、他にもあります。
たとえば「異世界モノを読み慣れた読者」に「異世界モノで学んだ展開」を出したところで、「あぁ、よくあるパターンだね」と思われるだけで驚いてはもらえません。
ですが「異世界モノにミステリ分野の展開を取り入れて」出してみたとしたら、どうでしょう?
「あれ?今までに読んだことのない展開だ」と驚いてもらえるのではないでしょうか?
「他ジャンルの展開を輸入してきて活かす」のは、最も分かりやすく簡単な「展開の応用」の仕方です。
この「応用」を生むために、自分の「得意ジャンル」だけでなく「普段あまり読まないジャンル」「馴染みのないジャンル」も履修しておくと、何かと便利なのです。
「一周『前』の時代から学ぶ」は、過去の人気作品から展開を学ぶということです。
ファッションの流行が巡り巡って「一昔前の時代の流行」がリバイバルするのは、「ちょっと前の時代なら覚えているけど、一昔前になるともう未知の時代で、一周回って逆に目新しい」からです。
エンタメコンテンツの世界でも、それは容易に起こり得ます。
さらに言うと「一昔前の流行」は「それを全く知らない世代」のみならず「昔を懐かしむ世代」にも刺さる可能性が高いため、一石二鳥でおトクなのです。
あと、一昔前の人気作はクオリティーが高いにも関わらず、愛蔵版や電子キャンペーンなどで新作より安価で入手できることが多く、学ぶ上でのコスパも良いのです。
自分は男性向け・女性向け・小説・マンガ・ジャンル問わず「過去の傑作」は機会があれば履修するようにしています。
古いものだと「源氏物語」や「古事記」「故事成語」まで遡るので、かなり節操が無いです。
■ストーリーテリングの「瞬発力」を磨く
自分が是非手に入れておきたいスキルの1つに「展開を即興で思いつく能力」があります。
現実的に「即興」が難しいとしても、なるべく速いスピードで「展開を思いつける能力」が欲しいと思っています。
なぜならこれは小説を「連載」する上で必須の能力だからです。
「週1」間隔にせよ「月1」間隔にせよ、「連載」であるならば小説を「定期的」にUPしていく必要があります。
つまり、自由にダラダラ書いて良いわけではなく、コンスタントに締め切りが迫って来るのです。
「続きが書けない」「アイディアが浮かばない」などと言っていたら、連載がストップしてしまいます。
「時間をかければアイディアが浮かぶ」では駄目で、決められた期限の中でストーリーのアイディアをひねり出さなければならないのです。
そんな「ストーリー作りの瞬発力」を磨くために何をすれば良いのか…
それは、とにかく「期限」を決めて「定期的」に「一定のボリューム」の小説を書いてみるしかありません。
これは自分の「筆の速さ・遅さ」や「どのくらいの分量をどのくらいの期間で書けるのか」を知るのにも役立ちます。
(これを知らずにいると、無茶な締め切り設定をした挙句に「小説が上がらない」「ムリな計画で心が折れて書けなくなる」といったことにもなりかねません。)
定期的に展開を考え、それを文章に起こすことを繰り返していくと、だんだんストーリー作りに「慣れ」てきます。
勉強や仕事でも「やり方を学ぶと慣れていく」ように、物語の展開を作るのも「やり方が分かってくれば慣れてくる」のです。
おそらく世の物書きさんが言う「手クセで展開が書けるようになる」という状態なのでしょう。
(…ただ「慣れ」が「ワンパターン化」に繋がり「マンネリ」になると嫌なので、自分は「常に新しい展開や書き方に挑戦」して「パターンを作らない」ように意識しているのですが…。)
ちなみに自分は「1更新につき2000字台」という目標で習作(※)を書き、第1部は「週1間隔」、第2部は「毎日更新」をやってみましたが…
日中は普通に仕事がある身で「毎日更新」はさすがにキツいものがありました…😰
(なので、第3部以降はまた週1更新に戻しました。)
締め切りを設定すると、展開ができていようがいまいが文章を書き上げねばならないため、場合によってはどこかで見たような「ありきたり」な展開で妥協せざるを得なかったり、クオリティーが下がってしまったりもするのですが…そこも含めて勉強になりました…。
※今回の記事で言及している「習作」はコチラ↓。
